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大阪・あべのハルカス美術館で開催中の「安野光雅展」
遊び心がつまった会場の様子をご紹介

卓越した発想力で知られ国内外で愛された画家、安野光雅さん(1926~2020)。その原画を集めた「安野光雅展」が大阪・あべのハルカス美術館で開催中です。安野さんの遊び心がつまった会場の様子を紹介します。

【第1章 ふしぎの世界】

最初に目に入るのは、絵本デビュー作『ふしぎなえ』。のぼってものぼっても元の階に戻ってしまう階段、歩いていたら天地が逆になる迷路。「あれ?」という驚きに満ちた安野ワールドの始まりです。

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こちらは『ふしぎなさーかす』の最初の絵。真夜中、サーカスの幕が上がりました。最後の絵との違いを確かめてみましょう。

anno231023-2.jpgうっそうと茂る樹木の様子が描かれた『もりのえほん』。目を凝らして絵を見つめると、だんだん動物たちの形が見えてきます。複製画の撮影スポットも人気です。

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【第2章 科学のおはなし】

空想も含め、自分の頭で考えることを大事にした安野さん。『天動説の絵本―てんがうごいていたころのはなし―』は、地球が宇宙の中心と信じられていた時代の人々の考えとその変化が描かれます。紙が茶色く染まり、シワまで付いているのは、古いお話にふさわしく、と考えた安野さんの演出です。

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【第3章 空想と旅の風景】

青い服の旅人に導かれ、世界各国を巡る『旅の絵本』シリーズ。本展では『旅の絵本Ⅵ デンマーク編』を取り上げます。アンデルセンの故郷や首都コペンハーゲンなど、俯瞰(ふかん)で描かれた美しい風景。よく見ると「人魚姫」や「マッチ売りの少女」など、アンデルセン童話のシーンがちりばめられているのに気づきます。旅人がどこにいるかも探してみてください。

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【第4章 物語の世界】

中国の古典に題材を取った『繪本 三國志』。4年をかけ1万キロを旅した中国取材をもとにした壮大な歴史絵巻です。安野さんのこだわりで、現地の画材や土も使って描かれました。絵に押された、個性あふれる落款には、安野さんの思いも隠れています。

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【第5章 懐かしの風景】

故郷・津和野で過ごした頃の遊びや生活を描いた『昔の子どもたち』は、津和野弁でつづられたユーモアあふれる文章も魅力です。恩師・藤本先生の注意書き(赤字)は、なんと、先生のふりをした安野さんの「ごっこ遊び」とか。

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絵を追うほどに、そして、見つめれば見つめるほど発見がある安野さんの原画。お子さまはもちろん、かつて子どもだった大人の方も楽しめます。会場で自分なりの「安野さん」を見つけてみませんか。




(2023年10月27日更新)


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『安野光雅展』

チケット発売中 Pコード:686-444
▼11月12日(日)まで開催中
あべのハルカス美術館
当日一般-1600円 当日大高生-1200円 当日中小生-500円
※開館時間:火~金 10:00~20:00、月土日祝 10:00~18:00。最終入館は閉館30分前まで。休館日:10/16(月)。未就学児童は入場無料。親子券をご購入の方は観覧当日同時入場。期間中1回有効。混雑時には入場をお待ちいただく場合がございます。
[問]あべのハルカス美術館■06-4399-9050

チケット情報はこちら


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