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「やっぱり歌によって助けられたり、救われたりしたんですよね」
ソロ活動15年、元宝塚歌劇トップスター姿月あさとが
シャンソンに挑んだ3年ぶりのアルバム『Chante~シャンテ~』
歌への想いを語る撮り下ろしインタビュー&動画コメント (2/2)

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歌っていると無になれるので楽しい。無重力な感じ(笑)
 
 
――宝塚を退団後、いろんな選択肢がある中で歌を中心とした活動を選ばれたのはどうしてですか?
 
「やっぱり歌によって助けられたり、歌によって救われたりしたんですよね。歌が自分の表現の手段というか。歌に触れているときは、自分にとって、とても心地いい時間なんです。例えばお仕事じゃなくても、みんなカラオケ行ったりとか、嬉しいときに自然と鼻歌が出たりしますよね。人間にとって歌というのはある意味共存しているものだと思うので、お仕事以外でも、鼻歌を歌えるような人生を歩みたいと思いますね」
 
――最も幸せを感じるのは、歌っているときだと。
 
「そうですね。ライブとかで歌っていると無になれるので楽しいです。無重力な感じ(笑)」
 
――11月26日(木)には、ビルボードライブ大阪でライブも行われます。このセルフプロデュースのライブを始めたきっかけというのは?
 
「退団してから、知り合いのプロデューサーさんに“歌を続けていくんだったら、自分で何が歌いたいのかを考えて、小さなライブハウスで歌っていくことを続けた方がいい”というアドバイスをいただいたんです。宝塚では2000人の前で歌ったりしていたので、“50人とか100人とか、本当に少人数の場所でコツコツと歌っていきなさい”って」
 
――実際にやってみていかがでしたか?
 
「最初は100人、200人くらいのところで、ピアノとバイオリンだけとかで、選曲もミュージカルや歌い上げる曲を選んでいたのですが、だんだんと自分が歌う曲も変わってきましたし、ポップスとかジャズとか、繊細な曲が少しずつ歌えるようになってきましたね」
 
――いろんな人との出会いや経験によって、幅が広がってきたんですね。
 
「歌で“語る”ことが出来るようになってきたのかな。反対にそういう経験をしてきたからこそ、今では大きな曲とか歌い上げる曲が、力まずに歌えるようになってきました」

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こんなにいい歌は、誰かが歌い継いでいかなきゃいけないって思うんです
 
 
――『THE PRAYER』では、毎回コンセプトを決められているんですか?
 
「そうですね。今回は10回目ということで、今まで『THE PRAYER』で歌ったことがある歌と、今自分が歌いたい歌と、このアルバムから何曲かを歌う予定です」
 
――ちなみに、今歌いたい曲というのは?
 
「今、すごくいろんな歌の歌詞に興味があるんですけど、例えば、中島みゆきさんの『糸』ですね。この曲もすごく素敵な歌詞だなと。それと、今までの『THE PRAYER』で歌ったことがある中でもう1回歌ってみようと思うのは、アニメ『はじめ人間ギャートルズ』のエンディングテーマの『やつらの足音のバラード』という、かまやつひろしさんの曲。幼い頃にはそれこそ、“ドテチン”っていうイメージでしたけど(笑)、あの歌詞を改めて知ったときに、何て素晴らしい曲なんだ!って。シャンソンもそうなんですけど、こんなにいい歌は、誰かが歌い継いでいかなきゃいけないって思うんです」
 
――リアルタイムじゃなくても出合えますもんね、誰かが歌っていれば。
 
「“こんな曲があったな”って思うでしょ。誰かが歌っていると、いろんな人の心のどこかに引っかかるフレーズがあったりする。だから、素晴らしいと思う歌はずっと歌っていきたいし、そういう使命を与えられて生きているのかなって思うんです」

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夢は、『THE PRAYER』をフルオーケストラでやりたい
 
 
――10回目の『THE PRAYER』は、どんなステージにしたいですか?
 
「とりあえず10回は続けようと思ってやってきたんです。やることに意義があるというわけじゃないですけど、続けていくことって大変なので。毎回、ミュージシャンの方とどうしようかと考えながら繰り返してきたので、次への第一歩ですね。まず目標となる10回目まで続けられたことが嬉しい。いつもと同じように、自分がやりたいことをやるステージにします。歌いたい曲はいっぱいあるので、そこから厳選する苦しさはありますけど、ホームパーティーみたいに、“今回はどうしようかな~?”って考える楽しさはありますね。自分が楽しめる時間にすることで、お客様にも楽しんでいただきたいです」
 
――バンドメンバーは同じですか?
 
「毎回変えていますね。同じ曲でも演奏者や楽器が変わると全然違うアレンジになるので、それも自分なりに楽しんでいるところです。今回はフルートを入れてみました。どう雰囲気が変わるか楽しみですね」
 
――今後、目指すところは?
 
「夢は、『THE PRAYER』をフルオーケストラでやりたいと思っています。宝くじを当てるしかないですけど(笑)。そこまで発展出来たらいいなと思います。“有言実行”じゃないですけど、言わないと叶わないと思うので。あ、あと、紅白に出たいんです (笑)」
 
――ぜひ『夜明け』で叶えましょう!
 
「目指せ紅白!です(笑)」
 
――最後に改めて、CDに懸けた想いと10回目のステージへの意気込みをお願いします。
 
「CDは紅白に出るための第一歩です!(笑) というのは冗談ですが、コツコツといろんな場所で歌わせていただいて、自分のオリジナル曲が財産になって残ればいいなと思っています。ステージは、自分の好きな音楽で空間作りをしていますので、ぜひ秋の夜長に、一緒に音楽を楽しんでください。大阪のお客様はいつも面白くて、ホームグラウンドに帰ってきた気分でリラックス出来るので、私も楽しみにしています」
 
 
Text by 黒石悦子
Photo by 河上良(bit Direction lab.)



(2015年11月20日更新)


Check

Movie Comment

アルバムとライブを自らナビゲート
姿月あさとからの動画コメント!

Release

シャンソンのアレンジで蘇る名曲たち
3年ぶりのニューアルバム!

Album
『Chante~シャンテ~』
発売中 3240円
ビクターエンタテインメント
VICL-64432
※CDエクストラ仕様

<収録曲>
01. バラ色の人生
02. 夢の中に君がいる
03. ジェラシー
04. 約束の花束
05. ラ・メール
06. 人の気も知らないで
07. 爪
08. 時の過ぎゆくままに
09. 夜明け
10. そして今は
ボーナストラック
11. 恋人よ(「麗人REIJIN -Showa Era-
  コンサート」より)

<CDエクストラ収録内容>
・『ジェラシー』ミュージックビデオ
・『時の過ぎゆくままに』『約束の花束』
  メイキング映像

Profile

しづき・あさと…’85年に宝塚音楽学校入学。’87年に宝塚歌劇団雪組で初舞台を踏み、’98年には65年ぶりに誕生した宙組のトップスターに抜擢される。’00年の退団後はソロボーカリストとして、コンサートやミュージカルなど音楽活動を中心に、様々な分野で活躍。クラシックから歌謡曲まで、ジャンルに捉われない全方位型の“姿月あさと”というジャンルを日々、表現し続けている。’02年には石井竜也とのスペシャルプロジェクトでのCDリリース、コンサートツアーも開催。同年、国立競技場で行われたサッカーキリンカップで国歌斉唱を務めた。’10年には秋元康作・演出のミュージカル『Actress』に出演、’12年に同タイトルでアルバムもリリース。最新作は、11月4日にリリースされた『Chante~シャンテ~』。セルフプロデュースのライブステージ『THE PRAYER』は’03年に初開催され、今年で10回目を迎える。

姿月あさと オフィシャルサイト
http://www.shizukiasato.net/


Live

自らプロデュースするライブシリーズ
が記念すべき10回目! 初日は大阪公演

Pick Up!!

【大阪公演】

『THE PRAYER X』
チケット発売中 Pコード276-208
▼11月26日(木)16:30/19:30
ビルボードライブ大阪
自由席8000円
ビルボードライブ大阪■06(6342)7722
※未就学児童及び高校生同士の入場不可。
18歳未満は成人の同伴­が必要。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

 
【名古屋公演】
▼11月27日(金)名古屋ブルーノート
【東京公演】
▼11月29日(日)・30(月)コットンクラブ

Comment!!

ライター黒石悦子さんからの
オススメコメントはこちら!

「’98年に宝塚歌劇宙組の初代男役トップスターに大抜擢された姿月さん。’00年の退団公演では観客動員数が当時の史上最高を記録したという、実力も人気も圧倒的なスターでした。当時まだ宝塚歌劇に触れたことがなかった私は、残念ながら姿月さんのタカラヅカ在団中のお姿を観たことがありません…(泣)。しかし、梅田芸術劇場でのOG公演で拝見したとき、その素晴らしい歌唱力に鳥肌が立ち、引き込まれていきました。今回リリースされたCDは、姿月さんのやわらかくて優しい歌声がマッチした曲ばかりで、目を閉じて聴いていると、ふわ~っと吸い込まれていくようです。そんな姿月さんは大阪出身で、とても気さくなキャラクターも人気の理由の1つ。ライブでは、圧倒的な歌と共に、MCでも楽しませてくれるに違いありません!」