――抽象的な言い方になりますが、『Fauve』を聴いていると大きなものに包まれているような安心感があって。音に自分を投げ出してしまえるような包容力も感じつつ、『Take me home』(M-2)ではアルバムが始まったばかりとは思えない熱量の高揚感があって。
「あの曲はクライマックス感がありますよね。もうアルバムが終わっちゃうんじゃないか?っていう(笑)」
――実際にアルバムを作る上では、どんなイメージを持って制作されたんでしょうか?
「これまでもいろんなプロジェクトに関わらせてもらってきたけど、3枚目までの区切りとか、3枚目のアルバムっていうのは結構大事で。それも分かってたし、去年初めてソロライブをやったことも含めて、ここまで培ってきたものをちゃんとパッケージできるように、というところは心して。今回はコンピューターで美しい音もいっぱい作ってるけど、生の演奏に関しては大きなスタジオでヴィンテージの機材を使って一発録りでいい音で録って、という具合に、肉体と頭脳を二極化して考えようと。ドラムは全曲一発撮りで1日で録ったんですけど、そこからのエディット、ミックスには時間をかけて。鉄を熱い内に打つことと、コトコト煮込むことの両方をやりましたね。PABLO(g、Pay money To my Pain)くんも草間(敬、Syn他)さんも、去年のツアーも一緒にやってるからお互いの中にライブのイメージもあったし、PABLOのギターが入ったことで、ドラムもメロディも変わったりして、よりバンドサウンドに近くなりましたね」
<収録曲> 01. awakening 02. Take me home 03. Tremors 04. Garage affair 05. Firebird 06. blanca 07. Lobo (Album ver.) 08. Icecold 09. Girl (Have we met??) 10. dawn 11. The Sun (Album ver.) 12. fauve
Profile
かねこ・のぶあき…’81年生まれ。幼馴染のJESSEと共にRIZEを結成。’00年シングル『カミナリ』でデビューし、全米、アジア(韓国・北京・台湾)などの海外ツアーも成功させる。以降、RIZEとして現在までに7枚のオリジナルアルバムを発表。現在は、AA=にもドラマーとして参加している。金子ノブアキとして’09年に1stソロアルバム『オルカ』、’14年に2nd『Historia』を発表。パワーのあるドラミングとは対極とも言える繊細で無垢なボーカルも話題を呼んだ。’15年にはギターにPABLO(Pay money To my Pain)を迎え、キャリア初のソロライブを春に行い、秋には東名阪でソロツアーを開催。映像と音楽をシンクロさせた総合芸術を表現したステージが好評を博した。今年5月11日には3rdソロアルバム『Fauve』を発表。6月2日の金沢を皮切りにスタートしたツアー『Tour 2016 Fauve』の大阪公演は、6月13日(月)梅田AKASOにて開催される。なお、ファイナルの6月16日(木)東京EXシアターでの公演には、パフォーミングアーツカンパニー“enra”とのコラボレートがアナウンスされている。また、俳優としても、ドラマや映画、CMなどに数多く出演。6月25日(土)より東京ユーロスペースにて出演作となる映画『スリリングな日常』が公開。