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WEAVER、1000say、未完成VS新世界、
ナオト・インティライミ、Bahashishiらが出演
注目新人イベント第2弾『Thousand Wave Vol.2』密着レポート!

 ロック、ポップス、ラップにワールド・ミュージック…様々なジャンルでブレイクの期待高まるアーティストが、僅か1000円で観られるお得なイベント『Thousand Wave』(サウザンド・ウェイブ)。まずは3/11(水)梅田Shangri-Laで行われた記念すべき『Vol.1』では、タニザワトモフミ、のあのわ、シクラメン、日比直博と、大衆性とオリジナリティを兼ね備えた次代のポップスターがズラリ。そして今回、4/2(木)OSAKA MUSEで行われた『Vol.2』では、強烈な個性とキラリと光るポップセンスを持つ魅力的なアクトが集結! オープニングアクトに抜擢されたWEAVERを含め、期待に満ち溢れた満場の会場を大いに盛り上げてくれた。ジャンルはバラバラ。だからこそイベントを通して飽きることなく、ライブという名の非日常を楽しませてくれた、熱い一夜をレポート! 

opening act:WEAVER】瑞々しさと絶妙なポップ感が共存! 21歳の新星ピアノトリオ
09050111.jpg バンド名からから想像したのはゴリゴリのロックバンド? またはエモやパワーポップ系? そんな風に前情報もなく観た者にとっては、いい意味で期待を裏切ってくれたのが、オープニングを飾ってくれた神戸出身のギターレス・ピアノトリオ、WEAVERだ。正直ほとんどの観客が彼らの存在を知らなかったのではないだろうか? でもそんなことなどまったくお構いなし! とばかりに、軽やかでとびきりポップなピアノの音色と、澄み渡る直球のボーカル…まだ若干21歳のニューカマーたちが作り出す瑞々しいサウンドには自然と手拍子が沸き、OSAKA MUSEは一気に彼らのホームに! 期待を裏切らない王道のグッドメロディや、ライブでの確信犯的な押し引きの絶妙さは、最近の若手ではちょっと貴重かもしれない。ベン・フォールズ・ファイヴやBUMP OF CHIKENをバンドのルーツに挙げるのも納得!?

 MCでは杉本(vo&p)が「今日は僕、占いで12位だったので目立たないようにしてるんです…(笑)。奥野(b)は2位か3位やったかなぁ? 後ろ姿がカッコいい日って言ってたよ(笑)」と話すと、すかさず奥野(b)が客席に後ろ姿でアピール(笑)する掛け合いもなんだかキュート。そして『66番目の汽車に乗って』であっと言う間のエンディング!

 美しいイントロに始まり、耳の奥底に残響を刻み込むようなドラマチックなサウンドで大団円を迎える会場。WEAVERの次なるステージ(5/2(土)なんばHatchではなんとflumpoolやGOING UNDER GROUNDらと共演!)が待ち遠しくなる。若き3人の大きな存在感を刻みつけ、『Thousand Wave Vol.2』開幕です!


 【1000say】
 男女ツインボーカルで魅せた、エレクトロでキラキラなロックパーティー!

09050112.jpg セットチェンジの時から聴こえるファンタジックなサウンドに、フロアは始まる前からワクワク状態。続きましては、男女ツインボーカル擁するエレクトロ・ポップ/ロックバンドの1000say(ア・サウザンド・セイ)がステージに!

 ブリブリに弾きまくるドライヴィンなベースラインにキュートなルックス、そのギャップにノックアウト!のAPI(vo&b)をセンターに、浮遊感漂うシンセサイザーのMICHELLEのポップなメロディ、ドラムのNONのタイトなビートと聴き応え十分のバンドサウンドが冴え渡る。優しく包み込むようなMAN(vo&g)の歌声と、APIのクリアなハイトーンボイスのハーモニーのブレンド感も絶妙で、練られたサウンド上で映える映える!  右へ左へとステージを縦横無尽に闊歩するAPIが手拍子を煽り、ズンズンと腰にくるダンサブルなグルーヴに、フロアは縦ノリ、横ノリ、なんでもOKなパーティー状態。思い思いに身体を揺らすオーディエンスの笑顔たるやなんや…! 聴けば聴くほど心がパッと明るくなる、高揚感を持ったポップチューンの連続で、疲れも吹っ飛ぶハッピーな時間を過ごさせてくれた。

 ポップで美しい楽曲、圧倒的なグルーヴ、抜群の演奏力、一人一人の際立った個性…ポスト・スーパーカーとも言うべき大器の片鱗を見せつけてくれた彼ら。『Thousand Wave(サウザンド・ウェイヴ)』に1000say(ア・サウザンド・セイ)が出演…これは後々語り草の伝説のイベントに!?(笑)

 

【未完成VS新世界】
 ロックシーンに現れた突然変異、愛すべきダメ人間が見せた感動のライブ
 

09050113.jpg 語りのSEが流れる中、照明なしの真っ暗闇の中で生々しく『どうでもよくないうた』を歌い出した澤田(vo&g)。オフマイクでいきなり会場を空気をギューッと掴んだのは、この日の3番手、未完成VS新世界だ。ブスブス突き刺さる言葉の弾丸。思いの丈を絶唱する姿に圧倒される。続いて披露されたシンプル×ソリッド×ダメ人間な(笑)ロックチューン『どんてん生活』。「こんな素晴らしい夜に誘ってくれてありがとうございます。誘ってもらって嬉しいです」。不器用ながらもその気持ちを一心に伝えようとするMC、もがきながら衝動を音にぶつけるようなステージ…彼らを見ているとまるで、ステージ上でしか、ライブ中でしか息が出来ない魚のようだ。そしてメロウな名曲『ケーキをつくる』。歌がバカみたいに上手いわけでもない。MCが饒舌なわけでもない。すでにステージ上でもフラフラだ。だが、彼らの無軌道に見えても、破天荒に見えても、楽曲をポップソングとして着地させる嗅覚、ステージ上で放つ圧倒的な熱量の高さ、曲ですべてを語るパワーはいったい何なんだ!? 3曲目にしてすでに沸点を越えまくる凄まじいライブの生命力に、釘付けにされて動けない。

 続く『消えないための方法』でも、どーしよーもない男の歌詞が本当にグサグサと突き刺さる。言葉にするだけでは、言い訳かもしれない。負け犬かもしれない。でもそれが“歌”になることで、ここまで人に力を与え、心を動かすことが出来るのか。全力疾走、ノーブレーキ。止まらないというよりは止まれないと言ったほうが正しいか(笑)。「ホントに今日は嬉しい。みんな僕らのこと知らないと思うけど、知らない土地で音楽ができてホントに幸せです」。こうして澤田は再びオフマイクでステージ中央に。最後に披露されたのは、『僕が歌う君のうた』…。

 最近のアーティストはみんな器用だ。だが、NO MUSIC, NO LIFEなんて軽々しく言いたくはないが、久々に音楽しか出来ない人間を見た。スゴい奴らが出てきたぞ~!

 

【ナオト・インティライミ】
 真性ステージ・パフォーマーと大阪の強力タッグ誕生!
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 「みんな元気ですか~! インティが太陽、ライミが祭り。日出ずる国のオマ トゥリ男(お祭り男)、ナオト・インティライミです!」とギターをかき鳴らし登場したのは、現在はあのMr.Childrenのコーラス&ギターとしてツアーにも帯同しているナオト・インティライミ。が、盛り上がりに欠けた会場にご立腹のナオト、なんと幕を閉じもう1度入場からやり直すことに!(※しかも改めてSEを流し、客電を落とす徹底ぶり(笑))。この一連の流れを経ての再登場に、会場は大盛り上がり! 「やる気出てきた~」と(笑)、ようやく1曲目『あの素晴らしい愛をもう一度』を披露。「ここ拍手のとこでしょ!」と手拍子をスムーズに扇動する、「知ってる人~? 歌える人~?」と、恥ずかしくないよう自然と歌わせてあげる、その会場の空気を掌握する反射神経の良さたるや、まさに生粋のステージ・パフォーマー! 瞬く間に会場がひとつになる様は本当にアッパレだ。男性客の声のほうが大きいのも珍しい。さすがの反応のよさにナオトも「いや~珍しい会場やね~」とゴキゲンに。“何度でも立ち上がればいい”というポジティブ・ソング『How many times!?』では、今度は「自然発生的な手拍子大好きです」と言わしめるほど会場はホットに。

 「喋る時間を多くとるために先に歌います(笑)」と語っていたこの男、いよいよギターを置いて本気MCへ(笑)。サッカー・旅・音楽の3つがキーワードだと言う“ナオト・インティライミって誰?”のコーナーでは、バックパックで28ヵ国旅した際に、3日しかいるつもりがなかったコロンビアに2ヵ月いた話から、「本名・中村です」「今でも生涯現役を掲げて岡ちゃんの招集を待ってます」「今日物販でCDをホントは1万円で売ってるんですけど、大阪スペシャルプライスで9割引きで1000円で」「イヤと言われてもサインします、拒否られても握手します」などなど(笑)、ガンガン畳み掛けるスーパートークに笑いの耐えない会場。「リアクションがいいと話が脱線するわ!(笑)」とナオトも認めるオーディエンスのノリの良さも手伝った相乗効果で、「ホントに1年ぶりくらいの大阪ライブ」と言うのが嘘のようなホーム感だ。

 そして一転、切なくもあたたかいラブソング『ため息インジケーター』ではしっとりと聴かせ、最後に「ダンスナンバーを聴いてください!」と『マワセ マワセ』を披露! 全員が手を上げるまで、とのことでステージ脇のスタッフまで巻き込み(笑)、振り付けもバッチリ。初見でも自分のお客さんにしてしまう、人間的魅力が爆発するステージ。愛される理由が分かります。ホントにMC抜群(笑)。もちろん、歌もサイコーでした!

 

【Bahashishi】
 バンドの成長をリアルに実感させる、これぞBahashishiの真骨頂!
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 そして最後は、大阪出身のBahashishiがこの日の大トリとしてステージに! メンバーのみのシンプルな編成で挑んだライブでは、イベント前日に発売されたニューアルバム『COLOR of LIFE』からの新曲も交え6曲を披露した。

 1曲目は『繋いだ手と手』。ほぼ一発録りでレコーディングされたという新作を象徴するような生き生きとしたバンドの体温が直接伝わってくるこの曲。ライブでもお互いの呼吸を確認するかのようなパフォーマンスで、ユラリのボーカルを全面に押し出し、それを支えるバンドは決してサポートではなく、Bahashishiを構成するひとつひとつのかけがえのない“音”だと言わんばかりに力強く聴き手に訴えかけてくる。『オアシス』、『チェリーブロッサムダンス』と続くライブでは、ジャズやソウル、テクノまで、幅広いアレンジを加えながら、人が持つあらゆる感情を切々と綴る彼らの楽曲のふり幅を証明。バンドの世界観にあっという間に惹きこまれてしまう。そして、メンバー紹介を挟んで披露された『紙ヒコーキ』では、小刻みなギターのバッキングが全体の軽快なリズムを生み出し、サビで一気に放たれたサウンドの波を壮大に歌い上げるユラリのボーカルが自由に伸び伸びと泳ぐ…。ライブではおなじみの『キセキ』、壮大なバラード曲『Story...』まで、新しいBahashishiの方程式はドラマティックに聴き手の感情をコントロールし、それぞれの楽曲が持つ個性を最大限にまで引き上げてみせた。

 「ひとつの空間を作るには意識的に同じ気持ちになっていないといけないというか。違う方向を向いていると、そのステージを見た人にもそのバラバラ感が伝わってしまうんじゃないかと皆で話してるんです」と語るように、この日はメンバー同士の絆とも言うべき意思疎通が全体を通して感じられた。これまで地元・大阪でのライブには“ある種の張り詰めるような緊張感”というよりは“アットホームな雰囲気”が優先していた彼らだったが、この日のBahashishiは、緊張感の中にある力強いメッセージが真っすぐにオーディエンスの背中を押してくれるものだった。

 結成6年を迎えてバンド活動もひと周りした彼らが、『LINE』、『月の呼吸』といった定番曲を披露せず、現在の持ち曲で説得力のあるライブを披露したこと。その姿からは「もっと、もっと聴いてくれる人と近くなりたい!」と、向上心あふれるBahashishiの、リアルに成長し続ける現在進行形の思いを感じることができた。


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  大好評の『Vol.1』に続き行われた『Vol.2』も大成功! タニザワトモフミ、のあのわ、シクラメン、日比直博。そしてWEAVER、1000say、未完成VS新世界、ナオト・インティライミ、Bahashishiと、才気あるアーティストがズラリ顔を揃えた『Thousand Wave』もこれにて無事終了。シーンに新たな波を起こす可能性を秘めたアーティストたちは、今後も新たな場所であなたとの出会いを待ってます! 『Vol.3』の開催も乞うご期待!?
 
 




(2009年5月 1日更新)


Check

『Thousand Wave Vol.1』の
ライブレポートはコチラ!

Next Live

今後も関西圏でのライブが続々決定!

【WEAVER】

『GOLDEN CODE ‘09』
▼5月2日(土)18:00
なんばHatch
1Fオールスタンディング3900円
2F指定席3900円
[出]flumpool/GOING UNDER GROUND/
NICO Touches the Walls
[オ]WEAVER 
キョードーチケットセンター
■06(7732)8888
※5歳以上は有料。

『神戸VARIT.presents
"神戸黒船伝説~Road to BIGCAT"』
▼5月14日(木)18:30
BIGCAT
オールスタンディング2000円
[出]WEAVER/owgon/The Keys/
The Musique/曖昧code
VARIT.■078(392)6655/
BIGCAT■06(6258)5008

WEAVER オフィシャルサイト
http://www.weaver-sok.com/


【1000say】

▼6月1日(月)時間未定
京都MOJO
オールスタンディング2000円
[出]1000say/winnie/
The Portbell Market/他
MOJO■075(254)7707

1000say オフィシャルサイト
http://1000say.main.jp/


【未完成VS新世界】

▼5月27日(水)19:00
Fandango
オールスタンディング2000円
[出]未完成VS新世界/tombo/
完全にノンフィクション/イヌガヨ 
Fandango■06(6308)1621

未完成VS新世界 オフィシャルサイト
http://mikansei.versus.jp/


【ナオト・インティライミ】

『FM802 STILL20 FUNKY MARKET』
▼5月3日(日)9:30 (15:30頃出演予定)
万博記念公園自然文化園お祭り広場
入場無料 
※但し自然文化園の入園料大人250円・小中学生70円が必要。
[出]わたなべゆう/星羅/二千花/
Vijiandeux/Dew/ナオト・インティライミ
FM802リスナーセンター■06(6354)8020
(平日10:00~18:00)

『タワーレコード梅田NU茶屋町店
 ライブ&サイン会』
▼5月17日(日)15:00
タワーレコード梅田NU茶屋町店
6Fイベントスペース
入場無料
※ご予約者優先でタワーレコード梅田NU茶屋町店、梅田大阪マルビル店、難波店、神戸店、京都店にて5月13日(水)発売ウルトラC(タワーレコード限定販売)をお買い上げの方に先着でイベント参加整理券を配布。ミニライブ終了後、イベント参加整理券と引換えでサイン会を実施。
タワーレコード梅田NU茶屋町店
■06(6373)2951
※6歳以下の入場は不可。

ナオト・インティライミ オフィシャルサイト
http://www.nananaoto.com/


【Bahashishi】

『ワンマンライブ
『COLOR OF LIFE』TOUR』
▼5月23日(土)18:00
心斎橋クラブクアトロ
3000円
キョードーチケットセンター
■06(7732)8888
※未就学児童は入場不可。

Bahashishi オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/bahashishi-blog/