2017シーズンのJ1リーグ戦を10位で終えたガンバ。5年間指揮を執った長谷川健太監督は今シーズンを持って退任。来シーズンはレヴィー･クルピ監督が新指揮官に就任することが発表されています。

 

この5年間を振り返り長谷川監督は、｢ACLを取れなかったのは悔しいですけど、このクラブで得たものは大きかったですし、あの選手たちがいなければタイトルは取れなかったと思います。自分自身がJ2の時にバトンを受けて、(今季の)順位は二桁だったかもしれませんが、最後に6人も代表に入るメンバーがいて次の監督に引き継ぎできたので、最低限の仕事はスタッフと協力してできたのかなと思っています｣。
今季は主力にケガ人が続出したこともあり残念な結果に終わりましたが、1年目の2013年はJ2に落ちたチームを1年で上げるJ2優勝でのJ1復帰を達成。2014年はJ1リーグ戦、ヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)、天皇杯を制しての、史上2チーム目の三冠を獲得し、3年目の翌年は天皇杯連覇。ここ2シーズンは無冠でしたが、｢(監督が)健太さんになって、ここ5年間でいちばんタイトルを取っているチーム｣と遠藤保仁選手が話したように、多くのタイトルをもたらしてくれました。

 

今シーズンを持ってガンバの指揮官を退任した長谷川監督

解団式の日、長谷川監督を囲んで全員で記念撮影

 

また、｢代表をたくさん産んだのも健太さんのおかげだと思っていますし、健太さんが来てから自分も本当に成長したと思うので、僕自身も感謝しています｣(藤春廣輝選手)と話してくれたように、タイトル獲得以外にも成長著しい井手口陽介選手ら、多くの代表選手を輩出しました。
｢今年こうやってガンバに呼んでもらえて自分としても充実していましたし、健太さんのおかげで代表だったり色んなことを経験できました｣(三浦弦太選手)
｢(2014年にガンバに)移籍してきた最初は難しい入り方をしてしまったけど、ケガをしたり、なかなかチームの流れに乗れないようなプレーをしている中で健太さんは焦ることなく見守ってくれた。厳しい方ですけど、感情的に厳しくする監督じゃない分、自分自身のプレーを見つめ直す時間もくれたし、そういう意味では試合に臨みやすい環境を作ってくれていたと思います。ほんまドーンと座ってくれている監督という印象が強かったです｣(東口順昭選手)
｢自分の足りないところを的確にアドバイスしてくれて、一回りも二回りも成長させてくれて、僕を代表まで押し上げてくれた監督なので感謝しかないです｣(倉田 秋選手)

 

東アジアE-1選手権で出番はありませんでしたが、東京五輪世代から初のA代表に選出されたプロ2年目の初瀬 亮選手も、｢代表に選ばれたのも、出場機会、チャンスを与えてくれた健太さんのおかげやと思っています｣。

 

代表選手以外にも、｢1度ガンバを離れたにも関わらず、戻ってこられたのは、健太さんのおかげだと思います。本当に監督が健太さんじゃなかったら、きっと僕は今ここにいないと思っています。試合に出る回数は少なかったですけど、自分なりに、出た試合ではそこそこ出来たと思っているし、サッカー選手としては試合に出ることがいちばんですけど、戻って来て3年、充実した日々を過ごさせてもらったなと思います｣(藤ヶ谷陽介選手)、｢ACLで使ってくれたことはありがたかったというか。起用に応えられなかったのは残念ですけど、そこで僕を使う判断をしてくれたことに関しては感謝じゃないですけど、嬉しかったです｣(鈴木椋大選手)と感謝を述べていました。

（写真左から）
・今年初めて日本代表入りを果たした三浦選手と初瀬選手
・今季途中から結果を残し出した堂安選手でしたが、夏にオランダ1部のフローニンゲンへ期限付き移籍
・今シーズンで現役を引退した藤ヶ谷選手。ベテランらしくGK陣、チームを後ろから支えていました
・今度はガンバの監督として2013シーズンぶりにJリーグに戻ってくるレヴィー･クルピ監督(写真は2013年当時のもの)

 

来季は新監督のもとでスタートするガンバ。どんなシーズンになるのか、要チェックです。

 

取材・文：金子裕希

（2017年12月26日更新）