「そうなんですよ。だから年を取れば取るほど、そこに寄り戻しというか、興味が戻っていってしまって。自分が思った以上に、自分がどういう人間なのかが自分の作品には関係してるというか、自分がどういう人間なのかが分かってくる。“あいつはクソ野郎だけど音楽だけはいいんだよね”っていう人もいないとは言えないけど、逆にいるとも言い切れないというか。まぁエゴイスティックな部分をどこで発揮するのかはまた別で、この場をぶっ壊してまで出したいものなのかは、毎回考えないといけないんですけどね。ただ、The Good New Timesに関しては、別にそういうことを考えなくても、すごくいいところにハマッていく感じなんで。むしろシモリョーとか陽ちゃんの気概がビシビシくるから。俺の期待に応えたい気持ちもすごく感じるし、ある種の音楽的評価を世間からされたい気持ちもあるだろうし。でも、ソロとは言え、ほとんどバンドだと思ってやってましたから」
「アハハ!(笑) でも、The Good New Timesはバンドよりも大きいコミュニティをイメージしてて。ブロークン・ソーシャル・シーンみたいに、メンバーそれぞれの活動があったり、いろんなバンドとかアートとのコミュニケーションがあったり。そういう感じでThe Good New Timesも、YeYeバンドがあったり、タンテがあったり、the chef cooks meがあったり、シモリョーも陽ちゃんもソロをやったり、mabanuaも…」
「The Good New Timesは、“ごめん! 今から歌うから”みたいな顔をして歌い始めたら、そこから2番にしてくれるっていう。何かね、俺の失敗を見てみんながニヤニヤしてるところとかも」
――“バンド”ですね。おもしろいですね、どっちも(笑)。
「アジカンは構成がキメキメだから、いきなり延ばしたりするといろんなところに不具合が出てくるから(笑)。みんなの判断がそれぞれのバンドによって違うのは楽しいですね。でも、毎年毎年こういう機会があるわけではないから、やれるときにやりたいっていうのがThe Good New Timesなので。何なんでしょうね、子供の頃にポッキーを1袋もらったら、1本1本大事に食べてたあの感じですね(笑)」
Album 『Good New Times』 【12inch LP(重量盤)】 9月7日(水)発売 3800円(税別) only in dreams ODJP-004 ※写真集(20P)、バックアップCD、 歌詞・対訳付。ダブルジャケット仕様。
【CD】 発売中 2315円(税別) only in dreams ODCP-014 ※歌詞・対訳付。ダブルジャケット仕様。
【Download】 (320Kbit MP3/16-bit WAV/24-bit WAV) 発売中 1667円(税別) only in dreams ※ジャケット(jpg)付。
<収録曲> 01. Lady In A Movie 02. Paper Moon 03. Good New Times 04. The Sun Is Not Down 05. Independence Dance 06. Tokyo Bay 07. Port Island 08. The Mediator 09. Baby, Don’t Cry 10. Life Is Too Long 11. Star Dust
Profile
ゴッチ…後藤正文、’76 年生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATION のボーカル&ギターであり、 ほとんどの曲の作詞作曲を手掛ける。これまでに8 枚のオリジナルアルバムを発表。’10 年にはレーベルonly in dreamsを発足し、WEBサイトも同時に開設。また、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞『THE FUTURE TIMES』を編集長として発行するなど、音楽はもちろんブログやTwitterでの社会とコミットした言動でも注目され、Twitterフォロワー数は現在29万人を超える。ソロ作品としては、’12年にライブ会場&通販限定で7inch『LOST』を、’13年のRECORD STORE DAYに7inch『The Long Goodbye』をリリース。‘14年3月にはソロアルバムからの先行シングル『Wonderland / 不思議の国』を、そして初のソロアルバム『Can't Be Forever Young』を同年4月のRECORD STORE DAYを皮切りに発売。その後に全国10公演のツアーを決行し、『FUJI ROCK FESTIVAL ‘15』にも出演。11月にはソロツアーのライブ盤『Live In Tokyo』、7inch『Route 6』を発表。今年6月8日には、約2年ぶりとなる2ndアルバム『Good New Times』を発表し、ビルボードライブ東京・大阪でのワンマンライブや静岡で行われる『頂 -ITADAKI- 2016』、『SUMMER SONIC 2016 OSAKA』に出演。9月6日(火)渋谷クラブクアトロを皮切りに10公演の全国ツアーも予定されている。
「次々といろんなバンドがデビューして、そのインタビューをしていると、音楽を始めたきっかけの話にまぁなります。そのときに思うんです。細分化していくシーンにおいて、アジカンは“世代”に影響を与えることのできた、最後のバンドなんじゃないかって。そのフロントマンのGotchは、自らのレーベルonly in dreamsでの才あるアーティストのフックアップや、フリーペーパー『THE FUTURE TIMES』や執筆活動における提言など、常に“自分”や“バンド”や“日本”を超えた視野を持って動いています。そんな彼がある種無邪気に、楽しそうに制作を振り返ってくれた姿を見ていると、『Good New Times』が彼にどれだけかけがえのない時間をもたらしたかが分かります。そりゃこのタイトルになりますわ。そして、今年もフジロックやサマソニに行って、このアルバムを聴いて、国内での成功が全てじゃなくて、世界も認める日本人アーティストがわんさかいる未来が来ればいいなぁ、なんてふと。このメンバーでのツアーもグッドヴァイブ間違いなし、あなたの街でぜひ足を運んでください。ちなみに今回は僕にとって初取材でしたが、インタビュー中に“もう文字数足りてるやろ”とか思う暇がないくらい、夢中で話してくれてたら本望だなぁ(笑)」