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至極の対バンツアー『大歌の改新 第三期』も遂にクライマックス!
悩める空想委員会がハイブリッドに覚醒する!?
濃厚な1年を駆け抜けたバンドの転換期から
『色恋沙汰の音沙汰』の内情に迫る全員インタビュー&動画コメント

 ‘16年はワンマンツアーで幕を開け、2月には2ndフルアルバム『ダウトの行進』をリリースし、インストアライブ行脚と全国ツアーが始まったかと思えば、間髪入れずに4月にはアニメ『遊☆戯☆王ARC-V』エンディングテーマ、 映画『燐寸少女 マッチショウジョ』主題歌のWタイアップとなった3rdシングル『ビジョン/二重螺旋構造』をリリース。再びインストアの旅から、若手にスポットを当てた対バンツアー『大歌の改新~新世代登用編~』&初となる『みんなで作るリクエストワンマン』の2DAYSで全国を巡り、もちろん合間には各地のフェスやイベントに出演、時には千葉ロッテマリーンズの試合前国歌斉唱までこなし(笑)、9月にはバンド史上最大規模の日比谷野外音楽堂でのワンマンライブ! そんでもって秋の学園祭ツアーにまたまた始まった対バンツアー『大歌の改新 第三期』…って、まるで追い切れない怒涛のスケジュールの中、'16年を締め括る2nd EP『色恋沙汰の音沙汰』を発表と、激動の1年を送った空想委員会。さらにはリード曲『色恋狂詩曲』のMVは、観る者の選択でエンディングが変わるという前代未聞の“恋愛シミュレーションゲーム型ミュージックビデオ”と、クリエイティブもパフォーマンスも躍進目覚しい彼らだが、さすがにちょっとお疲れのご様子!? 特にフロントマン・三浦隆一(vo&g)は(笑)。『大歌の改新 第三期』も残すは東名阪というクライマックスに1年を総括する過程で、思わぬ“気付き”と覚醒をもたらした“アーティスト・カウンセリング型インタビュー”、ぜひご覧ください(笑)。

 
 
常に空想委員会として生きてきた1年だった
 
 
――’16年はリリースも頻繁にあって、ライブも常にあってと、真っ当にバンドの底上げをしていった1年に見えましたが振り返ってどうでした?
 
佐々木(g)「実際にリリースする曲数の2~3倍は曲を書いたし、学祭も入れるのであれば5本もツアーをやってるし、とにかく制作とライブと、こういうインタビューをしてもらったりもそうですけど、常に空想委員会として生きてきた1年だったので、もうあっという間に過ぎて」
 
岡田(b)「それに、アニメや映画のタイアップをやらせていただいたり、今までやってこなかった活動をプラスでやれたので、もう本当に濃かったですね。どんどん空想委員会の幅が広がってきてて、毎年毎年濃くなっていってるんですけど、’16年は過去最高に濃い1年でしたね」
 
三浦(vo&g)「ツアーも多かったし、人前で歌う機会が多かったので、そういう筋肉は鍛えられたと思うんですけど、逆に僕は自分と向かい合う時間があんまりなかった気がしてて。演奏する筋肉は鍛えられたけど、’17年はもうちょっとインナーマッスルを鍛えてぇな、みたいな。そういうことが見えた1年だったかなっていう感じはしますね」
 
――なるほど。“どうでした?”って質問したとき、三浦くんだけちょっと表情が曇ったのはこういうことね(笑)。三浦くんは弾き語りもあったし、アウトプットが凄まじく多いけどインプットする暇がない1年というか。
 
三浦「うん…そういう印象ですね。ただ、同時に歌うことに関しては鍛えられましたね。いろんなバンドのライブを観て刺激を受けたし、吸収したし。僕らが正解だと思ってやってきたライブとは違う正解を対バンとかに観せられたりすると、“そういうやり方もあるのか”とか。結構視野は広がりましたね。いろんな方法があるんだなって」
 
――じゃあ対バンツアーの『大歌の改新』は、招いたこっちが貰うものも相当ありますね。
 
佐々木「毎公演そうですね。今はもう第三期までやってきてますけど、今回がライブ前に一番プレッシャーを受けてますね。対バンのみんなが本当にそれぞれの持ち味を出してしっかりライブをしてくれるんで、会場の雰囲気もそれに着いていってる感じがするし、トリの僕らがちゃんと締めないといけないんで。“マジか! それやっちゃう!?”みたいなことも結構あったんで(笑)、いい意味でしんどかったですね」
 
 
野音はその日に向けてというよりも、やったことで見えたものがすごくあった
 
 
――そして、昨夏には日比谷野外音楽堂でのワンマンが1つの区切りとしてあって。武道館はまだ先だとしても、日比谷野音はその道中でバンドが一度は立つことになるターニングポイントだと思いますが。
 
佐々木「大好きなバンドもよく観に行ってた野音だったんで特別感はあったんですけど、やっぱり通過点なんで。“これ以上のライブはないんだろうな”っていうライブはしたくなかったし、お客さんに“もっともっといい景色に連れてってくれるんだろうな”って思わせたかったんで。そこを意識してやったので、いいライブはできたかなと」
 
岡田「正直、僕は野音もそうですし、何ならZeppにも武道館にも行ったことがなかったんで(笑)、あんまり実感がなかったんですよ。でも、逆にライブをやってみて、野音という素敵なステージでこんないい日を作れるなら、もっといろんな場所でやりたいなって思ったんですよ。そういう意味では、野音はその日に向けてというよりも、やったことで見えたものがすごくあった感じがしましたね」
 
三浦「僕が初めて野音に観に行ったのは東京事変とZAZEN BOYSの対バンで。みんなの憧れの場所なのは知ってたんですけど、いざやってみたら意外と変わらないというか、僕は僕の仕事をちゃんとやる感じで。ただ、野音に関しては終わってからもう1回ここでやりたいなって思ったんですよ。毎年みんなが出たくなる場所なのは分かるなって。もう1回と言わず、何回でもやりたいですね、野音は。気持ちよかったですね、単純に。あとはもっといろんな魅せ方ができるんだろうなとか、ちょっと欲が出ましたね」
 
佐々木「そうだね。天気にも意地悪されて(笑)雨が降ったんですけど、一時はどうなるかと…。当日の朝は雨の音で起きましたから。もう本当に豪雨だったんですよ!」
 
三浦「“終わった”と思ったよね(笑)」
 
佐々木「本当にいろんな人が関わってくれてあの日を迎えたので、最初は“いや、どうすんのこれ?”っていう感じだったんですけど(笑)、本番は霧雨みたいな感じで、むしろ“これが野音なのか。雨ですら演出になっちゃうんだ”みたいな。みんながカッパを着て盛り上がってくれたんで、本当にいい日だったなって」
 
――やっぱり前を見てるせいか、もしくはキャパシティが広がったせいか、全ての発言から“もっともっと”っていう気持ちを感じますね。
 
佐々木「そうですね。野音も別に打ち上げもせずに終わったんで(笑)。“じゃあまた頑張ろうね~お疲れ~”みたいな。だから本当に通過点っていう感じでしたね」
 
 
プライベートでも何かやりなさいよっていう話だよね
仕事ばっかりしてないで(笑)
 
 
――そんな中で最新作『色恋沙汰の音沙汰』が’16年を締め括るアイテムとして出たわけですけど、今作は恋愛を軸とした作品ということで。どういうモードでそうなったんですか。
 
佐々木「制作期間に各々が曲を書いて、全曲歌詞は後乗せだったんですよ。だから恋愛の歌詞になったのは三浦くんのタイミングだったのかな、っていう感じですね」
 
三浦「あとは、スタッフさんからも“そろそろ恋愛の曲はどうです?”みたいなオーダーもちょっとあったよね?」
 
――空想委員会が世に知られたきっかけが“こじれた恋の歌”みたいなところもあるから、その辺は要望としてはあるでしょうね。
 
三浦「“恋愛の曲はないんですか?”って言われて、“ないんです”ってずっと突っぱねてたんですけど(笑)、今回は書けるかもなってちょっと思ったっていうことは、多分そういう時期だったんでしょうね。前作から8ヵ月ぐらい経ったんで少しぐらいね…プライベートでも何かやりなさいよっていう話だよね、仕事ばっかりしてないで(笑)」
 
――自分としても書く/書かないじゃなくて、書きたくなるようなことがないのはよくないなというのはあったと。
 
三浦「だから意識して空いてる時間になるべくウロウロするようにしたり、昔の恋愛を思い出す時間も作るようにしてて。バーッと書けたので、多分自分の中でも何かあったんだろうなと」
 
――ただ、トキメキを探さないと“ない”っていうのも(笑)。
 
三浦「矛盾してますよね?(笑) 多分、“書かなくていい”って言われたら書いてないかもしれない。でも、夏もフェスだなんだといっぱい出て最後は野音だっていうことで、ちょっと攻めなきゃな、みたいな気持ちはあって。多少なりとも色恋沙汰になりそうな場所には顔を出しましたね」
 
――多少なりとも色恋沙汰になりそうな場所ってどこやねん!(笑)
 
三浦「例えば、女の娘との食事会みたいな機会があればなるべく行くようにして(笑)。ずっと閉じこもってる生活はダメだなと。そういう風に意識していると、“何かあの仕草がちょっと素敵”とか、そういう感覚をやっぱり思い出すんですよ。それで書けるようになったことがあったので」
 
――でも、ヤバいね、ちょっと。麻痺ってきてる(笑)。
 
三浦「昔はそういう色恋沙汰があっての曲だったのに、今はもう曲のために色恋沙汰を探しに行くっていう(笑)」
 
佐々木&岡田「ヤバいヤバいヤバいヤバい!」
 
――でも、“女の娘と一緒にご飯に行ってみたり”って、そう思って即行ける環境があるのはやり手やん。
 
三浦「あぁ~そこは恵まれてますね。何かね、誘ってくれることも多くて。ただアレですね、彼氏がいる子とか旦那さんがいる人と仲良いんですよ(笑)。でも、それこそ『上書き保存ガール』(M-4)とかはまさに“相手が別にいての俺”みたいな曲なんで。そういうところに出向いて行くのはやっぱり大事だなってすごく感じましたね」
 
――そうか。でもそれは真のトキメキじゃない感じがするな。
 
三浦「もうビジネス・トキメキだわ(笑)」
 
(一同爆笑)
 
三浦「いやでも本当に“この娘好きだわ~”っていう感覚は、もう随分ないですね。これから先そういうことあるのかな?って不安になるぐらい(笑)、欠落してしまった感じがある。いやぁ、よくないね!」
 
――もうガソリンがなくなってきてるよ(笑)。言わば恋愛は、空想委員会を走らせてきた初期のガソリンで。でもよく言えば、今はハイブリッド車になって、それがなくても違うエネルギーでも走る、みたいな。前回の『ダウトの行進』(‘16)のインタビューで話したフロントマンとしての自覚だったり、お客さんを信頼する気持ちだったり、恋愛云々じゃなくても音楽を続ける理由がちゃんとできたから、そうなっていったんじゃない?
 
三浦「あ! いいこと言いますね。別のエネルギー源で走ってるっていうのは、本当にそうだわ。恋愛がなくても音楽ができる。まさにそうですね。言われなかったら気付かなかった俺(笑)。昔は長く音楽をやりたいっていう感覚がなかったんですよ。歌いたいことがなくなったら別に辞めればいいじゃんって思ってた。でも、なるべく音楽を続けていきたいって思うようになったから、ガソリンと電気の両方で走れるのは、俺にとってはすごくありがたい。その方が長く走れるぜ、みたいな」
 
――好きになる感情ってどんどんなくなっていくというか、ハードルが上がっていく。“あ、この気持ちが絶えたら音楽も終わるのか”ってなったら怖いもんね。
 
三浦「でも、昔は本当にそう思ってました。これがなくなったらもう俺はおしまいだって。今はうまい具合に別のエネルギー源を持ててるってことですよね? あぁ~そっか! そういうことか。いやもう、合点がいったわ俺(笑)」
 
 
一歩進んだ歌詞で終わるようになったのは、ちょっとした変化かもしれない
 
 
――じゃあ今改めて、空想委員会として恋愛をテーマにしたとき、ビジネス・トキメキでも曲自体は書けたと(笑)。
 
三浦「そうですね(笑)。しかも昔は“恋愛がうまくいかないわ~”で終わる曲ばっかりだったんですけど、今は“うまくいかないからどうしよう?”って、その先まで描きたい感じになったので。それは多分、2つのエネルギー源があるから(笑)。以前は自分の気持ちを歌えればもう満足だったのが、空想委員会を聴いている僕に似た男子がいっぱいいるから、“その子にちょっと希望を”みたいな気持ちもあるし。一歩進んだ歌詞で終わるようになったのは、ちょっとした変化かもしれないですね」
 
――意識が変わったからライブが変わって、ライブが変わったから曲も変わる。まさに全てのギアが連動してる。あと、今作を聴いて思ったのが、メンバー全員が曲を書いても、メインのソングライターに劣らないというか、ちゃんとそれぞれの持ち味があって。もう三浦くんが歌いさえすれば何とかなるんじゃないかっていう。
 
三浦「フフフ(照笑)」
 
佐々木&岡田「そう! 本当にそう」
 
佐々木「『ロマンス・トランス』(M-2)なんかまさにそうですね」
 
――割と過激なアレンジをしてみたところで、青森産の素朴さがどこかに残ってるから(笑)。人柄がちゃんと声に乗っていて、だからこそどんなサウンドで歌っても何とかなる。ただ、リード曲の『色恋狂詩曲』(M-1)のMVは恋愛シミュレーションゲームみたいに回答を選択していくのが斬新でおもしろいけど、マジで1回もうまくいかない!(笑)


 
 
佐々木「アハハハハ!(笑) 好きな子と話すときって、本当にひと言ひと言で運命が変わりますからね(笑)」
 
岡田「難しいんですよね、あれ(笑)」
 
――あと、この曲の歌詞にもありますが“「あなたは 一度も 本音を言わない」”って、言われたことはある?
 
三浦「あります!(笑)」
 
――だろうね(笑)。三浦くんってすごくジェントルだけど、なかなか本当のところが分からないなと思うもん。佐々木くんと岡田くんはそんなに裏表がない感じがする。三浦くんは何か腹割ってない感がある(笑)。
 
三浦「アハハハハ!(笑)」
 
佐々木「見抜いてる見抜いてる(笑)。俺らだって知らないことがいっぱいありますからね」
 
――表面はすごく人当たりもよくて不快な想いはさせないんだけど、“俺、三浦くんとめっちゃ仲良くなったわ”って思わせない何かを感じる(笑)。
 
三浦&佐々木「アハハハハ!(笑)」
 
三浦「それよくないぁ~(笑)」
 
――でも、ミステリアスな部分もボーカリストには絶対あった方がいいから、何でもかんでも言うのも違うんだけどね。でも、自分ではそんなつもりはないわけ?
 
三浦「ん~多分、小ちゃい頃からこういう感じなんで、これが普通と思って生きてる(笑)。でも、全部言ってるのかと言われると、うん確かにっていう」
 
岡田「“聞かれないから(言わない)”っていつも言うんですよ」
 
佐々木「それよく言うよね。まぁ俺らはもう慣れてるから。でも、知り合って浅い人とかは“あ…”みたいな感じになるかもしれないですね(笑)」
 
――でも、一連の話を聞いてると、今でもちゃんとこじれててちょっと安心しました(笑)。
 
 
三浦くんが歌えば空想委員会になるから大丈夫
 
 
――サウンド的には、『色恋狂詩曲』はテンポチェンジが1つのテーマだったという話ですけど、ベースのスラップとかもめっちゃ効果的でいいですね。
 
佐々木「最初にアコギと歌のデモをもらって、メロディがいいからもちろんいい曲になるんだろうなと思ってアレンジしてたんですけど、“ただいい曲で終わるな”っていう匂いがプンプンしてきて。じゃあ今までやったことがないテンポチェンジに挑戦してみようと。ただ、最初は全然できなくて、むしろ曲を悪くしてるぐらいだったんですけど(苦笑)、最終的に“いい違和感”というか、曲の展開だけでも楽しめるサウンドが無事にできてよかったですね」
 
――『ロマンス・トランス』でも同じことを思ったけど、ヘンな話、あのEDMから派生したアレンジじゃなかったら、“ただいい曲”だったなって思ったんですよ。ああいう遊びやチャレンジがあることで、曲の魅力が上がってる。
 
佐々木「自分に刺激が欲しいのもありますね。同じことをやってもつまらないし、三浦くんが歌えば空想委員会になるから大丈夫って信頼してる部分もあるんで、本当に各々が自由にいいものを作れた感じはありますね」
 
――EDMを導入しようと思ったきっかけが、昔トランスをよく聴いてたからというのが、今の音楽性からするとかなり衝撃でした(笑)。
 
佐々木「中学生のときにすっげぇ聴いてました(笑)。特に『サイバー・トランス』っていうシリーズを全部持ってたんですけど、EDMを入れたいなと思ったときにもう1回聴き直して、やっぱりカッコいいなと」
 
――あと、どの曲もすごく人柄が出たアレンジで、元気な人は元気なアレンジ、優しい人は優しいアレンジ。だから、岡田くん作の『見返り美人』(M-3)は優しいアレンジ(笑)。
 
岡田「俺は落ち着いて聴いてほしいっていう(笑)。目をつぶって、景色を浮かべて聴いてほしい曲」
 
――あと、過去曲の『上書き保存ガール』を改めて収録したのは、リクエストワンマン時の投票数とか、すでに生産終了のインディーズ時代の音源に収録されているという理由もあったと。でも、今でも違和感なく歌えるということは、そういう曲をちゃんと当時から書いていたという。
 
三浦「それは嬉しかったですね。今の自分でも歌えるっていうのは、ちょっと自信になりました。でも、ギターソロとかアレンジは変えてるんですよ。当時の自分は“最高!”って思ってたけど、今聴くと“長ぇよ!”っていう(笑)」
 
佐々木「そこが歌詞とは違う部分で、昔はいいリフを弾いてるんですけど、やっぱり何かゆるいというか、今の方がもっといいフレーズを弾けるなってやっぱり思うんで。ギタリスト的にはそう思わないと多分ダメなんだろうなっていう部分もありますし。だからソロだけはちょっと変えたんですけど」
 
――通常盤のみに収録されている人気曲『波動砲ガールフレンド -Acoustic ver.-』(M-5)のリアレンジも、今の年齢だからこそできる奥行きというか。そういう意味でも、今作はキャリアが結実した挑戦作であり充実作だなと思いましたね。作り終えて何か思いました?
 
三浦「もう本当にメンバーの力だなって感じましたね。今作に関しては、僕はただ歌詞で遊ばせてもらったイメージなんで。’16年はライブでは頼ってもらったんで、こうやって作るときは頼ってね。でも、’17年は変えるから」
 
佐々木&岡田「おぉ~!!!!」
 
三浦「歌う?(笑)」
 
佐々木「歌わないよ(笑)」
 
岡田「歌詞も書かないからね(笑)」
 
――まぁでもハイブリッド車に乗り替えたとは言え、やっぱりガソリン補給は必要そうですね(笑)。“音楽のことを考えない日を2週間に1回は作ってください。あと、トキメキは曲のために探しにいくものではありませんので”って、何かカウンセリングみたいやけど(笑)。
 
三浦「アハハハハ!(笑) まずはそこから(笑)」
 
 
どんなバンドにも負けないライブをしていきたい
 
 
――’17年早々に『大歌の改新 第三期』も追加公演として再開して、大阪はWEAVER、名古屋はGOOD ON THE REEL、そしてファイナルの東京はインディーズ仕様の空想委員会と対バンと(笑)。
 
佐々木「WEAVERは『Perfume FES!!2015~三人祭~』で仲良くなって、その場で“またライブやりましょう!”って言って実際に東京で1回やって、そのときに“今度はツーマンを!”って約束したことが本当に実現するので、もちろんいい日にはなるとは思うんですけど。やっぱり対バンですから負けるわけにはいかないですし、俺らは俺らの音楽をしっかりやって、WEAVERのお客さんにもしっかり届けられるようにしたい。今回のツアーで“もっといけるな、もっとこうできたな”って思うことがたくさんあったので、それを1つずつ消化して、どんなバンドにも負けないライブをしていきたいなって」
 
岡田「うちら3人だけじゃなくてチームとしても、『大歌の改新』に対する想いはすごくあるので、そこをちゃんとお客さんに伝えて共有しつつ、『大歌の改新』の未来が見えるような日を作っていきたいと思います。本当に『大歌の改新』は続けていきたいんで、いかにこの想いを伝えるかという」
 
三浦「WEAVERは芸歴も人気も格上だと思ってるので、この1年で鍛えられてきたことを、自分がおもしろいなと思うことを全部をぶつけたらどうなるのかなって、すごく楽しみで。自分がライブを観たいぐらいですね(笑)。そういう感じで向かっていける先輩もあんまりいないので、それをお客さんが楽しんでくれたらいいなと思いますね」
 
――最後に、’17年をどういった年にしていきたいかをそれぞれに聞いて終わりたいなと。
 
岡田「僕個人としては、曲のクオリティとか幅をどんどん広げていきたいなと。作曲能力を高めるのは1つの目標だと強く思ってますね」
 
佐々木「僕は三浦くんに負けないぐらいたくましくなりたいですね。ギタリストとして頑張るのは当たり前なんで、“最近、頼り甲斐あるよね”ってメンバーにも思ってもらえるぐらい、ステージでもっと変化したいなと」
 
三浦「僕はもっと自分と向かい合う時間を…(笑)」
 
(一同笑)
 
三浦「昔は何かあった後に曲にしたいなっていう順番だったのが、今は曲を作らなきゃならないから何かしなきゃになってるのが、果たしてそれでいいんだろうかっていうのがあるので。もっと時間を見つけて自問自答する。で、それが作品になっていったらいいなと。’17年はそういう年にしたいですね」
 
――そうですね。そうしてください。三浦くんには危ない傾向が感じられます。
 
(一同爆笑)
 
佐々木「またカウンセリングだ!(笑)」
 
三浦「いや、ホントに(笑)」
 
――状況的にも音楽的にも、コツコツとしっかり自分を積み上げてこれたバンドだと思うので、このバンドはこのやり方だと思うんですよね。目いっぱい音楽だけで駆け抜けた’16年があったように、今年も充実の1年になればいいなと今日の話を聞いててすごく思いました。本日はありがとうございました!
 
全員「ありがとうございました~!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2017年1月18日更新)


Check

Movie Comment

全員で恋愛シミュレーション指南(笑)
空想委員会からの動画コメント!

Release

意欲的なアレンジで挑む新曲3曲に
過去の人気曲も装いも新たに収録!

Single
『色恋沙汰の音沙汰』
【初回限定盤DVD付】
発売中 1800円(税別)
キングレコード
KICM-91739

<収録曲>
01. 色恋狂詩曲
02. ロマンス・トランス
03. 見返り美人
04. 上書き保存ガール

<DVD収録内容>
・色恋狂詩曲Music Video
・色恋狂詩曲Music Video メイキング映像
・ワンマンライブ「空想野外大音楽祭」
at 日比谷野外大音楽堂
スペシャルセレクション映像
(劇的夏革命/レインブーツダンサー/
僕が雪を嫌うわけ/私が雪を待つ理由/
ロマンス・トランス/空想ディスコ/
ワールズエンド/ビジョン/完全犯罪彼女)

【通常盤】
発売中 1200円(税別)
キングレコード
KICM-91739

<収録曲>
01. 色恋狂詩曲
02. ロマンス・トランス
03. 見返り美人
04. 上書き保存ガール
Bonus Track
05. 波動砲ガールフレンド -Acoustic ver.-

Profile

くうそういいんかい…写真左より、岡田典之(b)、三浦隆一(vo&g)、佐々木直也(g)。三浦が自身の体験や空想を元に音楽を創作、時に儚く、時に毒々しい、リアルな歌詞が高い共感を呼んでいる、メロディアスなサウンドが魅力の3人組ギターロックバンド。’11年に処女作『恋愛下手の作り方』でインディーズデビュー。’14年6月、フルアルバム『種の起源』でメジャーデビュー。同年9~12月にかけ、全国31公演の大規模自主企画対バンツアー『大歌の改新』を行う。cinema staff、indigo la End、赤い公園、GOOD ON THE REEL、夜の本気ダンスら総勢33 組のアーティストが参加。またツアーの集大成としてZepp DiverCity TOKYO でワンマンライブを開催。同年10月には1stシングル『純愛、故に性悪説』をリリースした。‘15年は、1月に1stEP『空想片恋枕草子』、7月にミニアルバム『GPS』、12月に完全生産限定で2ndシングル『僕が雪を嫌うわけ/私が雪を待つ理由』をリリース。また、NHK『MUSIC JAPAN』やTBS『CDTV スペシャル』、日本テレビ『バズリズム』など様々な地上波音楽番組にも出演。『COUNTDOWN JAPAN』など多数のフェスイベントに加え『Perfume FES!!2015~三人祭~』(日本武道館)『MBS 音祭2015 Final Party』(大阪城ホール)と大規模イベントにも出演を果たした。‘16年2月には2ndフルアルバム『ダウトの行進』を、4月にはアニメ『遊☆戯☆王ARC-V』エンディングテーマ、 映画『燐寸少女 マッチショウジョ』主題歌のWタイアップとなった3rdシングル『ビジョン/二重螺旋構造』をリリース。9月にはバンド史上最大規模の日比谷野外音楽堂でのワンマンライブを行った。そして、12月21日には8ヵ月ぶりのリリースとなる2ndEP『色恋沙汰の音沙汰』を発表。

空想委員会 オフィシャルサイト
http://kusoiinkai.com/

Live

昨年より続く対バンツアーも終盤戦
大阪はWEAVERを迎えBIGCATに!

 
『大歌の改新 第三期』

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード322-256
▼1月20日(金)18:30
BIGCAT
オールスタンディング
(当日引換券)3900円
[共演]WEAVER
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※3歳以上は有料。公演当日、開場時間より当日券売り場にて入場チケットと引換えいたします。お渡しするチケットは先着順ではございません。予めご了承ください。

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【名古屋公演】
チケット発売中 Pコード313-641
▼1月21日(土)18:00
エレクトリック・レディ・ランド
オールスタンディング3900円
[ゲスト]GOOD ON THE REEL
サンデーフォークプロモーション■052(320)9100
※3歳以上有料。

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【東京公演】
チケット発売中 Pコード313-641
▼1月26日(木)18:30
赤坂BLITZ
オールスタンディング3900円
ディスクガレージ■050(5533)0888
※3歳以上はチケット必要。

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Column1

空想委員会、只今確変中!
意識改革がもたらした徹底的に
ポップな存在証明 『ダウトの行進』
とマイペースな快進撃を語る

Column2

妄想を科学する我らが空想委員会
ダメ人間恐怖症を背負った
委員長・三浦隆一(vo&g)が
バンドの成り立ちから
恋愛敗者の美学までを語る
『種の起源』インタビュー

Comment!!

キングレコード大阪宣伝
三十木桃子さんからのオススメ!

「空想委員会の曲を初めて聴いたとき、 “妄想とは聞いていたけど…ヤバい”と思いました。恋愛こじらせ過ぎてて大丈夫かなこの人たち…。内心ドキドキしながら初対面、とても真面目な青年たちで拍子抜けしました。むしろ音楽が大好きな純粋な人たちでした。そしていい人。とにかくライブを体験してほしい、でもライブって怖いんじゃ…? そんなライブ未体験のリスナーに“ライブハウスは怖いところじゃないよ! 楽しいところだよ!”とこんなに親切に教えてくれるバンドは他にはいません!(HP見てね) 人柄の溢れ出るライブに曲に新しい企画や施策、そしてメンバー間の信頼感。とっても面白くてカッコいいバンドです。歌詞を見ると主人公の残念さに涙を禁じ得ませんが、本当はもう少しモテてもいいと思っています、彼ら。もしメンバーが全員無事に恋愛成就したら、私は泣いてお祝いをします! その前に私も彼氏作ります…!」