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声帯嚢胞による休養、ソロワークスの拡大、そして大阪の男(笑)
1年3ヵ月ぶりにして挑戦と原点の新作『NEW ME NEW ME NEW』
活動休止前ラストライブ『真夏の3DAYS』に捧ぐ
HAPPY BIRTHDAYきさ&あっこインタビュー (2/2)

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ラップが入ることによって、曲が具体的になったりポップになる
 
 
――表題曲の『NEW ME NEW ME NEW』以外はすでに書いていた曲で、新曲を足そうとなったときに、何か自分たちの中で意識することはありました?
 
きさ「他の曲が全部、スタジオでせーので作ったバンドサウンドで。そういう曲をまた作ったところでパンチがないと思ったので、いつもと違う気持ちで作りましたね。全然違う1曲プラスしようという気持ちで作りました」
 
――この曲ではあっこさんがドラムを叩いていなかったり、その代わりって言ったら何だけどラップしてたり(笑)。アレンジャーの作ったトラックをサウンドのベースにしていたりと新しい挑戦もあって。でも、聴いた印象は思ったよりも違和感が全然なかったですね。
 
きさ「PandaBoYさんがアレンジしてくださったんですけど、『恋暴動』(‘12)のリミックス(『イチャイチャチュッチュキャピキャピラブラブスリスリドキドキ』(‘13)のC/W)をやっていただいたり、ライブにも何度も足を運んでくださっている方なので、ちゃんとHAPPY BIRTHDAYっぽい感じになったなぁと」
 
――そして、遂にあっこラップが商品化されたわけで(笑)。
 
あっこ「フフフ(笑)。ねぇ!」
 
――リリックはサラッと書けるものなんですか?
 
あっこ「ラップはもう、ソロを始めてからガンガン作ってるんで、慣れました(笑)。パッて作れます(笑)」
 
――曲の本筋にちょっとスパイスを与えるというかね。
 
きさ「私からは出てこない言い回しだったり、もっとラフに肩の力を抜いて書いている感じがするので、ラップが入ることによって、曲が具体的になったりポップになるというか。私も十分説明が多い方だと思うんですけど(笑)、若い子とかにもさらに分かりやすい感じにはなってるなぁと思いますね」
 
――それこそ去年録り終わってる曲を今聴いても古くないし、時間軸が変わらないように聴こえるのは、やっぱり曲がしっかりしてるってことかもしれないですね。
 
 
大阪好きなんですよね、私。大阪の男も好きです(笑)
 
 
――歌詞のテーマも、恋愛はもちろんありつつ、もっと人間愛みたいなところも。
 
きさ「恋愛の曲を書かなきゃとかも何も考えずに、すごい素直に書いたんですよ。去年の6月ぐらいに、一気に何十曲も作ったんです。誰が聴くとかも何も気にせずに作ったり、自分でテーマを決めて作ったりと、いろいろとやってみた中から選んだ曲たちで。割とパッと感覚で作ったような曲が多い」
 
――『週休5日の仕事がしたい』(M-3)を書いたときって、めっちゃ落ちてるとき?(笑)
 
きさ「これはそうですね。具合が悪かった(笑)。でも、こんな働き方はしてないです(笑)」
 
(一同笑)
 
――でも曲はファンクって何でやんという感じやけど(笑)。『何番目かの女の子』(M-4)なんかも、男からしたら“何でこんなヤツ好きになるん?”って思っちゃうけどね(笑)。
 
あっこ「あ、それ私も歌ってるんですよ」
 
きさ「あの声がまたかわいいんですよ(笑)。元々は私1人で“死にたい”っていうサビだったんですけど(笑)、やっぱり独りよがり過ぎて変えたくなってきて。あっこが歌ったらポップに明るくなるんじゃないかなって、あっこが絶対言わなそうな歌詞に書き替えて(笑)」
 
――あと、『スターライトシティ』(M-5)は、家族のというかお父さんの歌?
 
きさ「そうですね。これは親戚だったり、大事な人がいなくなる機会が結構続いたときに書いた曲で。例えば、小学生で名字が変わるとか、中学生で両親が離婚したりしたときに、やっぱり子供は落ち込んでる。例えば高校生とか大きくなってからだと、もう親なんて結構な割合で離婚してるじゃないですか。だから、ホントは苦しくても、まあみんなあることだしって誰も口には出さないから。でも、実はちょっと傷付いている子とかが、家族のことを思って聴いてくれたらなって。仮タイトルは『離婚』だったんですけど(笑)。何かそういう、個人的な想いを書きましたね」
 
――そういう想いが、すごくシンプルなロックンロールに重ねられたからこそ、余計に響くというか。
 
きさ「ありがとうございます。自分も身近な人が亡くなったり、歳を重ねれば親が亡くなる子とかも出てくるじゃないですか。周りにはそういう子も結構いたりして。何かモヤモヤしていたというか、つらくて。その気持ちをちょっとスッキリさせたくて作りました」
 
――そんな曲もあったかと思ったら、大阪だったらこの話を聞かなきゃいけない曲がある、みたいな(笑)。
 
きさ「あ! 初めてそこに突っ込まれました。ありがとうございます(笑)」
 
――マジで!? これ聞くでしょ普通?(笑) 『電気を消したら始めよう』(M-6)の“深夜の2時、扇町公園”って、これはもう大阪に男がいたっていうことでいいですか?(笑)
 
あっこ「フフフフ(笑)」
 
きさ「誰もその大阪のことを突っ込んでくれないんですよね。大阪のファンの子も、意外にそこを突っ込んでくれない(笑)。“扇町公園”が入ってるのに(笑)」
 
――これは関西リスナー、関西メディアとしては見逃せない曲だっていうことですよ(笑)。
 
きさ「大阪好きなんですよね、私。大阪の男も好きです(笑)」
 
――アハハハハ!(笑)
 
きさ「でも、“心斎橋”とかって入れちゃうとあからさま過ぎて、聴ける人が限られちゃうのがイヤで。例えば、“扇町公園”って北海道の子が聴いても分からないじゃないですか。大阪の人だけがフフッて分かるぐらいの、それぐらいの感じがいいなって。遠距離恋愛している子が、誰でも聴けるようにしたいなって」
 
――デビュー当初のHAPPY BIRTHDAYは、女の子の気持ちをエロも含めて赤裸々にぶちまけるみたいなところもあったけど、これはこれで挑戦してますね(笑)。
 
きさ「ありがとうございます(笑)」
 
 
ハピバ史上一番好き
 
 
――『スターライトシティ』もそうでしたけど、今作の最後を飾る『MUSIC』なんかは、むちゃくちゃ普遍的な歌というか。時間軸的にはこれを作ってから弾き語りを始めたはずなんだけど、その効用があったかのような大きい歌ですね。これはあっこさんのお気に入りソングということで。
 
あっこ「そうなんですよ! よくご存知で。これ、ハピバ史上一番好きですね、」
 
――シンプルですごく強いメッセージというか。
 
きさ「去年、声帯を痛める前に体調をちょっと崩していて。だから『週休5日の仕事がしたい』を作ったり(笑)。曲を作ろうといろいろ考え過ぎて疲れちゃってたんで、肩の力を抜いて、もう何も考えないで適当に1曲作ってみようと思って、ポロポロっと出来た曲です」
 
――ホント、子供でも歌えそうな曲。
 
きさ「他にも“歯磨きをしよう~♪”みたいな童謡っぽい曲もいっぱい作ったんですよ(笑)。その中の1曲なんですけど、すっごい楽に作れたからむっちゃ気に入っていて。こういう曲をアルバムに入れられたらいいなって思ってたら、みんながいいって言ってくれて、嬉しかったですね」
 
――そう考えたら、いっぱい曲も書いて、休みの期間もあって、メロディも歌詞も書き直したりすることによって、HAPPY BIRTHDAYの多面性がより出たというか。ちゃんと自分たちのイメージを背負った曲もあるし、ホントに歌に特化してシンプルに勝負した曲もあるし。去年そのままリリースしていたら、また違う響き方をしていた気がしますね。今作がようやく出来たがったときは、どう思いました?
 
あっこ「出来上がったときは、ホンットにもう、お客さんとスタッフの方への感謝しかなかったですね。もう、それがホントに大きかったですね、今回は」
 
――今日はそれをずっと言ってるもんね。もう壊れたオモチャのように言い続けてる(笑)。
 
(一同笑)
 
あっこ「ヤバ過ぎるそれ!(笑) 超おもしろい!」
 
きさ「アハハハハ!(笑)」
 
――このフレーズ、コピペでずっと文中に入れとこうかな(笑)。どんなにきささんがいろんなことを言っても、間にあっこさんの“感謝しかないです”を入れていく。何の質問をしても全部それ(笑)。
 
あっこ「ヤバ過ぎる! それ超いい! 感謝人間(笑)」
 
――感謝人間(笑)。今作の売り文句に、“変わりたい…。いや、変わらなきゃ!”とありますが、変われました?
 
きさ「そうですね。ホンットにご迷惑をおかけしたので。少しでもマシな人間になりたいって。今もですけど、ずっと思ってますね」
 
――2ndアルバム『今夜きみが怖い夢を見ませんように』('13)のインタビューでおもしろかったのは、“HAPPY BIRTHDAYがHAPPY BIRTHDAYをおもしろがってる”みたいな話をして。“リップバームって何だよ! リップクリームって言えよ!”って内心思ってる俯瞰の眼差しがあって。今回はその頃とはちょっと違う気がしますね。
 
きさ「あのとき“別に無理にそんな風にしなくていいんじゃない?”って奥さん(=筆者)が言ってくださったことが、後々結構気になって、ずっと覚えていて。“そうなのかな?”って自分でも思っていたところがあったし、じゃあそこはリップクリームでいいのかな?って思えたんですよ。向き不向きはいろいろあると思うけど、私はその方がいいかもしれないって、今回は割と素直に書きましたね(笑)」
 
――そして、8月にはちょっとおもしろいことやると。
 
きさ「東京と大阪で3日間ずつやるんですけど、どちらも1日目は私とあっこのソロのツーマンで。あっこのソロライブは大阪でやったことがないので、初めて観られる機会になりますね。2日目と3日目はHAPPY BIRTHDAYのワンマンです。一応、2日目が“恋愛編”、3日目が“灼熱編”で、選曲を変えて。何となく恋愛編って言ったらこの曲だろうな、灼熱編って言ったらこの曲だろうなって想像して来てもらえると」
 
――めっちゃ感覚的(笑)。でも、ツーマンだったらそれぞれ1時間ずつぐらいはやる? あっこ曲はそんなにいっぱいあるんですか?
 
あっこ「あるんですよ」
 
――スゲェ! マジで!?(笑)
 
あっこ「ただ、1曲が1分半ぐらいなんで、40曲以上やらないと(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) パンクやん!(笑)
 
あっこ「ホントそうです。たまに大作もあるんですけど、3分ぐらいの(笑)。いつも念仏のように唱えてます(笑)」
 
(一同笑)
 
――また新しいものが観られそうですね、楽しみです。本日はありがとうございました!
 
きさ&あっこ「はい! ありがとうございましたー!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史



(2014年8月12日更新)


Check

Release

みなぎるポップ、キュート、ファニー
1年3ヵ月ぶりの新作にして充実作!

Mini Album
『NEW ME NEW ME NEW』
発売中 2037円(税別)
Sony Music Labels
AICL-2699

<収録曲>
01. NEW ME NEW ME NEW
02. ダイヤモンドブス
03. 週休5日の仕事がしたい
04. 何番目かの女の子
05. スターライトシティ
06. 電気を消したら始めよう
07. MUSIC

Profile

ハッピー・バースデー…写真左よりあっこ(ds)、きさ(vo&g)。’88年生まれ、東京都出身の2人組。’07年、美容専門学校の入学式で運命の出会いを果たし、同年9月にあっこが小説家になるために中退。翌’08年8月にはきさが音楽と恋愛に狂い中退。お互い別々のバンドで活動する中、’10年2月に新宿の270円均一居酒屋にてHAPPY BIRTHDAYを結成。4月には所属していたお互いのバンドが解散し、HAPPY BIRTHDAYに専念。6月にバンド名を飴玉音楽室に改名するものの、すぐに元に戻す。同年11月、1st アルバム『デートに行けない日曜日』をリリース。’11年10月にアルバム『ファーストキス』でメジャーデビュー。バンド名の由来は、ネット上で検索してもすぐにヒットしないような名前でも、いつか絶対に上位に出てくるバンドになる、との想いが込められている。

HAPPY BIRTHDAY オフィシャルサイト
http://www.happybirthday1988.net/

Live

東京・大阪メニュー違いの各3DAYS
活動休止前ラストライブ迫る!

Pick Up!!

【大阪公演】

『HAPPY BIRTHDAY真夏の3DAYS』
チケット発売中 Pコード236-691

〈~きさとあっこのファンシーナイト~〉
▼8月13日(水)19:00
南堀江knave
[出演]きさ(HAPPY BIRTHDAY)/
あっこ(HAPPY BIRTHDAY)

〈~恋愛編~〉
▼8月14日(木)19:00
〈~灼熱編~〉
▼8月15日(金)19:00
ROCKTOWN

全自由3000円
GREENS■06(6882)1224
※小学生以上は有料。未就学児童は保護者1名につき1名まで無料。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【東京公演】
『CLUB Que 20周年
 HAPPY BIRTHDAY presents
「OPERATION MAGOKORO」
HAPPY BIRTHDAY 真夏の3Days!』
チケット発売中 Pコード237-384

〈きさとあっこのファンシーナイト〉
▼8月25日(月)19:00
[出演]きさ(HAPPY BIRTHDAY)/
あっこ(HAPPY BIRTHDAY)
[ゲスト]堂島孝平
〈~恋愛編~〉
▼8月27日(水)19:00
〈~灼熱編~〉
▼8月28日(木)19:00

下北沢 CLUB Que
スタンディング3000円
ソーゴー東京■03(3405)9999
※小学生以上はチケット必要。未就学児童は保護者1名につき1名まで無料。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら

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