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「挑戦を続けてこれたからこそ今がある」
ロックもアニメもジャンルも世代も国境すらもブチ抜いて――
FLOWが到達した理屈抜きの絶景『TRIBALYTHM』ツアー開幕へ!
KEIGO(vo)&TAKE(g)インタビュー&動画コメント

 昨年はメジャーデビュー15周年に伴い、今までに手掛けたアニメ関連楽曲のみでセットリストが構成された『FLOW 15th Anniversary TOUR 2018「アニメ縛り」』を開催。その流れで中南米ツアーも敢行するなど世界を駆け巡り、アニバーサリーイヤーの締めくくりには10年ぶりの日本武道館公演『FLOW LIVE BEST 2019 in 日本武道館 〜神祭り〜』を見事に成功させたFLOWが、約3年ぶり11枚目となるアルバム『TRIBALYTHM』をリリースした。民族+意思+リズムの造語をタイトルに冠した今作は、長年蜜月の関係にある『NARUTO -ナルト-』や『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』、『コードギアス 反逆のルルーシュ』ほか、アニメやゲームの人気シリーズやドラマのタイアップ曲を多数収録しながら、ワールドミュージックやケルト音楽などの要素も貪欲に取り込んでみせた意欲作だ。ロックシーンで、アニメのフィールドで、日本で、そして世界で、音楽で1つになるという理屈抜きの絶景を幾度となく自らの目に焼き付けてきた彼らが、ジャンルも世代も国境もブチ抜いた渾身の『TRIBALYTHM』について、いよいよ始まるリリースツアーを前に語るインタビュー。新作の裏エピソードからロックとアニメの狭間の葛藤、海外のライブで起きた感動的なハプニングに、アラフォーにはたまらない収録曲『Smells Like 40 Spirit』にまつわる当時のカルチャー話まで…。デビューして16年、取材現場に現れたKEIGO(vo)とTAKE(g)は、あの頃とまるで変わらぬまなざしとユーモアを湛えて語ってくれた。そう、現場で見たものが、全ての答えだ。

 
 
15年前は考えられなかったですもん
海の向こう側で、我々の曲を知ってる人がいるなんて
 
 
――僕、FLOWのデビュー前の心斎橋TRIANGLEでのライブを観てるんですよ。
 
KEIGO(vo)「あれですよね!? 三角公園の前の。懐かしい〜!」
 
TAKE(g)「TRIANGLE! それこそもう16年ぐらい前で、あの頃はヒップホップとロックの融合みたいなイベントが結構多くて、関西でもよくやってたもんね」
 
――ぴあ関西版WEBにはアルバム『26 a Go Go!!!』(’14)以来の登場ですが、当時、久々に皆さんにお会いしたときも印象が全然変わらなくて。これだけキャリアを積んできてるのに、いい意味でノリがあの頃のままというか(笑)。
 
TAKE「そうですね、申し訳ないぐらい今でも落ち着きがないというか(笑)」
 
(一同爆笑)
 
――ライブ後もバンド少年みたいなキラッキラの顔をしてて(笑)。そこにFLOWが続く秘訣を見た気がしました。
 
TAKE「ちょっとぐらいは大人になれたかなと思ったんですけど、変われなかったですね(笑)。でも、ありがたいことにメジャーで15年以上続くとは、本当にあの三角公園の前のクラブでライブしたときは、露ほどにも思わなかったですね。周りを見ても90年代結成で10年以上続いたバンドって実は少ないんですよ。途中で解散したり活動休止したり、売れたとしても一瞬でハジけるみたいな。今は長くやることが美徳というか、メンバーが仲良いと解散の危機がないからファンも安心ですよね。オアシスとかはずーっと兄弟喧嘩してたから、再結成は厳しいだろうけど(笑)」
 
――ちなみにFLOWは兄弟喧嘩はしないんですか?(笑)
 
TAKE「まぁそうですね。解散があるとしたらそこでしょうね(笑)」
 
(一同爆笑)
 
TAKE「何せもう40年以上一緒にいますから! 今となってはORANGE RANGEか俺たちか、みたいな(笑)。ORANGE RANGEとはデビュー年も一緒なんですよね」
 
――去年はデビュー15周年イヤーで『FLOW 15th Anniversary TOUR 2018「アニメ縛り」』もあり、それに伴い海外にも行ったり。そもそもアニメ関連の楽曲だけでライブできる曲数があること自体がすごいですけど(笑)。
 
TAKE「15周年イヤーに関しては丸2年やったんですよ。15周年“突入”イヤーと、15周年イヤーと。今年の1月30日が15周年イヤーのファイナルで、10年ぶりに日本武道館でやったんですけど」
 
KEIGO「5周年のときに初めて日本武道館でやらせてもらって、10周年のときは47都道府県を回るツアーをやらせてもらって。15周年でアニメ縛りは、自分たちにとってもまた1つ挑戦だったし、そういう覚悟を持って臨めた15周年だったんじゃないかと思いますね」
 
――KEIGOさんのブログでも、アニメということで受けられた恩恵と、アニメということで遠ざけられたものが同時にあった葛藤が綴られてましたね。
 
KEIGO「アニメの主題歌をやらせてもらったことで海外に行けるようになったり、日本のアニメのイベントに出させてもらったりと恩恵はすごくあるんですけど、最初はアニメのシーンに行っても“ロックバンドでしょ”と言われ、ロックのシーンでは“FLOWは最近アニメ寄りだよね”みたいな声も聞いて…。それが単純に悔しかったというか、寂しいというか、それが理由でつながれなくなっちゃうのは違うなと思って。それはなぜかと言うと、アニメのイベントに出させてもらったとき、とんでもなくロックな人たちが本物のライブをしていて、“すごいもんはすごいじゃん!”って肌で感じたからで。そういう想いがある中でのアニメ縛りという1つの覚悟を持ったツアーでもあったので、それが自然とブログでは言葉になりましたね。その覚悟は今回の『TRIBALYTHM』にもつながってますね」
 
TAKE「ここまで活動を続けられたのは本当にアニメとの出会いがデカかったし、個人的には非常に飽き性なんで、その都度その都度、新しい挑戦を続けてこれたからこそ今があると思うんですよね。最近では、アニメの主題歌をやりたくてデビューしたって言うバンドも出てきたり、アニメとロックの親和性はより高まってきて、当時とは全く違う状況になってきてるので」
 
――例えば、the pillowsも海外進出のきっかけはアニメですからね。音楽は国境を越えると言いますけど、日本のアニメもそこを飛び越えていける1つのツールというか。
 
KEIGO「よくTAKEとも話すんですけど、日本人が一番、日本のアニメが世界で評価されてるのを知らない。しかもアニメ好きの方ってすごい熱心で、そこから日本語を勉強したり、日本の音楽を掘ってみたり。FLOWに関しても、アニメの曲だけじゃなくてアルバムの曲まで聴いてくれたり」
 
TAKE「今はYouTubeとか世界共通の環境があって、興味があったらCDも取り寄せられるし、サブスクリプションで聴けるようになってますから。ブラジルのアマゾン川流域のマナウスという都市でワンマンをさせてもらったときに、“『常夏エンドレス』(’14)をやってくれ”って言われたときはもう」
 
――アマゾン川流域でワンマンの需要があるFLOWもすごいわ(笑)。
 
KEIGO「アハハハハ!(笑) 海外でよくあるんですけど、VIPチケットの握手会とかサイン会がライブ前にあって、そこに来た女の子が“『常夏エンドレス』をやってください”って」
 
TAKE「アニメの曲でも何でもないし、何なら日本でもあんまり知られてないかもしれない(笑)」
 
(一同笑)
 
――ちゃんと本場の南国で求められる『常夏エンドレス』(笑)。実際にやったんですか?
 
TAKE「すぐセットリストに組み込みましたよ! それなのに本番中に停電して(笑)」
 
(一同爆笑)
 
KEIGO「1時間半ぐらい復旧しなくてね。停電の原因も不明で、このまま続けられるかも分からなかったのにお客さんが残ってくれて、“FLOW! FLOW!”ってずーっと声を上げてくれたんですよ。あれは本当に嬉しかったですね。結局、もうダメかも…と思ってたらいきなり電源が入って(笑)」
 
TAKE「明日に延期するか、中止にするか、ジャッジを迫られてたときに電気が点いて、しかも復活して1曲目にやったのが『Re:member』(’06)で。昔、KEIGOが交通事故に遭って半年ぐらい休んで復活したときの曲を、地球の裏側でみんなと熱唱するっていう(笑)」
 
KEIGO「だから、やたら熱くなっちゃってね(笑)」
 
――いや~本当にすごい経験してますね(笑)。時代的にも、ネット環境が整っていろんな国々とつながれるようになったのはやっぱり大きいでしょうね。
 
TAKE「違う国の人も、同じタイミングでアニメを見てますからね。“1週間前に放送されたばかりの曲を歌ってるよ!”みたいな(笑)。15年前は考えられなかったですもん。海の向こう側で、我々の曲を知ってる人がいるなんて」
 
 
よく点と点が線になるって言いますけど
それがものすごくあった3年間だったんじゃないかと
 
 
――先ほど話に出た『FLOW LIVE BEST 2019 in 日本武道館 〜神祭り〜』はどうでした?
 
KEIGO「10年前はやっぱり“初の武道館!”みたいな意気込みもあったし、気持ちが入り過ぎちゃって、必死で(笑)。そこから10年という歳月がかかっちゃいましたけど、それだけライブを積み重ねてこれたので、ライブのタイトルに“BEST”って入れたんです。今まで培ってきたFLOWのライブを、ベストな形でみんなでやろうよって。そういうライブができたので、今回はちゃんと頭と心に刻むことができました」
 
TAKE「あと、その頃には『TRIBALYTHM』はもう完成してて」
 
――え? まだ1月だったのに? 早っ!!
 
TAKE「もう16年やってきてるノウハウがあるので、仕事は早いんで(笑)。自分たちが活動していく中で、今ではお客さんが娘さんとか息子さん、ご両親を連れて来てくれたりで、ある種世代を超えていると。去年やったアニメ縛りのツアーでは、ロックとアニメのジャンルを超えて、みんなで1つになれた経験が非常に大きかったし。“いろんなしがらみとか壁を取っ払って、FLOWの音楽で新しい仲間になれるんじゃないか”っていうのが『TRIBALYTHM』のテーマなんですけど、それを武道館の客席が本当に体現してくれたなって。タイとかアメリカとか海外からも結構お客さんが来てくれたらしいんですよ。これからの活動の指標に、その第一歩になったのが武道館だったと思います」
 
――ただ、3年前に前アルバム『#10』(’16)を作った後は、燃え尽き症候群みたいになってしまったと。
 


TAKE「もうカッスカスの出がらしでしたよ(笑)。その後コラボさせていただいた『風ノ唄』(’16)(M-2)(『テイルズ オブ』シリーズ20周年記念TVアニメ『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』オープニング主題歌)が、今回の出発点になったと思ってて。そこでバグパイプをフィーチャーさせてもらって、初めて民族音楽的なアプローチができたのがデカかったんですよね。そのアニメ自体が、“違う種族同士が共存して生きていけないか”というテーマがあって、それが頭に残ってた部分もあって。そこから観ていく景色が、アニメ縛りのツアー会場だったり、世界各国の風景とリンクして、『TRIBALYTHM』のアルバムの軸が固まった気がします」
 
KEIGO「それまでもおぼろげには思ってたけど、何か言葉にできずに、形にもできずにっていうところがあったんですけど、やっぱり覚悟を持って向かったからこそ見えたものがあると思うんですよね。足を止めずにライブをやってきたのと、アニメ縛りのツアーで大きく舵を切ったのが、やっぱりデカかったのかなと」
 
――そもそも、『風ノ唄』で民族楽器を入れたのは先方のオーダーだったんですか?
 
TAKE「いや、これはこちら側の提案で。ファンタジー? 北欧? ケルト民族? バグパイプ? みたいな(笑)」
 
(一同笑)
 
――ただ、3年前の『風ノ唄』から着想したとしても、これだけ様々なタイアップ曲があると、後付けで全ての曲にその要素を入れられるかと言うと、そうとは限らない。さっき言ったことがずっと頭にあったから、結果的に収録されたどの曲にも通じるムードがあったと。
 


TAKE「そうですね。『Break it down』('18)(M-3)なんかは、まさにアニメ縛りのツアーをやってるときの想いが、“壁を壊して1つになろう”だったので。やっぱり全ての活動がつながってたと思うんですよね」
 
KEIGO「よく点と点が線になるって言いますけど、それがものすごくあった3年間だったんじゃないかと思います」
 


TAKE「『音色』('18)(M-8)は『幸色のワンルーム』というドラマの主題歌ですけど、“人の幸せは見方によって変わる”っていう、男女の奇抜な関係のお話だったんです。それも言わば、“多様性を理解してみんなで分かり合おうよ”っていうテーマだから、ぶっちゃけつながってるな、みたいな」
 
KEIGO「そうやってバンドとして1つ強い想いがあると、今の『音色』の話じゃないですけど、そっちの方向にプットアウトできるんですよね」
 
――そんな中、『PENDULUM』(M-5)は一度はマスタリングまで終わっていたのに、KEIGOさんのボーカルを入れ直すぐらい突き詰めたらしいですね。
 
TAKE「音源が出来上がると、趣味の山登りをしながら聴いたりするんですよ。頭を空っぽにして素敵な景色を観ながら音楽を聴くと、何かいいんですよね。まぁ熊除けの鈴の代わりに流してるんですけど(笑)。そういうフラットな状態で聴いたとき、ちょっと気になった部分があって」
 
KEIGO「そこはやっぱり信頼関係というか、歌のディレクションはTAKEがずっとやってきたので、俺の声を誰より分かってると思うんですよね。指摘されたところを意識して臨んだら絶対に違う結果にはなると思ったので、それでもっとよくなるなら当然歌いたかったし、全然受け入れられたというか」
 
TAKE「割と辛辣に言うもんね、俺」
 
KEIGO「レコーディングのときのTAKEは人じゃないんで! 鬼軍曹なんで!」
 
(一同爆笑)
 
TAKE「最終的には、本当にいい形でパッケージできたなと思います(笑)」
 
 
挑戦を諦めなかったFLOWの歴史が『TRIBALYTHM』
 
 
――あと、僕もFLOWと同世代のアラフォーなので(笑)。
 
TAKE「出たー! 『Smells Like 40 Spirit』(M-10)ですよね? これは皆さんのために書きました!」
 
――『Smells Like thirty Spirit』('08)の歌詞も改めて見ましたけど、全然こっちの方が具体的ですね(笑)。ポケベル、ファミコン、ビックリマン、ミニ四駆、キンケシ(=キン肉マン消しゴム)、なめ猫、キョンシー、ダンス甲子園…もう、“あるある”の境地(笑)。
 
TAKE「アハハハハ!(笑) こういう大人になりたいな、と。これはもう我々40代が楽しんできたカルチャーが全て詰め込まれてる曲ですよね」
 
KEIGO「一見関係ないんですけど、こういうものが我々の血となり肉となってますから(笑)」
 
――久々に“ゴールドライタン”の画像検索をして、捨てずに置いとけばよかったよと思いました(笑)。
 
TAKE「今はネットで調べられるじゃないですか。知らない世代は“ウーパールーパーって生き物なんだ”とか、“ブタミントンってゲームなんだ”みたいな(笑)。“ねるねるねるね”サイドも結構ノッてくれて、“うちのTwitterでも宣伝したいんで”みたいに言ってくれたり(笑)」
 
――エンペラー吉田もヤバい(笑)。
 
TAKE「『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の、“偉くなくとも正しく生きる!”って、言ってたら入れ歯が外れちゃう人ね(笑)。まぁKOHSHIはエンペラー吉田かジェット浪越で悩んでましたけど(笑)。まだ20代とか次の世代の人はごめんね、ググってね(笑)。当時我々が夢中になったカルチャーを、’00年代前後に我々が虜になったヘヴィミクスチャーロックのサウンドに乗せてお送りする、本当に“好き”だけで作った曲です(笑)。今回の世代を超えていくという1つのテーマも含めて、表現としてはいいんじゃないかと」
 
――今回のアルバムを聴いてたら、やっぱりミクスチャーロックっていいなというか、ズルいなと思いますよね。何でも入れられるっていう(笑)。
 
KEIGOTAKE「アハハハハ!(笑)」
 
TAKE「そうなんですよ。だから挑戦を諦めなかったFLOWの歴史が『TRIBALYTHM』なんですよ(笑)」
 
KEIGO「デビュー当時はジャンルに特化してる方が評価されてましたし、我々も面と向かって“何がやりたいの?”って言われて本気で悩んでたんですけど、“全部やりたいです!”みたいな(笑)」
 
TAKE「我々はカテゴライズしづらいから(笑)。ラップもすれば、4つ打ちもあるし、いろんなことをやるし。でも、それを続けてこれたことが、FLOWの1つの個性になった。本当の意味でのミクスチャーが今できてるのかなと」
 
――メンバー全員が40代になって何か感覚は変わりました?
 
TAKE「どの職業もそうだと思うんですけど、30代まではインプットの時間で、40代からは好きなようにアウトプットできるって。その感覚は分かりますね。良くも悪くも周りにも“好き”を通せるというか、やりたいことを形にさせてもらえてるので。ただ、周りに年下の人が多くなってきたので、老害にならないように気を付けないと(笑)」
 
KEIGO「あるイベントに出たときにステージ上で肉離れしたんで(笑)、これは身体をメンテナンスしないとヤバいなと思いましたけど。経験と自分の意識が合致するのが40代ぐらいなんでしょうね」
 
TAKE「男が一番働き盛りなのは40代と聞くので、早くなりたかったんですよ。一応、人生をもう折り返してるんだから、偉そうにしてもいいのかなと思って(笑)」
 
(一同爆笑)
 
TAKE「最近は40代のバンドも元気ですよね。関西だったら10-FEETとかROTTENGRAFFTYとか、当時一緒にやってたバンドも、ちゃんと地に足つけてライブ活動しながら頑張ってますもんね」
 
――むしろ20代より今の方が、充実した活動ができてる気がしますね。
 
TAKE「自分たちの思い通りにできるところも増えてるだろうしね。最近の20代の子たちはもっと頭がいいから、すぐに辞めちゃいますから。俺たちは40代になっても、やっぱりどこか夢見心地な部分がまだあるけど(笑)」
 
KEIGO「あとはもう後に引けないっていうね(笑)」
 
TAKE「だったら、いつまでも夢を見ていたいですよね」
 

いろんなものを取っ払って、自分たちの音楽で1つにできるバンドになる
 
 
――結果、『TRIBALYTHM』はボリューミーかつ、エモーショナルなアルバムになりましたよね。タイアップがここまで付きながら、ちゃんと己の色が出ているのはFLOWならではだなと。
 


TAKE「そう言ってもらえると一番嬉しいです。あと、初回限定盤のBlu-rayにもいろいろ詰め込ませていただいて」
 
――15周年の武道館ライブの映像だけでも十分なのに、その武道館と中南米ツアーのドキュメンタリー、さらには。
 
TAKE「俺たちにしかできない、俺たちだからできることは何だろうと。それで出てきた案がTRIBALYTHM企画 二番勝負『ビストロFLOW ブラジル料理対決』と『世界のききビール対決』です(笑)。ファンクラブのDVDとかではバラエティじみたことを結構やってるんで、その一面をもう出しちゃってもいいんじゃないかと。その方がバンドの人となりを理解してもらえて、楽しめるのであればね。それにはブラジルの家庭料理対決が一番だと(笑)。しかもブラジル大使館の人にジャッジしてもらってますから」
 
――そこにも『元気が出るテレビ!!』イズムを感じる(笑)。次の20周年に向けて大きな礎ができた感じがしますね。
 
TAKE「11枚目ってリスタートじゃないけど、また新たなスタートみたいな気持ちにもなりますね。ただ、ここから15枚、20枚って考えたらまた気が遠くなるけど(笑)。11枚目を無事に作れたのは、それを届けられるのは、本当に感謝しかないと思ってます」
 
KEIGO「今は本当にメンバー全員が1つの方向を向いていて。いろんなものを取っ払って、“自分たちの音楽で1つにできるバンドになる”っていう、これから進むべき道を1枚のアルバムに込められたのは非常によかったなと」
 
――5月26日(日)横浜ベイホールからリリースツアーが始まりますが、大阪公演は6月22日(土)のなんばHatchです。
 
KEIGO「久々なんです、なんばHatch。あと、ずっとやってきて思うのが、作品になって完成じゃないんだなって。ライブでみんなと分かち合えたとき、ちゃんと進化するんですよ。そういう化学反応が見られるのがライブなので」
 
――マスタリングが終わった後でも追い込んで追い込んで最高の音源を作ったのに、ライブはそれを超えていく。
 
TAKE「いや〜音楽は生き物ですからね。あとは自分たちの手を離れて、勝手に成長する部分もありますから。こっちはもう産んだんで、あとは好きにしてください(笑)。それぞれの育て方で楽しんでもらえれば嬉しいです!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 




(2019年5月23日更新)


Check

Movie

さすがの安定感でございます(笑)
FLOWからの動画コメント!

Release

民族楽器をフィーチャー&タイアップ曲
を多数収録! 3年ぶりの11thアルバム

Album
『TRIBALYTHM』
【初回限定盤Blu-ray付】
発売中 6926円(税別)
キューンミュージック
KSCL-3143~4

<収録曲>
01. TRIBALYTHM –Intro-
02. 風ノ唄
03. Break it down
04. 火花
05. PENDULUM
06. サンダーボルト
07. INNOSENSE
08. 音色
09. BELIEVER
10. Smells Like 40 Spirit
11. BURN
12. ONENESS
13. アイオライト
14. TRIBALYTHM –Outro-

<Blu-ray収録内容>
・15th Anniversary Final
 FLOW LIVE BEST 2019 in 日本武道館
~神祭り~(全25曲/約150分)
・Documentary of
 FLOW LIVE BEST 2019
 in 日本武道館~神祭り~
・Documentary of
 15th Anniversary TOUR 2018
 “Anime-Shibari” -Latin America Tour-
・TRIBALYTHM企画ニ番勝負
 ビストロFLOW ブラジル料理対決
・TRIBALYTHM企画ニ番勝負
 世界のききビール対決

【通常盤】
発売中 3000円(税別)
キューンミュージック
KSCL-3145

<収録曲>
同上

Profile

フロウ…写真左から、GOT’S(b)、KEIGO(vo)、IWASAKI(ds)、KOHSHI(vo)、TAKE(g)。兄弟であるKOHSHI(兄)、TAKE(弟)が’93年から音楽活動を始め、’98年にFLOWを結成。’99年にKEIGO、GOT’S、 ‘00年にIWASAKIが加わり現在の編成に。’03 年にシングル『ブラスター』でメジャーデビュー。ツインボーカルが織り成すメロディの強さと幅広い音楽性を武器に多くのヒット曲を世に放つ。アニメ『NARUTO- ナルト-』オープニングテーマ『GO!!!』('04)や『コードギアス反逆のルルーシュ』オープニングテーマ『COLORS』('06)、『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』オープニング主題歌『風ノ唄』('16)など、数多くのアニメ作品のテーマ曲も手がけ、長年に渡り高い評価を得ている。さらにエネルギッシュで圧倒的なライブパフォーマンスは圧巻。昨今では日本全国でのライブはもちろん、世界各国で行われるフェスからも多数のオファーを受け、’06年以来アジア、北米、南米、ヨーロッパなど、18ヶ国以上もの国でライブを行っている。そのまっすぐでエネルギー溢れるライブは、観る者を圧倒し、ライブバンドとして国境を越えて音楽を届け続けている。’19年1月には、10年ぶりの日本武道館単独公演、『15th Anniversary Final「FLOW LIVE BEST 2019 in 日本武道館〜神祭り〜」』を開催。4月10日には、最新作となる11thアルバム『TRIBALYTHM』をリリースした。

FLOW オフィシャルサイト
http://www.flow-official.jp/

Live

大阪公演は久々のなんばHatch!
リリースツアーが間もなく開幕

 
『FLOW LIVE TOUR 2019「TRIBALYTHM」』

【神奈川公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月26日(日)横浜ベイホール
【福岡公演】
▼6月9日(日)DRUM LOGOS
【北海道公演】
▼6月15日(土)ペニーレーン24
 

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード141-867
▼6月22日(土)18:00
なんばHatch
1Fスタンディング5300円
夢番地■06(6341)3525

チケット情報はこちら


【愛知公演】
▼6月29日(土)ダイアモンドホール
【宮城公演】
▼7月6日(土)仙台Rensa
【東京公演】
▼7月12日(金)STUDIO COAST


Column

笑って泣いて暴れてデビュー10周年
を超えてなお血気盛ん!
ライブ鉄板9thアルバム
『26 a Go Go!!!』
KOHSHI(vo)&KEIGO(vo)が
バンドの今を語るインタビュー

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ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「インタビューの冒頭にもあるように、まだインディーズ時代にFLOWと出会ってたんですが、この人たちは本当に印象が変わらない。メジャーの荒波にもまれながらサヴァイブしてそれって、実はすごいことです。そんなFLOWにこうやって再会できるのは、数々のアニメ楽曲のおかげなのは確かで。でも、それによりどこにも属せず、どこにも属さなかった彼らだからこそ、この純度が保たれたのかもしれないなと、話していてふと思いました。活動的にも、音楽的にも、我が道を切り開いたFLOWの旨味と本気を、Spotifyで’18年に海外で最も再生された国内アーティストの第8位という事実しかり、世界で結果を出し続ける頼もしい姿を、『TRIBALYTHM』からはビシビシ感じましたね。そして、彼らと同世代というのもあって、『Smells Like 40 Spirit』トークは本っ当に盛り上がりました(笑)。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の早朝ロデオ、早朝バズーカ、すべり台風呂、100人隊…(知らない人は何のこっちゃですが(笑))今ならコンプラ的に即NGであろうオモシロ番組について散々話してたんですが、あまりに盛り上がり過ぎて逆にカットですよ(笑)。笑ったな~。タフネスとユーモアが共存するFLOWを、改めて好きになりました。『TRIBALYTHM』を聴いた人が、このインタビューを読んでくれた人が、そうなってくれることを心から願っています!」