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「『REAL EMOTIONS』は俺の人生の句点じゃなくて読点」
音楽人生の危機から見事に復活した山森大輔の
続いていく未来と感情を歌にした怒涛の2年間
不屈のマインドを語るインタビュー&動画コメント (2/2)

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人間の弱くて、かわいらしいところ
 
 
――『レインボー・ソング』(M-5)は、とある名曲へのオマージュだと。
 
「『レインボウ・コネクション』っていう、セサミストリートでカエルのカーミットが歌ってる曲で。元々この曲がすごい好きで、子供の歌なんだけど深い歌詞で、ちょっと聴いてるだけで何だか涙が滲み出るみたいな感じで。この曲を好きな人が聴いたら、きっとニヤリとするんじゃないかな」
 
――最後の2曲の『茜空』(M-9)『ゴン太くん』(M-10)はリード曲的な立ち位置で思い入れも強いと思うんですけど、まず『茜空』はどうやって生まれたんですか?
 
「『茜空』は『SUNDOWN』と同じくかなり前に作ってた曲なんですけど、アレンジが全然違ってガンズ・アンド・ローゼズの『スウィート・チャイルド・オブ・マイン』(‘87)みたいだった(笑)。それに、ミスチルのイントロが付いたみたいな(笑)。でも、この曲の歌詞がすごく気に入ってて、レコーディングの終盤でこの曲も入れたいなと思ったんで、すごく好きだったEDMと合体させたら意外に合ったという(笑)」
 
――この曲には夢を追う初期衝動が詰まってますよね。こういう気持ちがキャリアや年齢を重ねてもまだ出てくるものなんですか?
 
「これがね、湧き上がるんですよね。やっぱりミュージシャンっていう仕事は、常に雲を掴むみたいなチャンスに向かって、しんどいけど走るみたいなところがあるから。ものすごく成功しちゃって、預金口座に50億円あるロックスターだったら違うかもしれないけど(笑)、常にこの気持ちは湧き出てきますね」
 
――だからこそ続けられてるのかもしれない。それこそラブソングも、曲の数だけ恋するわけじゃないわけで。
 
「昔から本当に妄想がすごいので(笑)。片想いしてるOLさんとか、超切ないよねとか」
 
――山森さんは女性目線でも結構詞を書きますもんね。
 
「俺の中の少女漫画が大好きな女の子がね、アルバムに1曲ぐらい発言するっていう(笑)」
 
――そして、最後の『ゴン太くん』はすごくパーソナルな世界観で。
 
「これは遠い親戚の知り合いに、いつも犬のぬいぐるみを持って現れる変わったおじさんがいたっていう話を聞いたときに何だかすごい気になって、それ以上の情報は知らないんですけど、そのことをずーっと考えてて…。例えばその理由が、奥さんを亡くして、そのいかんともしがたい想いがオーソドックスじゃない形で現れたのが、犬のぬいぐるみを我が子のように扱うことだったとしたら…超切ないなって。それを思いついたときに、自分でも“感動した”とか“安心した”とか、ひと言では言い表せない気持ちがブワーッと押し寄せてきて、この気持ちになることで救われたり、特別な体験だと思ってくれる人がいるだろうなって思ったんで、これを音楽にしようって。ただ、それを“あぁ、いい話ですね”っていう風には描きたくなくて、それがヘンだと思われてることを、その人もどこかでちょっと分かってるというか…人間の弱くて、かわいらしいところ、みたいな」
 
 
結構ピュアな気持ちでやれてて、しかも同じぐらい楽しい
 
 
――あと最近では、楽曲提供やプロデュースもやってますが、自分の中でどう棲み分けてるんですか?
 
「結構ピュアな気持ちでやれてて、しかも同じぐらい楽しい。演奏する人が関ジャニ∞さんなのか、俺なのか、または新人の女の子なのか、または超ゴリゴリのロックバンドのLarge House Satisfactionなのか、みたいな(笑)。ちょっと俯瞰して、俺というミュージシャンにこういう歌詞は合わない、年齢がちょっと低過ぎるとか、もしくはちょっと達観し過ぎてるとか思うのと同じで。音域とかもそうだし」
 
――器用なんだか不器用なんだか分かんないですね(笑)。
 
「アハハ!(笑) そうそう。そうなんですよね」
 
――Large House Satisfaction以外にもプロデュースはやってきてるんですか?
 
「SKA SKA CLUBもROCK’A’TRENCHも、たまにプロデユーサーに入ってもらう以外はセルフでやってたし、やる場合はほぼ俺がプロデュースしてるようなもんでしたね。関ジャニ∞さんも最近提供した曲はプロデュースもして、その流れでありがたいことに“Large House Satisfactionっていうバンドがいるんだけど、山森に向いてるんじゃない? ”って紹介していただいて」
 
――Large House Satisfactionのインタビューも読んでみたら、山森さんがまあまあちゃんとプロデューサーなんだなって、意外だったんですよ(笑)。やっぱりステージに立って歌う人の印象がすごくあるので。
 
「ソロになって本当に1人で全部やるようになって、今までは“ああいう感じで”ってメンバーに言えば“はいはい”ってやってくれてたのがなくなったから、それを自分で全部言語化出来るようになったのはデカいですね。その自信が付いたからこそ、プロデュースみたいな話も受けるようになったかもしれない。Large House Satisfactionとの制作はめちゃ楽しかったですね。そして、俺にとってラッキーだったのは、めちゃいいヤツらだったんですよ(笑)。とんがってるところはもちろんあるんだけど、人としても超真っ直ぐで、裏表がなくて、イヤなことは遠慮がちに“これはイヤなんです…”ってちゃんと言ってくる(笑)。だから、俺も誠実に向き合うことが出来たし。本当に根性があるヤツらで、40曲ぐらい曲の種を上げてきて、歌詞もがっつりディレクションしたんだけど、ヘコたれることなく次にもっといいものを上げてきてくれたから。本当にプロデューサー冥利に尽きる子たちだったなぁと」
 
――今作の制作中には思わぬケガもありましたけど、同時に走ってるプロジェクト自体が結構あったんですね。
 
「確かにケガをした後、一番最初に家から出たのは楽曲提供とプロデュースの仕事でしたね。松葉杖で行きましたから(笑)。でも、かえってありがたかったですね。自分のアルバムの作業はもちろん遅れるんだけど、得るものが多くて。関ジャニ∞さんの現場でも、もう本当に超一流のプレイヤーを…河村“カースケ”智康(ds)さんとか、三沢またろう(perc)さんを呼ばせてもらって、あのクラスのプレイヤーで固めたんで、もう鳥肌モノ。この人たちが何ですごいと言われるのかを見たいなって。本当に勉強させてもらいましたね」
 
――ずっとバンドをやってきて、ソロになって、プロデュースもやってみて。自分の場所はどこなんだ?って思うところはあります?
 
「毎回いい感じで出来てるとは思うけれど、プロデューサーはまだ始めたばかりだし、かと言って、バンドを組みたいなぁとは今はまだ思ってなくて。やっぱりシンガーソングライターでいい作品を出したいと思ってます」
 
 
上っ面じゃない本当の信念とか感情を持ってるってすごい素敵だと思うし
そういう部分に訴えかけるアルバム
 
 
――今作のタイトルは『REAL EMOTIONS』ですけど、これはどこから?
 
「『Julie』(M-1)の一節から取ったんですけど、そのフレーズが自分で書いておきながらキラッと光って見えて、何かこのアルバムのタイトルにふさわしいなぁと。上っ面じゃない本当の信念とか感情を持ってるってすごい素敵だと思うし、そういう部分に訴えかけるアルバムだと主張しようかな、みたいな(笑)」
 
――この作品が完成したときってどう思いました?
 
「音が出来たときは感慨もひとしおなんですけど、その後にジャケットを作るんでかなりの事務作業があって、今ようやくこうやって取材とかをしてもらって、初めてそういう気持ちになれるんで。だから、今日は奥さん(=筆者)にすごく取材して欲しかったんですよね(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) 作り始めるのは早いけど、やっぱり毎回ギリギリになるんですね(笑)。
 
「そうなんですよね。おかしいなぁ~(笑)」
 
――東京ではすでにリリースワンマンも終えて。
 
「うん。すごくいいライブになりました」
 
――そして、大阪でも心斎橋JANUSでライブがあって。もう西のホームですよね。’15年も終わろうとしてますけど、山森さんにとってどういう1年でした?
 
「去年、ケガから復活して、またライブをちょいちょいやり始めて、Large House Satisfactionのプロデュースをして、年が明けて、制作もしつつ…なるほど! 今、スケジュールを改めて見て分かったのは、極めて健全なミュージシャン活動をしてましたね。暇なこともなかったし、常に音楽をやり続けてた。何もない日でも家にこもってずーっと曲を作ってたから、結構な数の曲を作った年ですね。人の曲もコラボ曲も。自分1人でやってるスタイルのおかげで、自分で言うのもなんだけど書くのが早くて(笑)、幸いなことに2つ返事で“いいね、やりましょう!”みたいな感じで言ってもらえてるから、それでまたスキルが上がって、それが次の活動に活きてるなって」
 
――なるほど。それでは’16年の方針というか、今後の山森大輔については?
 
「実は1曲、キラーチューンがもう出来てまして(笑)。このアルバムが完成した後に作った曲なんですけど、それを本当にいい形で世に出したいなと思ってるところですね」
 
――来年もやり甲斐のある1年になりそうですね。ただ、本当にケガには注意して。あと、忘れ物ね(笑)。
 
「アハハハハ!(笑)」
 
――じゃないとまた、次も2年後に出すことになりますよ(笑)。
 
「絶対ヤだ!(笑) もう自転車には乗らないんで(笑)」
 
――最後に読者の方にメッセージを!
 
「まずこの『REAL EMOTIONS』は本当にいいものになったし、胸を張ってオススメ出来るんでぜひ手に取ってほしいのと、ボーカリストとしても向上心を持って取り組んでいる結果が出てきてるというか、いい歌が歌えてる時期にいる実感があるので、絶対にガッカリさせないので、ライブも観に来てほしいですね!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2015年12月 4日更新)


Check

Movie Comment

大阪で起きたとんでもない事件(笑)
山森大輔からの動画コメント!

Release

EDMにソウルにファンクにと縦横無尽
様々な音と感情を刻んだ2年ぶりの2nd

Album
『REAL EMOTIONS』
発売中 3240円
IVY records
QAIR-10017

<収録曲>
01. Julie
02. DANGER!!DANGER!!
03. SUNDOWN
04. マスカラまつげ
05. レインボー・ソング
06. コトノハ
07. まぼろし
08. Don't you cry~眠れぬ夜に~
09. 茜空
10. ゴン太くん

Profile

やまもり・だいすけ…’78年、沖縄生まれ。東京、ニューヨークで育つ。日英のバイリンガル。東京大学法学部を卒業し、司法試験にも合格している。現在は一児の父。3歳からピアノを習い始め、 高校からバンド活動をスタート。ギター、ベース、ピアノなど多彩な楽器を演奏し、プログラミングも自身でこなす。ROCK'A'TRENCHとSKA SKA CLUBのボーカルとして活動。SKA SKA CLUBではインディーズながら15万枚のセールスを記録する。 またROCK'A'TRENCHではドラマ『メイちゃんの執事』の主題歌を始め、数々の映画、 CM曲を手がけ大きな反響を得るが’11年末に活動休止。’12年よりソロ活動を開始。’13年には1stアルバム『Wonderful World』を、’15年9月30日には2ndアルバム『REAL EMOTIONS』をリリース。愛と心の歌を奏でるシンガーソングライター。

山森大輔 オフィシャルサイト
http://www.daisukeyamamori.com/

Live

東阪リリースツアーで西のホームへ
大阪ワンマンが間もなく開催!

 
『有機音楽祭 special
~収穫祭2015 in 大阪~』
チケット発売中 Pコード277-925
▼12月6日(日)17:00
心斎橋JANUS
全自由3500円
GREENS■06(6882)1224

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チケット情報はこちら


Column

SKA SKA CLUB
ROCK'A'TRENCH、そしてソロ
としてたどり着いた素晴らしい世界
FUNであること、LOVEであること
山森大輔の輝ける現在地に迫る
『Wonderful World』
インタビュー&動画コメント

Comment!!

ぴあ関西版WEB音楽担当
奥“ボウイ”昌史からのオススメ!

「僕が山森さんに取材するようになったのは、ROCK’A’TRENCH時代ではなくソロになってからなんですが、東大卒で司法試験にも合格してるのに音楽なんかやっちゃってるその数奇な人生に、すごく興味が湧いたんですよね。エピソードがいちいち極端過ぎるわ!(笑) 前作『Wonderful World』のインタビュー(上記)で何とも言えない縁を感じたその後、山森さんがブログに書いてくれたこと、嬉しかったですね。今回もそうであって欲しいと、想いを込めて書きました。『REAL EMOTIONS』に宿る熱が伝わるような、シンガーソングライター山森大輔の音楽人生をたどるアーカイヴになるようなインタビューを、これからもやっていけたらなと。あ、あと、去年僕も自転車でこけて同じく左腕を折り入院あげく手術してるところも、何だか並々ならぬ共通点と言うか因縁を感じます(笑)。原稿には載せてませんが、今回のインタビュー冒頭ではかなり骨折トークしましたよ(笑)」