もしも今、卒業を前に心が揺れているリスナーがいたら、Drop’sのニューEP『さらば青春』を贈りたい。昨年発売された前作『HELLO』がパステル調のポップなアルバムだとしたら、今回の『さらば青春』はモノトーンでずっしりと重みのある、今の季節にじっくりとかみしめたい1枚だ。中野ミホ(vo&g)が高校3年生のときに書いたそのタイトル曲の中で彼女は、10代の日々を“透明な時間”と呼び、それに別れを告げている。少女から女性へ、子供から大人へ。誰もが経験する苦くて鮮烈な旅のはじまりが、冬の凍てついた空気と共にこの曲には刻まれている。さらに今作では、念願だったアナログレコーディングの実現や、『テキサスの風』(M-4)では物語を編むように実体験ではないフィクションを書くことにも挑み、見事に等身大以上の世界を聴かせてくれている。そんな瑞々しい感性で捉えた新世代のブルース/ロックンロールを鳴らすDrop’sが、3月に札幌、大阪、東京で『SHOW CASE LIVE TOUR』(招待制)を開催する。すでにDrop’sを知っている人はもちろん、まだDrop’sに触れたことのないリスナーとバンドのとっておきのランデブーの場になることは間違いない。自身も家でレコードを聴くのが好きだという中野は、「いつかDrop’sもレコードを作りたい」と話していたが、『SHOW CASE LIVE TOUR』会場では、過去4作品のアナログ盤が限定発売されることも決定した。
ドロップス…写真左より、奥山レイカ(ds)、石橋わか乃(key)、中野ミホ(vo&g)、荒谷朋美(g)、小田満美子(b)。’09年、高校で知り合った5人で結成。高校2年生の夏休みに初めて作ったオリジナル曲『泥んこベイビー』で高校生バンドコンテストのグランプリを獲得。’11年、高校3年生の7月に1stミニアルバム『Drop’s』リリース。同年12月に同じ札幌出身のバンド、爆弾ジョニーとスプリットシングル『SPLIT』発売。3月SHOWCASE LIVEツアーを開催。’12年、地元・北海道の夏フェス『JOIN ALIVE』に初出演し、以降現在まで3年連続で出演している。’13年9月に発売した1stフルアルバム『DAWN SIGNALS』は『第6回 CD ショップ大賞2014』北海道ブロック賞を受賞。’14年7月に2ndフルアルバム『HELLO』発売。同アルバムを携えた全国ツアーの東京、札幌公演はソールドアウト。12月3日には2nd EP『さらば青春』をリリース。同作に伴い、3月13日(金)札幌cube garden、3月20日(金)心斎橋JANUS、3月27日(金)東京キネマ倶楽部にて、SHOW CASE LIVE TOUR開催。同会場では、過去のアルバム4作品『Drop’s』『LOOKING FOR』『DAWN SIGNALS』『HELLO』のアナログ盤も限定発売される。