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ヒップホップ/R&B/ジャズetc様々なジャンルをクロスオーバーする
世界照準のトリオ・OvallのShingo Suzukiが(b&key)が
ハイセンスにしてノーボーダーな新作『HEART FEVER』から
2/4(土)ビルボードライブ大阪での初ワンマンまでを語る!

 巧みな演奏スキルと先鋭的なヒップホップ/R&B/ジャズetcを通過したハイセンスなトラックで、国内外で高い評価を集めてきた3ピースバンド、Ovall。フランスのホーカス・ポーカスからトランペット奏者の類家心平まで、多彩なゲストを迎えた初アルバム『DON'T CARE WHO KNOWS THAT』(‘10)発表時には、彼らの音を絶賛した故レイ・ハラカミ氏との対談&共演も実現。ジャンルを超えて支持層を広げてきた彼らが、昨年10月にリリースされたニューミニアルバム『HEART FEVER』に伴い、2月4日(土)にビルボードライブ大阪にて待望の初ワンマンを行う。新作、そして間近に迫ったライブについて、今注目のクリエイターでありリーダー格のShingo Suzuki(b&key)に語ってもらった。

ハイテクなのに素朴!? Shingo Suzuki(b&key)からコメント

――新作『HEART FEVER』は、国内外から多数のゲストを迎えた前作とは好対照な作品になりましたね。

「元々インスト色の強いバンドなので、前作では意図的に客演としてボーカリストやラッパー、プレイヤーをたくさん迎えて、Ovallのいろんな側面を知って欲しいというのがあったんです。その後にフェスへの出演やライブをする機会が増えて、いろんな場所で演奏するうちにサウンドも成長して固まってきたので、次に出すときは逆に、敢えて客演ナシのバンドだけの音楽を作ってみようと思っていました。結果として、よりバンドの素の音を示した純度の高い作品になりましたね」

――前作のリリース以後、ライブをする機会はかなり増えたんですね。

「増えましたね。それまでも自分たちでブッキングして都内を中心にやったりはしてましたけど、アルバムを出した後に全国のフェスから声がかかるようになりました。アルバム発売前は『朝霧JAM』だけだったのが、『FUJI ROCK FESTIVAL』『RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO』『SUNSET』『GREENROOM FESTIVAL』など…いろいろ出させてもらいましたね」

――前作から今作に至る過程で、より強く反映されてきた想いは何なんでしょう?

「前作でいろんな反応や評価をもらって、それを踏まえながらもさらに新しいことに挑戦したいという気持ちもあって、着地点に迷いながらデモを作り進めていたんですけど、そんなときに地震が起こって…。一時期は音楽どころじゃない状態だったんですけど、時間が経ってくると逆に地震があったりしたことで、もう余計なモノをそぎ落としてシンプルに、あまり他人の顔色などを窺わないで素直なサウンドを作ろうと思えてきた。じゃあ、“自分たちにとっての等身大は何だろう?”と見直しながら、よりバンドにフォーカスした音に向かっていきましたね」

――シンプルになったことで、3人それぞれのプレイヤーとしての個性やメロディの良さ、そして“バンド感”がより際立った音になっています。

「そうですね。あと、作品全体でひとつのストーリーを感じられるような流れ(=曲順)にしたいというのもありました。フェスとかで全国を旅するようなイメージを重ねたくて、1曲目の『Water Dream』のイントロでは姫路の小さなライブハウスで演奏したときのお客さんの拍手を入れたり、東京の近所でiPhoneのレコーダーで録音した街の雑踏を入れてみたり。2曲目の『Feverish Imagination』は“内向きになっていないで、外に向かっていこう”と歌った曲で、アルバム全体にそういうメッセージを込めてますね。地震が起こる前には違う歌詞だったんですけど、書き直しましたね」

――前のアルバムでも、Ovallのメンバー自身がボーカルを取った曲の良さが印象的でしたけど、今回はその個性がより前面に出ています。

「メロディに関しては米国のR&Bみたいなものにはしないというか。そこが日本っぽさというか、Ovallらしさだと思っていますね。でも、それは=歌謡曲的なものということではなくて、リズムとシンクした必然性のあるメロディを書くように心掛けてます。例えば、ブラジル音楽には独特のリズムのアクセントがあって、よく聴くとリズムとメロディが噛み合っているんですけど、どんな音楽にもそういう必然性は必ずあるんですよ。それを外さないように気を付けながら、いろんな音楽をOvallなりに組み合わせた音を作りたいと思っています」

――シンプルだけどひとつひとつの音へのこだわりが、Ovallは尋常じゃないように思いますね。

「ひとつひとつの小さな発見は、例えばビルボードライブとかに他のアーティストを観に行ったときにもありますよ。“こうやって弾いてるのかとか、こうすればイイのか”とか、いつも勉強になります」

――今話題に上がったビルボードライブの大阪にて、2月4日(土)にはワンマンライブがありますが、最近、そのビルボードでライブを観て特に印象的だったアーティストは誰ですか?

「最近ならメイシー・グレイですね。本人の出で立ちも良かったけど、サイドのギタリストもカッコ良くて。あと、アロー・ブラックも良かったですね~。去年ではその2組が特に印象的だったし、もうすぐ来日するコンテンポラリー・ゴスペルのカーク・フランクリンも楽しみですね」

――そんな普段からヒップホップ/R&B界の重要アーティストたちのライブを楽しんでいるビルボードで、Ovallが待望の初ワンマンを行うわけですが。

「僕も含めてメンバー全員が興奮気味に楽しみにしてますよ(笑)。実はワンマン自体は今回が初めてで。フェスだと30分くらいのセットが多くて、どうしてもアッパーめな曲が優先で後回しになってしまう曲も多いんですけど、普段はなかなか演奏出来ない曲や新曲も含めながら、たっぷりやろうと思っています。Ovallは元々テンポがアッパーよりもミドルの曲が多いので、ビルボード大阪ではその特徴も活かしたライブが出来るんじゃないかな、と」

――関西でのライブは稀有ですし、しかもワンマンとなると楽しみですね。本日はありがとうございました!

 
 
Text by 吉本秀純



(2012年1月30日更新)


Check

Release

バンドの音にフォーカスした
グルーヴとメロディに酔う1枚

Mini Album
『HEART FEVER』
発売中 1800円
origami PRODUCTIONS
OPCA-1016

<収録曲>
01. Water Dream
02. Feverish Imagination
03. Beautiful Love
04. Moon Beams
05. Moon Beams (Reprise)
06. Feverish Imagination (Reconstruction)

Profile

オーバル…写真左よりジャズギタリストとしても活動する関口シンゴ(g)、トラックメーカーとしても話題のmabanua(ds)、1st アルバム『The ABSTRACT TRUTH』がフランス、ポルトガルなどでもTOP10入りし世界中で大ヒットした、ベーシスト/キーボーディスト/トラックメーカー・Shingo Suzuki(b&key)。それぞれのソロアルバムではジュラシック5(AKIL THE MC)、ホーカス・ポーカス、Blu、アレステッド・デヴェロップメント(Eshe)、モカ ・オンリーetcと共演するなど、ワールドワイドに活動する3人のプレイヤーによるバンドプロジェクト。’10年にイギリス、フランスでもリリースされた1stアルバム『DON’T CARE WHO KNOWS THAT』が各方面で絶賛。サンプリングとハイレベルな生演奏のシームレスな融合が織り成す野太いグルーヴに、カラフルなサウンドがブレンドされ浮かび上がる独自の楽曲は、聴く者を別次元へと誘う“進化するアブソリュート・ミクスチャーミュージック”と称され、世界中から熱い注目を集めている。

Ovall オフィシャルサイト
http://ovall.net/


Live

待望の初ワンマンが大阪で実現!
ビルボードで魅せる驚愕のライブ

チケット発売中 Pコード157-889
▼2月4日(土)18:00/21:00
ビルボードライブ大阪
自由席5500円
ビルボードライブ大阪■06(6342)7722
※未就学児童は入場不可。

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