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『Just Do It』=やるしかない!のアティチュードで生まれた
2ndアルバム引っ提げ、いよいよ日本武道館へ!
SPYAIRの2012年のグランドフィナーレを飾る
インタビュー&動画コメントが到着!!

 2010年・地元名古屋・栄公園での野外ライブ、2011年・初の日比谷野外音楽堂、そして2012年、いざ日本武道館へ――。常に自らに高いハードルを課し、乗り越えてきたSPYAIRが、メジャーデビュー以降最大の挑戦に掲げ歩んできた日本武道館。今年は、映画『アメイジング・スパイダーマン』日本版主題歌となったシングル『0 GAME』で一躍注目を浴びた彼らだが、その武道館公演をもってENZEL☆(DJ)が脱退。夢の大舞台は同時に、この5人での最後のステージとなる。勝負の時は来た。勝とうが負けようが、“Just Do It=やるしかない!”。この1年の想いを詰め込んだ2ndアルバム『Just Do It』。大きな夢と隣合わせの挫折と葛藤と共に生きる、純粋にしてタフなロックバンドのインタビュー。

IKE(vo)&KENTA(ds)からのナイスコンビ動画コメント!

――今回の2ndアルバム『Just Do It』の前には、映画『アメイジング・スパイダーマン』日本版主題歌となったシングル『0 GAME』の存在があって。今までで1番のステップアップというか、お客さんの広がりを感じられた作品だったんじゃないかなと。オフィシャルのYouTubeチャンネルの再生回数にもおっ!?と思ったんですけど(笑)。

 
IKE(vo)「ホントにいいチャンスをもらったなぁと。僕らは根っこに洋楽があるんで、エアロスミスとかニッケルバックも参加してきたような作品に、自分らが加わるのはやっぱり嬉しいし。今は種がイッパイ蒔かれてる状態なんで、しっかりと花咲かせるためにはライブしかねぇなぁと」
 
――そこが1番の説得力というか、そこが出来てたら誰も文句言わないですからね。だからこそ大事な場所というか。
 
KENTA(ds)「ホントそうだなぁって思う。やっぱライブ1回でイメージなんか180度変えることが出来ると思ってるんで。音源は特にピンとこなかったバンドのライブを観て、めちゃめちゃカッコいいじゃん!!って衝撃を受けたことも何回もあるし、それこそ音楽の醍醐味だなって。その中で開きかけている芽を、しっかりと花開かせるのが自分らのやるべきことで。ライブを重ねても、自分らの納得いくライブっていうのは少ないんです。やっぱりしっかりと自力を上げる、例えば俺らが“今日のライブは80%だったな…”と思っても、観てる人からすれば120%に見えるぐらいの、高い理想と自力持ってなきゃいけないと思うんで。まだまだ自分らを鍛えていかなきゃいけないし、地に足付けて活動していかない」
 
IKE「ライブでの俺らを、もっと観たいと思わせられるかどうか。あとは俺らがやるだけなんです。“Just Do It=やるっきゃない”と思ってます」
 
――今ライブの重要性を語ってくれましたけど、今回のアルバムはそのライブへの意識が、絶対的にありますよね。
 
KENTA「やっぱライブを想定してるし、何よりもSPYAIRは“バンド”なんだっていう、当たり前のことをしっかりと響かせるというか。バンドである以上=人間がやっていることなので、そういう熱を今回はしっかりと詰め込めたなって思いますね。骨太のロックサウンド=音を太くするとか重くするのではなく、個々の音をしっかりと前に出す。もっとシンプルに、曝け出してもカッコいいモノを目指して作っていきましたね」
 
――1stアルバムの『Rockin' the World』は、シングル5枚を収録しながらロックアルバムとしての完成度の高さを誇った作品でしたけど、今回は『My World』『0 GAME』『Naked』の3曲で、前作よりはフラットにアルバムを作れる環境だったんじゃないかと。
 
IKE「確かにアルバムだからこそやれている曲は、前作よりも多くなってますね。だけど、例えどこを切り取られてシングルなってもいいんです。どれがシングルになっても胸を張れる。あとは、引き算を怖がらずにちゃんとやれてると思いますね。俺も前作では“伝えよう!”と肩に力が入ってたと思うんですけど、今作では力を抜いた声もパッケージすることで、逆にグッ!っと前に出たときにより分かりやすくなるみたいな」
 
――ある意味バンド感は引き続きあって…体重は一緒なんだけど、体脂肪率が変わってるような(笑)。バンドとしてより筋肉質になってるのかもしれない。
 
IKE「スゴくいい表現かもそれ(笑)」
 
KENTA「確かに確かに(笑)。スゲェ分かりやすい」
 
 
自分たちが作ったアルバムに支えられて進んでる
 
 
――『Rockin' the World』のインタビュー時も、最初いい話ばっかりだったんで掘り下げたら、風邪でRECを飛ばしたという裏話が出てきましたけど(笑)。
 
IKE「あ~言っちゃいますか(笑)」
 
KENTA「ありますよありますよ(笑)」
 
――こんなに忙しい中、今回もスムーズに録れるわけないよと。
 
KENTA「ちなみに、またIKEです(笑)」
 
――アハハハハ!(笑)
 
IKE「ハイ(笑)。前作は風邪で、今作は実力不足で再RECしました…」
 
――それって具体的にはどういうことですか?
 
IKE「今作では骨太なロックサウンドを目指してるが故にいろんな引き算をして、1つ1つの楽器の責任、ウェイトが重くなってるんですよ。なんで、微妙なズレも分かってしまう、スゴく難しいレコーディングになったんです。正直納得した歌が録れなくて、“申し訳ない! もう1度やらせて下さい!!”って再RECしたのが、この『Little Summer』(M-5)です(笑)。正直自分は最初から歌えちゃってた方なんで、結構声質に任せて逃げて来たんですよね。でも、バンドがコレだけ成長していってる中、この曲で細かい部分が浮き彫りになって…自分の実力が追いつけてないのを目の当たりにしたのは、やっぱりキツかった。それをまざまざと感じて、そして乗り越えたのがこの『Little Summer』なんです。だから1番苦い思い出であるとともに、1番よかった曲だと思うんです。自分の成長につながったんで」
 
――そう考えたらやっぱりこの1年は、バンドの成長のスピードが相当なもんだったってことですよね。
 
KENTA「それこそIKEだけじゃなくて、全員にまだまだ改善点はあるし、このアルバムを作った中でも思うことはいろいろあったし。それぞれがちゃんと自分と向き合ういいキッカケになったのかなぁって」
 
IKE「やっぱダメな部分がちゃんと自分で見えたから。こういう経験をしないと気付けなかっただろうし、自分にとって歌えなかった事実がどれだけ重いことなのかを体感出来たんで…コイツは忘れちゃイケない(苦笑)」
 
――それにしても、毎回何かしらありますね(笑)。
 
IKE「『Stay Gold』(M-7)なんかスゴくいいボーカルが録れてるんですけど、実は歌った記憶がスルッと消えてて。逆に聴いてみて“あぁ~俺こんな歌唄ってたんだ”みたいな(笑)。めちゃくちゃ集中はしてたと思うんですよ。でもあまりにも切迫してて(笑)、よく俺このテイク録ったなみたいな」
 
――あの過去最長のツアーをやっていた間にRECがあったわけですもんね。
 
IKE「そういう意味で今回『Just Do It』ってタイトルがついてるんです。最初は『Naked』(M-9)をアルバムタイトルにしようみたいな話だったんです。でも、ありのままでいたいっていう個人的な想いを人に向けるよりも、ツアーで時間がない中やるしかない! 武道館も控えててやるしかない!みたいな状況の中で出来たアルバムだから(笑)、『just Do It』っていうタイトルを付けてよかったなって。ここまで歩いて来た俺たちの道のりを、やっぱ出していきたいんで。結果的にスゲェいいタイトルをつけられたなぁって。何かヤル気が出るんですよね」
 
――やるしかない!って言ってる人がやってなかったらオカシいですからね(笑)。
 
KENTA「ホントそうなんですよね。ケツを叩かないと」
 
IKE「何かホントね、ちょっとムズカしいことを考え過ぎてたなって。人生観だったり、深い愛の部分とかをイッパイ考えて悩んだりするし、自分自身と自問自答する時間は決して無駄じゃないと思うけど、時にはそれを捨てて、“Just Do It=やるしかない!”、ムズカしいこと考えないで今を楽しんじゃえよ!っていう言葉の方が大事なときがあるんじゃないかなって。日本も今そういう時期だと思ってて、あの震災があって、結構重いメッセージをみんな発信しまくってるから、MOMIKEN(b)が『Just Do It』『Rock’n Roll』(M-2)みたいな曲を書いたのかなと俺は思ってます」
 
――単純に日常生活でどれだけ楽しいことがあるんだろう?って思いますよね。だから、ただ“楽しい”っていうだけでも、ホントはスゴく意味があるというか。音楽を聴いて、ライブを観てるとき、スゴく楽しいと思う。それ以上に何が必要なんだって。
 
IKE「それが1回体験出来れば、キツいことをやってる間もきっと乗り越えられる。リアルに体験したモノがずっと心の中で光ってることってスゴいあるんですよ。またあの楽しい空間に行けると思うとね。俺らは音を鳴らして楽しませる役目の上で生きてると思ってるんで、やっぱそこを忘れちゃダメだなぁって。届けていきたいことはやっぱ、楽しませることなのかなぁって。俺らが返していけるのは、こうやってしっかりとしたアルバムを作ること、ライブできちんと届けていくこと。ホント気は抜けないし、気を抜いたら先はないです」
 
KENTA「やっぱり全てのことを1つ1つしっかりとやっていく。その先にあるのが何かと言うと、今はやっぱ武道館なのかなって」
 
IKE「『Raise Your Hands』(M-12)は、俺らが立ちたい景色をイメージして録った曲なんで、要は半分未来のこと歌ってるんですよ。あの曲を聴くと、“ああいう舞台に立ちたい!”って思わせてくれる。この曲を聴くことによって未来が出来ていくし、歌うことによって未来が築けていく。今は自分たちが作ったアルバムに支えられて進んでる感じですね」
 
――ブライアン・アダムスの『18 TILL I DIE』('96)=死ぬまで18歳っていうアルバムがあるんですけど、それってまあ能天気っちゃ能天気じゃないですか(笑)。
 
IKE「カッケェー!」
 
――いつまでも俺は楽しんで行くぜ! パーティーしようぜ! みたいな、スゴく分かりやすいロックチューンなんですけど、やっぱりその一言に元気付けられるというか。いい大人になって“死ぬまで18歳だ!”なんて言ってらんないでしょっていうのが普通の世間の考え方かもしれないけど、音楽だとそれを言ってあげられる。当時俺はまだ20代でしたけど、この曲にスゴく元気付けられましたね。
 
IKE「いやいや、そういうことっスよね!」
 
――SPYAIRの『Just Do It』も、そういう風にリスナーに機能してくれたら…。
 
KENTA「ありがたいっスね、ホントに」
 
 
武道館を成功させて、美味い酒が飲みたいんですよ
 
 
――そして、SPYAIRの年末には、いっつも大きな課題が毎年あってね(笑)。
 
KENTA「デカ過ぎるんですよね(笑)」
 
――今年1年はね、日本武道館を目指して活動してきましたけど、段々リアルになってくるね(笑)。
 
KENTA「いや、もう相当リアルです、これ(笑)」
 
IKE「シビレますね」
 
――アハハハハ!(笑) シビレます? やっぱ。
 
KENTA「ビリビリ来てますね。でもホントに1本1本のライブをしっかりやって、そこにつなげていく。何がやりたいってやっぱ、武道館を成功させて、美味い酒が飲みたいんですよ」
 
――いや、超ウマいでしょうね、武道館が成功したら。
 
IKE「武道館ってみんなが知ってる場所なんで、そういう場所で自分らが成功を収めるっていうことは、支えてくれた人、スタッフ、ファンも全部引っくるめて、“出来たよー!”って親指立てられるんですよ。みんながいたからここまで来れたっていう感謝も、ロックバンドとしてのSPYAIRも証明出来ると思うんで、あの場所を選んでよかったなぁと。成功しないともう先が霞んで来ちゃうんで、今はそこにしっかりと向き合いたいと思ってます」
 
――今の時代、日常生活もそうですけど、音楽に関してもあんまり夢がないというか。
 
IKE「みんな頭が良くなり過ぎちゃって、現実をめちゃくちゃ見ちゃってるから。俺、ライブで“今夢持ってる人いる?”って聞いたら、あんまり手が挙がらなかったんですよ。それを見て、“あぁ~俺らはもっと頑張らな!”と思いましたね。俺らは夢を追ってるバンドだから、夢は叶うってことを、自分らの行動と姿勢で見せていきたい」
 
KENTA「音楽なんか人間が生活していく上で、究極なくてもいいモノじゃないですか。ただやっぱりここまでなくならないのは、音楽に何か力があるからだろうし、それは僕らよりもずっとずっと前の世代の人たちがしっかり夢を伝えて来たからだと思う。今だからこそ、もっと夢のある音楽が必要だし、それは俺らにとってもそうだから」
 
――武道館を終えて、次に会ったときにどういう景色だったのかを聞くのがスゴく楽しみですよ。
 
KENTA「でも、武道館が成功しないと、今後こういう取材はなくなってる可能性があるんで(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) それぐらいシビアだと。
 
KENTA「でも、武道館の次って何ですかね?」
 
――ドーム?
 
KENTA「デカ過ぎるんですよ(笑)」
 
IKE「やっぱ自分らがホントにやりたい夢を1つ叶えるべきだと思うんで、やっぱり野外じゃないですか」
 
――そうか。大規模野外か。
 
IKE「いや、小規模でもいいですけど(笑)」
 
KENTA「大丈夫、小規模で野外出来ないから(笑)」
 
IKE「やぐらを立てて、自分らが出したい音量までガーン!って上げてね」
 
――それも路上から始まったSPYAIRらしい。でも案外、武道館より人数入れなきゃイケないみたいな(笑)。
 
KENTA「なってるかもしれないスね(笑)。ただ、野外なんで夏なんで」
 
IKE「結構時間がない(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) 今までは1年掛けてたけど、夏までだとまあまあ短い。またエラいことが後々控えてるねぇとか言って、会えたら最高だなぁと。
 
KENTA「ホントそうですね(笑)。ぜひぜひ!」
 
――本日はありがとうございました!
 
IKE&KENTA「ありがとうございました!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 



(2012年12月17日更新)


Check

Release

生身のバンド感を詰め込んだ
ロッキンな2ndアルバム!

Album
『Just Do It』
発売中 3000円
Sony Music Associated Records
AICL-2429

<収録曲>
01. Just Do It
02. Rock'n Roll
03. 0 GAME
04. My World
05. Little Summer
06. No where, Now here
07. Stay Gold
08. Break Myself
09. Naked
10. U&I
11. I want a place
12. Raise Your Hands

Profile

スパイエアー…’05年、高校時代から続けていたバンドが解散となった中学の同級生IKE(vo)、KENTA(ds)、MOMIKEN(b)を中心に名古屋にて結成。UZ(g)を誘い4人で活動開始。最初の1年間はライブをせず製作期間とし、’06年10月頃から名古屋の繁華街・栄にある野外広場を中心に自主イベントをスタート。’07年9月、名古屋APOLLO THEATERで初のワンマンライブを開催。この頃から、ENZEL☆(DJ)はサポートとして活動を共にするようになり、’09年に正式メンバーとして加入。’10年6月には、栄・野外広場にて100本目の野外ライブを“FINAL”として実施。延べ2000名の観客を集める。同年8月、シングル『LIAR』でメジャーデビュー。アッパーなラウドロックをベースとしたサウンド、キャッチーなメロディ、ストリートで叩き上げられたライブで、只今人気上昇中。バンド名の由来は、“SPYWARE”というウイルスの言葉の響きに惹かれ、検索して即出てくるようにアレンジされ“SPYAIR”となった。

SPYAIR オフィシャルサイト
http://www.spyair.net/


Live

遂にやってきた夢の大舞台!
そしてENZEL☆最後のステージ

『SPYAIR LIVE at 武道館 2012』
チケット発売中 Pコード173-128
▼12月18日(火)19:00
日本武道館
全席指定3900円
ディスクガレージ■050(5533)0888
※3歳以上はチケット必要。

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