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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18 指揮:飯森 範親(日本センチュリー交響楽団首席指揮者) |
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3月25日(金)、26日(土)、日本センチュリー交響楽団は首席指揮者飯森範親と、2015-16シーズンのファイナルとなる第207回定期演奏会を開催する。今回はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、チャイコフスキーの交響曲『マンフレッド』というロシアを代表するふたつの作品を演奏する。 ほの暗いロシア的な響きと甘美な色彩感に溢れる名コンチェルトが、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。その旋律が映画やポピュラー音楽などにも数多く引用された作品だが、最近では浅田真央、高橋大輔など、フィギュアスケートの選手たちの滑走にも使用され、人気が再燃している。ピアニストに迎えるのはウィーン国立音楽大学教授でもあり、今年行われる第20回浜松国際ピアノアカデミーの招聘教授も務めるヤン・イラーチェク・フォン・アルニン。センチュリーとの白熱した演奏に期待したい。 交響曲『マンフレッド』はチャイコフスキーが残した唯一の標題交響曲であり、また番号を持たない交響曲である。19世紀ヨーロッパに強い影響を残した、イギリスの詩人バイロンの劇詩「マンフレッド」を題材に、万能の叡智を手に入れながらも、恋人の死を忘れられない主人公マンフレッドの苦悩が描かれる。舞台となるアルプスの岩肌を思わせる激しい曲想は、これもまたチャイコフスキーのひとつの表情。第3楽章などには彼のバレエ音楽を思わせる伸びやかな旋律も現れる。演奏機会は必ずしも多くはないが、近年、採り上げる指揮者は増えており、「もう一つの名シンフォニー」として再評価が進む作品といえるだろう。なおこの作品にはふたつの版があり、今回演奏されるのは終結部にオルガンのコラールを伴う改訂版。主人公の魂の救済を告げるパイプオルガンの響きが、いつまでも心に残るに違いない。
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2月28日(日)、福井県立音楽堂「ハーモニーホールふくい」で行われる飯森範親指揮、日本センチュリー交響楽団の福井特別演奏会。開幕はハイドンの交響曲第18番だ。演奏時間14分ほどのチャーミングな作品だが、これはセンチュリーが現在進めている「ハイドンマラソン」の最新の成果。まずはハイドンの個性をたっぷりと楽しみたい。
ソリストにヴァイオリンの郷古廉(ごうこ・すなお)を迎えて演奏されるのは、ヴァイオリン協奏曲の頂点に立つ1曲、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調だ。哀調を含んだ導入部から、途切れることなく紡がれる全3楽章。今年23歳の俊英、郷古とセンチュリーの美しき協奏(コンチェルタンテ)を存分に感じ取ることができるだろう。
そしてサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」は、1886年、作曲者が教会音楽としてのオルガンの使用法から離れ、まったく新しい音響の創造を目指したとされる作品。4楽章形式を内包する2部構成の交響曲だ。オルガンは全編に使用されているが、特に第2部の後半に現れる響きは圧倒的。新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)専属オルガニストでもある、山本真希を迎え、「ハーモニーホールふくい」の巨大なパイプオルガン(パイプ数5014本)とセンチュリーの創り出す、壮麗な音楽を体験することができる。ホールとオーケストラが一体となった響きを、全身で感じてほしい。 |
すでに記者会見の模様が、新聞各紙や各社ホームページでも取り上げられた(!)日本センチュリー交響楽団と吉本クリエイティブ・エージェンシーのコラボレーション。その第1弾となる「オーケストラ新喜劇」が3月15日(火)、なんばグランド花月で開催されます。 「ほんだし(かつおだし)」のロゴでおなじみNGKの緞帳が上がると、そこにはザ・シンフォニーホールやいずみホールで見慣れた正装のセンチュリーの面々が! 音楽はモーツァルト、アイネ・クライネ・ナハト・ムジークより第1楽章から、チャイコフスキー「弦楽セレナード」より第2楽章など、これまたわかりやすいほどの本格クラシック。NGK始まって以来のゴージャスなサウンドが繰り広げられることでしょう。 そして第2部はいよいよ「オーケストラ新喜劇」。開幕はもちろんあの「ホンワカパッパー」をセンチュリーの演奏でお届けします。ここで物語のネタをバラすわけにはいきませんが、オーケストラが板付きで登場する中、オーケストラを舞台にしたあれやこれやに、登場人物の人間模様が絡み合うという吉本新喜劇ならではの展開。座長・川端の「カーッ!」とか島田珠代の「チ~ン」とか、お約束のギャグには、センチュリーが音で参加!? これはもう、観る(聴く)しかないでしょう。 |
記者会見では「オーケストラの方って男性も大勢いますよね?三度目の結婚は、もしかしたらオーケストラの方...?」と語った島田珠代。その思惑がかなうかどうかはわかりませんが、これからセンチュリーと吉本クリエイティブ・エージェンシーは、落語とアンサンブルの融合や吉本芸人によるコンサートナビゲートなど、様々な企画をコラボレート。「クラシック」と「笑い」。思いがけない出会いが生み出す可能性の数々にご期待ください。
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