「小南泰葉の新しい今を1曲でも多く詰め込みたいと思った」 自分を変えた“喪失”と“みんな”が導いた傷だらけの再出発 2年半の揺れ動く感情と感動を刻んだ 『僕を救ってくれなかった君へ』インタビュー&動画コメント
誰しもが思い描く理想の未来予想図が、全ての夢が叶うなら、この世はお決まりのシンデレラストーリーで溢れかえるだろう。だが、人の心が動くのは、誰しもが羨むそんな物語なんかじゃない。小南泰葉の2ndフルアルバム『僕を救ってくれなかった君へ』には、音楽家として、そして人としての大きな喪失感に誘われた、変わらざるを得なかった自分と、変わりたかった自分と、救いの手を伸ばす自分と、救いの手を差し伸べる自分が、傷だらけで手に入れた新しい未来へのドラマがしっかりと刻まれている。インタビュー中に精一杯自分の想いを伝えようとする彼女の姿が、2年半の揺れ動く感情と感動を宿した52分間が、我々に訴えかけてくる。小南泰葉という類まれな才能と、この輝ける物語がまだまだ続いていくことを――。
ライブをするたびに自分の実力と
用意されたステージとのギャップにすごく悩んで苦しかった
――出ましたね、ようやく。前作の『キメラ』(‘13)から2年半も経ったんやね。
「もう自分が一番待ってました。待望です。(当事の
インタビュー記事 を見ながら)ビックリするぐらいコテコテですね(笑)。ヅラまで被って、メイドの格好をして。このときの私がピークですね。『キメラ』っていうタイトルもそうなんですけど、自分の好きなものを全面に出せば、自分の音楽は伝わるんだと思ってたところがあって。この後にEPの『怒怒哀楽』('14)で、カッコつけたり飾るんじゃなくて、素の自分を、もっと喜怒哀楽を表現していこうって、ステージでお芝居みたいなこともやりながら、“やってはいけないこと”をどんどん省いていったんですね。あと、この2年はバンドよりアコースティックでやってきたのもあって、“歌を、言葉を伝えたい。そのために必要なものってなんだろう?”って考えたときに、1つだけ分かったことがあって、別にロックな音を背負ってなくても、ギターがギャンギャン鳴ってなくても、ステージの前で煽らなくても、歌って届くんだなって。むしろギター1本持って、歌、言葉、メロディに集約すると、よりお客さんに伝わるんだって改めて分かったし、どんどんアコースティックライブが楽しくなっていったんですね」
――なるほど、この2年半にはそういう気付きと変化があって。
「『キメラ』の頃に、こうあらなきゃいけないとか、ステージでここまでは見せていいけどここからは見せないとか、枠組を作ってたのは自分だったんだなって。これを全部取っ払って、恥ずかしい自分をどんどん出していこうっていうモードに切り替わっていってたので、2ndアルバムでは余分なものはもう何もいらないよねっていうところにやっと来れて。リスタートするために本当にいろんなライブをしてきたし、ギター1本でライブしたら自分がリズムになるんだなとか、じゃあBPMもどうでもいいんだなとか、曲の途中で止まってMCをしてもいいし、歌う場所だってお客さんの間でもステージの端っこでもどこでもいい」
――うんうん。
「インストアツアーで全国を廻って思ったんですけど、アコースティックライブの方が、そのときそのときにしか歌えない歌、出来ないライブというか、分かりやすく変化が付けられる。だんだん次は自分がどんなライブをするんだろうとか、MCもそのときの自分に頼るようになって、1本1本がより“ライブ”になったというか。予定調和や決まりごとをやめて、そのときそのときの自分に頼ってると、毎回一瞬一瞬にハラハラドキドキしながらライブが出来るので、それが今すごく楽しくて」
――そう考えたら今は、転んだってどう立ち上がるかを楽しめる。
「そうなんです! メジャーデビューしたら誰かが筋書きやビジョンを描いてくれて、それを共有しながら大きくなるために一つの夢に向かっていく…メジャーに行ってその輪は広がったんですけど、どこまで背伸びが出来たかなとか、ライブをするたびに自分の実力と用意されたステージとのギャップにすごく悩んで苦しかった面もあって。自分が成長するためにライブをしたいと思っても、そんなにフットワーク軽くは動けないから大きなイベントに絞ってやっていこうとか…話し合って決めてきたことだけど、ここで改めてまっさらな状態に、みんなで新しいスタートに立てたのは大きいなと思いました」
――泰葉自身が 自分を変化させていく発想になれたのも 大きいというか。
「今までは8~9割がた自分の意見を聞いてもらって、どのミュージシャンを使うか、誰をプロデューサーに立てるかも、本当に好きにやらせてもらったし、それは歌詞もそうで。去年は客観的に自分を見つめ直す1年だったので、今関わってくれてる人たちの意見を最大限に聞きたいなと思って。例えば、『POP LIFE』(M-10)はすごくポップでポジティブで、みんなが励まされるような曲をと思って作ったんですけど、1~2年前ぐらいはまだ歌えなくて」
――自分が心底そう思えているかどうかと。
「そうなんですよ。でも、この1年間ライブで曲を育ててきて、ふと曲を書いたときの自分に励まされてる自分がいたんです。それで、やっと出すべきときが来たんだなと思いましたね。故郷の(兵庫県)丹波を思って書いた『ホームタウンシック』(M-11)も、そもそも自分を見せたくないとずっと思ってきたのが、周りの人の意見も聞いて“一番届きやすい曲はなんだろう?”っていうところで選曲できたのも、自分の中での変化だったんで」
私の悔しそうな感じがすごい入ってます。現状に満足できてない感じと
まだまだ出来るんだっていう自分が赤裸々に
――泰葉は、なぜ変われたんやろう? この2年半における泰葉の変化には大きなきっかけがあるのか。
VIDEO
「’14年の冬ぐらいに『傷』(M-6)を書いたんですけど、もう思いっきりお別れの曲で、私がボッロボロになってたんですね。すっごい痩せて、ご飯も食べられなくなって…でも、音楽はまだ近くにあって、そのときギターにしがみついて『傷』を作ったんです。その頃にはもうライブが自分の中で大きなシェアを占めていて、“この曲がすごく響きました”とか“この曲を出さないんですか”ってたくさんの人に言われて、何だかすごく救われて…。あと、‘15年の2~3月にかけて『らせんの糸ツアー』で全国6ヵ所を廻ったんですけど、やっぱり何のリリースもないツアーだったから…。でも、全国には応援してくれる人がまたこんなにいるんだって改めて立ち返れて、次にツアーで帰ってくるときには必ず新しい音を届けたいと思ったし、そのときにツアーでやっていた『蜘蛛の糸』(M-3)を必ずアルバムに入れて帰ってきたいと思った。ただ、そのツアーファイナルが渋谷だったんですけど、気付いたら歌わずにダイブしてるとか、走ってどこかに行っちゃうとか、メンバーを裸にするとか、何かカオスになってたんですけど(笑)。でも、去年の頭にその全国ツアーが出来たことは大きかったですね」
――泰葉が変われたのにはそういう過程があったんやね。
「初回盤には『らせんの糸ツアー』のドキュメンタリーが入ってるんですけど、改めて観たらめちゃくちゃ恥ずかしくて(笑)。“まだまだ終わってへんで、諦めてへんで”とか、こんなMCしてたんだっていうぐらい青臭いことを言ってたし、ツアーファイナルでぐちゃぐちゃになったMCを見て、こんなにも赤裸々に、お客さんに“愛してる”って言い続けた1年だったんだなって。でも、それはやっぱり本当の気持ちだから、そのDVDもみんなに観てほしいなって」
――巨大な喪失感と、この2年半でやってきたライブが、泰葉をこの作品まで導いてくれた感じがしますね。
「そうですね。私の悔しそうな感じがすごい入ってます。現状に満足できてない感じと、まだまだ出来るんだっていう自分が赤裸々に。でも、それがこのアルバムの意味だし。小南泰葉は、自分の中の本質的な闇とかを打ち出した方が“らしい”と思ってたんですね。ポジティブなことを歌ってる人はたくさんいるから。でも、自分がまっさらな気持ちになったときに、何か前を向いて歩こう、立ち上がろうっていう言葉がすごく響いてしまって。それは初めての感覚だったから、今なら何も恥ずかしくない、何も恐くないなって」
――泰葉は元来、後ろ向きな人間?
「めっちゃネガティブですね。自己否定の塊なのはインディーズの頃からずっとそうなんですけど、自分に満足もできないし、ライブをやった後に号泣したり、誰とも喋らないこともよくあったし。お客さんを満足させられずに帰してしまうライブのチケット代を取るのが、悔しくてたまらなかったから。実際、ライブが楽しくなっていったのはデビューして2年経ってからだし、前回『キメラ』の
インタビュー をしてもらったときは、まだ迷いだらけだったんで。あと、今回の『僕を救ってくれなかった君へ』のインストアライブでは、インディーズの頃からずーっと応援してくれてる子がどんどん大きくなってるのを見たり、赤ちゃんを抱いて観てくれてる人をステージの上から何人も見かけて。親子で観に来てくれる光景とかも、すごくありがたいなぁって思いますね。昔は子供ってすごく恐くて、どう扱っていいのか分からない存在だったんですけど、春に妹の赤ちゃんが産まれるんで、私は叔母さんになる。そういう命のバトンをつないでくれる妹に感謝を込めて『プレゼント』(M-1)を作ったんです」
――今作では、『ホームタウンシック』を聴いて泰葉が東京に来てこんなことを思ってたのかとか、『傷』を聴いて最近大きな別れがあったんだなとか、いいことも悪いことも、泰葉が何を経験して歌にしたのかが分かるからこそ、聴く側がより想いを重ねられるなと。
「もっともっと自分を知ってほしかったし、小南泰葉の新しい今を一曲でも多く詰め込みたいと思ったから、ロックな曲ばかりじゃなくても全然いいと思ったし、何だったら全部バラードでも伝わるんじゃないかとかいろんな意見がありながら。バランスを取りつつ分かりやすい曲も入れられたのは、『キメラ』とは全然違う取り組みでしたね」
自分を信じる曲をやっぱり書きたい
――それこそ『ブリリアントブルー』(M-12)なんかはね、もうタイトル曲かな思うぐらい。これは泰葉の現在地な感じが、すごくするね。
「『ブリリアントブルー』、大好きなんですよ! これは自分の身体には37兆個の細胞があって、その細胞1つ1つの中にも内なる宇宙があって、そのミニマムからマキシマムまでの大きなレンジを感じられる曲になればいいなと思って書いたんですけど。音楽をやっていて、自分のやってることは正しいのかなとか、誰か見ててくれてるのかなとか、この世界に私の居場所ってホントにあるのかなとか、ふと自分の歩いてきた道を振り返ることが多かったんですけど、自分を信じる曲をやっぱり書きたいなと思った。人の命にしてもそうなんですけど、長ーい歴史の中に一瞬だけど私がいて、でも、私がいないときっとこの先も続いていかない。自分が存在してるのはちゃんと奇跡だと思えるように、誰かがきっと見てくれてると、自分が誰かの闇を照らす光になれてると信じて『ブリリアントブルー』を書いたら、やっぱり反応してくれる人がたくさんいて。この曲を出せてホントによかったなと思いますね」
――“自分と同じ色はいない/自分と同じ過去未来はない/自分だけに与えられた色と/自分だけに与えられた意味を”のラインって、泰葉を救う言葉が、聴いてくれたみんなを救うことにもちゃんとつながって。
「私はこの曲に地球とか海を感じるんですけど、なぜだか“イルカだ!”って思う瞬間があって(笑)。イルカには“メロン体”というものがあって、人間をスキャンしてその人が持ってる病気とか心の病が全部分かっちゃうらしくて。『ブリリアントブルー』の歌入れの前には絶対イルカに会っておきたいと思って、品川水族館とアクアパークをハシゴしてイルカを一日中見て、その次の日に歌録りをしたんですけど、もう全然違いました(笑)。モードをガッと切り替えられたというか。ボロボロだったけど音楽に救われて、自分で自分を救済したよ、もう大丈夫だよって伝えるために、今回のアルバムは真っ白なイメージなんですけど。これを経たから今年は、やりたくても出来なかったことをどんどんしていきたいなと思いますね」
――何事も楽しんでやれる状況なら、フットワーク軽くいろんなところに行きたいよね。
「今は呼んでもらえたら、ギター1本でどこにでも行きたいなと思ってて。まっさらな状態でもう一回、昔聴いてくれていた子も、懐かしいなと思ってくれる人も、初めましての人に会いたい。今回のインストアですごく感動したのが、どの会場でも最後に『傷』をやってたんですけど、北海道で星野源さんのアルバムを買いに来た男の子が、ホントに1分間だけライブを観てCDを買ってくれて、“僕はあなたのことを全然知らなかったけど、1分間で十分伝わりました”って言ってくれて。インストアはストリートライブみたいなもんだから甘くないのは分かってるんですけど、改めて全く恐くなかったというか、自分の音楽を信じて1曲1曲やってたら、たくさんの人が集まってくれて。でも、それに感極まって『傷』まで歌って一回捌けて戻ってきたら、さっきいたお客さんがサーっていなくなってて噓ー!って(笑)。そうやって自分の感情の揺らぎを日々感じながら(笑)」
――アハハハハ!(笑)
「京都でも目の前に自分と同じパーカーを着てる若い子がいて、その子をステージに上げてみたらそのお母さんが“この子、『ホームタウンシック』弾けるで”って言ってきたんですよ。お母さん、何ちゅうことを言うねんと(笑)。そんなパスを貰ったら、もうやるしかないやんと思って、彼女のギターで私が歌うっていう(笑)。でも、その子は昔から関西でライブをやったらいつも来てくれて、先頭で見守ってくれてる子だったから。その子はすごいピュアな気持ちで私に付いてきてくれたわけで、そういうのを見てると、あぁやっぱりしっかりせなあかんなと思ったわけですよ。これからも自分の音楽を信じて、嘘偽りのないそのままの自分で、ライブのたびにみんなに支えてもらってる意識をしっかり持ってね。『僕を救ってくれなかった君へ』から入ってきてくれる人がたくさんいると信じてるし、その人が自分のインディーズの頃まで遡って私の音楽を聴いてくれると信じてるし、1年半後のデビュー5周年に大きなステージを1つ掲げて、今から出来ることに限りなく自分のパワーを使いたい。ギター1本と声でもう一回やり直したいと思えたことと、全部につながってると思うんですけど」
――そうすれば、1年半後の5周年でもまた、違う景色が見えるやろうしね。最後に’16年、『僕を救済するツアー 2016』に向けて、泰葉から言葉をもらいたいなと!
「黒いイメージからガーッと切り替えて、まっさらな自分で、今までやってこなかった感情を伝えることとか打ち込みにも挑戦したり、潔さを出したアルバムを作ったんですけど、『僕を救ってくれなかった君へ』を聴いてくれた人とは、必ずライブで会えると思っていて。きっかけは、こういう文字を通してでも、どこかから流れてくる音を通してでも、YouTubeでもいい。やっぱり温度とか空気感がしっかり伝わるライブでまたみんなに会いたいと思ってるし、会えるって信じ切ってるから。私はステージの上で、みんなが来てくれるのを待ち続けようと思ってます!」
Text by 奥“ボウイ”昌史
(2016年3月 4日更新)
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Release
2年半の紆余曲折が生んだ感動の52分 ポップセンスと才気溢れる2nd!
Album 『僕を救ってくれなかった君へ』 発売中 3000円(税別) ユニバーサル UPCH-20410 <収録曲> 01. プレゼント 02. ぼくを救済するうた 03. 蜘蛛の糸 04. NO-MAN 05. 死ぬまで騙して欲しかった 06. 傷 07. 次の日のうた 08. 白闇 09. 3355411 10. POP LIFE 11. ホームタウンシック 12. ブリリアントブルー 【ボーナストラック】 13. ニャンだ!あいつ 14. LET IT DIE
Profile
こみなみ・やすは…光と影、善と悪…両極に光をあて本質の輝きをすくった歌詞と、攻撃的なロックチューンから弾き語りまで多様なサウンドが紡ぐ世界観で人を惹き付けるシンガーソングライター。10代より音楽活動を始め、その奇才を潜ませながら、挫折、蒸発、引きこもり、音楽活動を中断。’08年より活動を再開し、’10年には1stミニアルバム『UNHAPPY BIRTHDAY』を発表。’11年4月には初のワンマンライブ『時計仕掛けのざくろ』を開催。同日より会場限定でシングル『藁人形売りの少女/世界同時多発ラブ仮病捏造バラード不法投棄』をリリース(完売)。夏には『FUJI ROCK FESTIVAL '11』に出演。12月に2ndシングル『Soupy World』を大阪地区のタワーレコード12店舗で発売(完売)。’12年2月には、iTunesが期待の新人を選出する『Japan Sound of 2012』に選ばれ、タワーレコード限定の2ndミニアルバム『勧毒懲悪』を発売。同年5月にミニアルバム『嘘憑キズム』でメジャーデビュー。9月には1stシングル『Trash』を、12月には2ndミニアルバム『121212』を発表し、’13年5月には1stフルアルバム『キメラ』をリリース。翌’14年3月にEP『怒怒哀楽』、6月には配信限定EP『都市伝説倶楽部』を発表し、’15年12月に2年半ぶりとなる2ndアルバム『僕を救ってくれなかった君へ』をリリースした。小南泰葉 オフィシャルサイト http://kominamiyasuha.jp/
Live
東名阪リリースツアーがいよいよ開幕 大阪ワンマンが間もなく開催へ!
『僕を救済するツアー 2016』【愛知公演】 チケット発売中 Pコード283-419 ▼3月5日(土)18:00 ell.FITS ALL スタンディング3800円 サンデーフォークプロモーション■052(320)9100 ※未就学児童は入場不可。
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Comment!!
ぴあ関西版WEB音楽担当 奥“ボウイ”昌史からのオススメ!
「デビュー前からの知り合いである泰葉と、初めて仕事で絡んだのは’10年。谷澤智文(当時タニザワトモフミ)の招待イベントにオープニングアクトで出てもらったのが最初。こんなこと もやってみたし(笑)、当時から凄まじい才能を感じさせてくれていた彼女は、当然のごとくデビューを果たしました。それからもずっと彼女の行く末を見守ってきましたが、何かね、いろんな景色を観てきただろうし、いろんなものも失ったと思うけど、今の彼女が一番いい。彼女の持つかけがえのない純度みたいなものは、年々そのきらめきを増している気がします。素直でかわいい(笑)。2年半ぶりのアルバムについて、“奥さんと話したい”と言ってくれた彼女の一生懸命な眼差しは、言葉以上に伝わってくるものがありました。僕たちの仕事はアーティストの音楽を分析することじゃなくて、結果を手放しで褒め称えることでもなくて、そこにたどり着くまでの感情の動きを、音楽家の意思を、伝えることだとも思っています。だからこそ僕は改めて、『僕を救ってくれなかった君へ』で小南泰葉の音楽が好きになりました。これを読んだあなたも、きっとそうでありますように」