ホーム > 劇団 石塚朱莉 > 第3回 劇団Patch 中山義紘さん、松井勇歩さん(後編)
劇団Patch
げきだんぱっち●「演劇で大阪を元気にしたい!」という志のもと関西を拠点とした様々なエンターテインメントを発信。2012年4月、3000名以上の中から厳しいオーディションを通過し関西版 D-BOYS となる劇団Patchを結成した。結成から約半年で挑んだ旗揚げ公演『OLIVER BOYS』(作・演出 末満健一)を上演、大盛況のうちに幕を閉じる。以降演劇活動以外にもテレビやラジオなどのレギュラーも持ち幅広く活動中。
中山義紘(写真中)
なかやまよしひろ●1990年2月23日生まれ、兵庫県出身。ABC「おはよう朝日土曜日です」(毎週土曜 6:25-8:00)やNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」(月〜土曜 8:00-8:15)に土田昌和役で出演中。8月には東京・新橋演舞場で、9月には大阪・大阪松竹座で上演されるミュージカル『にんじん』にマルソー役で出演が決定した。
松井勇歩(写真右)
まついゆうほ●1991年10月30日生まれ、兵庫県出身。ABC「おはよう朝日土曜日です」(毎週土曜 6:25-8:00)に出演中。6月に東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoで、7月に大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される舞台「『黒子のバスケ』OVER-DRIVE」に誠凛高校・伊月俊役で出演する。
石塚朱莉(写真左)
いしづかあかり●1997年7月11日生まれ、千葉県出身。ニックネームはあんちゅ。NMB48チームBII。趣味は映画鑑賞。2016年夏、悪い芝居の『メロメロたち』で初舞台、初主演を果たす。2017年4月には同じく悪い芝居『罠々』に出演決定!
公式サイト
http://www.nmb48.com/
Patch stage vol.10 「羽生蓮太郎」
Pコード:456-634
▼4月20日(木)19:00
▼4月21日(金)19:00
▼4月22日(土)14:00/18:00
▼4月23日(日)14:00/18:00
▼4月24日(月)17:00
<追加公演>
▼4月24日(月)13:00
in→dependent theatre 2nd
一般-3800円(整理番号付)
学生-3000円(小学生~大学生、整理番号付)
[原作]ウィリアム・シェイクスピア
[作・演出]末満健一
[出演]有馬純/岩崎真吾/尾形大悟/星璃/田中亨/藤戸佑飛/松井勇歩/三好大貴/山田知弘/吉本考志
※未就学児童は入場不可。出演者は変更になる場合あり。学生は入場時、学生証をご提示いただく場合があります。
[問い]劇団Patch公演窓口
[TEL]06-6981-6660
劇団Patch Official site
http://www.west-patch.com/
ワタナベエンターテインメント
「関西風味BOYS&劇団Patch
次世代スター発掘オーディション」実施!
和田正人、城田優、瀬戸康史、志尊淳、など今をときめく俳優たちを輩出しているワタナベエンターテインメントが関西発スターを発掘するオーディションを開催! 関西を盛り上げ、ゆくゆくは全国に羽ばたく関西在住の12歳から22歳までの俳優男子、演劇男子を募集する。オーディションでは応募者全員と面接、自薦・他薦は問わず! なにわ史上最強オーディションがこの夏、始動!!
[応募資格]
13歳~22歳までの関西出身もしくは関西を盛り上げたい男子。
特定のプロダクション、レコード会社、出版社との契約がないこと。 自薦・他薦は不問。
[応募URL]
https://kansaipatch-ad.themedia.jp/
2017年6月30日(金)必着
[詳細・お問い合わせ]
06-6981-6660
(平日11時から19時まで)
石塚朱莉、悪い芝居『罠々』に出演!
チケット発売中 Pコード:456-371
悪い芝居vol.19『罠々』
[作・演出]山崎彬
[音楽]岡田太郎
[出演]渡邊りょう/山崎彬/野村麻衣/植田順平/中西柚貴/北岸淳生/畑中華香/長南洸生/東直輝
川人早貴/松尾佑一郎(以上、悪い芝居)
石塚朱莉(NMB48)/緒方晋(The Stone Age)
【大阪公演】
▼4月8日(土)18:00
▼4月9日(日)13:00/18:00
▼4月10日(月)19:00
▼4月12日(水)19:00
▼4月13日(木)14:00/19:00
▼4月14日(金)19:00
▼4月15日(土)13:00/18:00
▼4月16日(日)13:00
HEP HALL
※4/11(火)=休演
【東京公演】
▼4月18日(火)19:00
▼4月19日(水)19:00
▼4月20日(木)14:00/19:00
▼4月21日(金)19:00
▼4月22日(土)13:00/18:00
▼4月23日(日)13:00
東京芸術劇場シアターウエスト
[前売]
一般-3900円
U25-3000円
高校生以下-2000円
[悪友割]
一般-3500円/人
U25-2500円/人
高校生以下-1000円/人
※U25(25歳以下)・高校生以下は、要証明。
※当日券は前売料金+500円。
※悪友割 … 3人以上1組割引。事前予約のみ。枚数限定。
2016年7月、京都の劇団・悪い芝居の『メロメロたち』に出演し、女優として初舞台を踏んだNMB48の石塚朱莉さん。役者としての第一歩を踏み出したばかりの彼女が、さらなる高みを目指すべく、脚本家や演出家など演劇界の諸先輩方に「演劇のいろは」をお聞きします!
今回は、関西を拠点に舞台や映像で活躍する劇団Patchの中山義紘さん、松井勇歩さんのお二人に登場していただきました。2012年の旗揚げ当初は、メンバーのほとんどが演技未経験からスタートした劇団Patch。これまで9回の本公演を重ね、右肩上がりで成長を見せてきた先輩たちに、同じく関西を拠点に活動する集団としての思いから、舞台への取り組み方、次回作の話などをお聞きしました! 後編をどうぞ。
芝居を好きになったきっかけ
石塚
お二人は何で劇団Patchに入ったんですか?
松井
僕は舞台を観たことすらなかったけど、縁があってオーディション受けたんですよ。お芝居をちゃんとやっていこうと思ったのは、入団から2年後くらいかなぁ。
石塚
その時点で舞台をやり始めてますよね。
松井
でも、自分は舞台をやっていくんやって強く思ってたわけじゃなくて。ただ楽しいことを一番にやっていこうと思ってたら、いろんな壁にぶち当たったんですよね。それで、末満さんについていってたら、気付いたらお芝居が好きになってた。
石塚
好きになったきっかけは何かあったんですか?
松井
第2回公演のときに劇団内でオーディションを受けたんですけど、役をもらえなかったんですよ。それが結構ショックで辞めようと思ったんですけど、そのときお世話になってた人から「辞めるなら“あいつ残っといてほしかったな”って思われるくらいの何かを残してから辞めるべき。じゃないと、今後何をやってもダサいまんまやで」って言われたんですよ。僕負けず嫌いやから、“ほんならやったろうやないか!”って(笑)。
石塚
復讐から始まったんですね!
松井
そうそうそう、復讐!(笑)。
中山
それはちゃうやろ(笑)。
石塚
復讐というか……“何言うてくれてるねん!”っていう。
中山
反発心ね(笑)。
松井
それで、誰よりも台本を読み込んでセリフを全部覚えて、稽古も毎回出ていたんです。そしたら、本番の3~4日前くらいに一人が舞台に出られなくなったんです。その時点で、そこに入れるのが僕しかいなくて。
中山
稽古に真面目に来てたし、セリフも入ってたしな。
松井
それでもう一回みんなで作り直して、気付いたら本番が終わってて。カーテンコールでお客さんに喋ってるときに、出演できたことにすごくうれしい気持ちを持ってることに気付いたんです。そこから、この気持ちをもっと突き詰めていこうと思ったんですよ。中山に関してはずっとお芝居が好きやったんもんね。
中山
僕はお芝居を勉強できる高校に入って、大学も大阪芸術大学の舞台芸術学科でミュージカルを4年間、学んだんです。それで、卒業した年に劇団Patchのオーディションを受けたんですよ。
石塚
皆さん経歴はバラバラなんですね。
中山
最初15人いた中で、お芝居経験者は僕しかいなかったですね。
劇場の大きさによる“見せ方”
石塚
中山さん以外の方が、何も知らないところからスタートして。そこから森ノ宮ピロティホールでも公演されましたもんね。
松井
2015年の『幽悲伝』やね。ピロティで芝居できたときは感慨深かったな~。
石塚
お芝居している人がみんな目指しているところの一つというか、やってみたいなと思う会場の一つではありますよね。
松井
最初の目標地点ではあったよな。
中山
僕らはピロティホールの稽古場を使わせていただいて、お芝居とかイベントをやっていたので、“いつかメインホールでやるぞ!”って思ってました。
石塚
念願の公演だったんですね。でも、4月に上演される『羽生蓮太郎』はインディペンデントシアターという小劇場で。客席と近くて、一体感がある空間ですよね。そういう点で、見せる上での意識の違いはありますか?
松井
僕らがやることは劇場の大きさに限らず一緒なんですけど、お客さんにとっては、全然違いますよね。距離が近いから、お客さんも緊張して観てくれる部分はあると思う。前列やったら汗とかも飛んでくるやろうし。しかも今回、挟み舞台といって、舞台の両サイドに客席を設置するんですよ。160人のキャパのお芝居でも、80人と80人に別れるから、後ろの席でも近い距離で観られる。
中山
あ~、そうやなぁ。僕らもめっちゃ近いから、より緊張感高まりそうやな。
石塚
お客さんからするとそんな近い距離で観られるのはうれしいですよね。熱量は劇場の広さに限らず同じだと思うんですけど、声の張り方とか身体の動かし方で、心がけていることはありますか?
中山
振り向くという一つの動作があったとしても、劇場の広さによって見え方が全然違うから、見せ方は劇場の広さに合わせてちょっと大きくしてみたりという感じで作っていってますね。最後列のお客さんをどれだけ楽しませられるか、どれだけパワーを届けられるかというのは、大きな劇場になるとより大変になると思うから、それは一番大切にしています。
石塚
なるほど~。今回は、より近くで楽しんでほしいですね!
二人の次回出演作について
石塚
Patchさんの新作『羽生蓮太郎』は、どんなお芝居になるんですか?
松井
シェイクスピアの『ハムレット』を下敷きにしたお芝居なんですよ。四大悲劇の一つで、救いようのないお話なんですけど、それを今回『羽生蓮太郎』というタイトルでやります。ハムレットの語感を日本語に置き換えたら羽生蓮太郎(はぶれんたろう)になったという。
石塚
ほ~。リンゴを「アップル」って言う感じですか?
松井
う~…うん!(笑)。
中山
ちゃうちゃう!(笑)。響きが似てるというか。
松井
ハムレットの友人のホレイシオだったら布袋昌吾(ほていしょうご)みたいな。
石塚
あ~!なるほど!
松井
原作は昔のデンマークの話なんですけど、昭和45年の大阪に置き換えていて。その年は万博が開催された年で、テレビでよく流れるような昭和のイメージ。『ハムレット』を題材にしているから、悲劇の話かと思われるんですが、演出の末満さんにも「隙があれば笑いを取るくらいの勢いで芝居してほしい」と言われてるんですよ。僕ら関西人だけの劇団で、今回はコテコテの関西弁で演じるので、僕らならではのお芝居ができると思います。それでいて、『ハムレット』のシリアスな流れもちゃんと汲んでいて。
中山
そうやな。
松井
『羽生蓮太郎』っていうタイトルやから羽生蓮太郎が主役ではあるんやけど、どの役にもちゃんと個性があって、それぞれにスポットが当たる感じです。
石塚
あ~、そうなんですね。劇団Patchさんならではというか。
松井
劇団らしさはいつも以上に出せると思う。
中山
僕は日替わりキャストとして1日だけ出演します。
石塚
中山さんは9月に大阪松竹座で大竹しのぶさん主演の『にんじん』に出られるんですよね! それもまたスゴイ!
中山
秋元才加さんの婚約者の役をやらせていただくんですけど、ほんまに、自分が名前を入れてもらっているのが不思議なくらい、錚々たる方々に囲まれて…。すごいチャンスをいただけたという思いでいっぱい。それこそ、“劇団Patchにお客さんを連れて帰るぞ!”という意気込みでやりたいと思うし、“中山義紘っていう役者がここにいるぞ!”という証明をしたいので、すごく気合いが入っています。
対談を終えて、お互いの印象
松井
いやもう、最高に楽しかったです!(笑)。僕らの場合、年齢が近い人にインタビューされることってあんまりないやん。
中山
あ~、ほんまやね。初めてやなぁ。
松井
同じ職種の人やし。年下の方にインタビューされることがなかったもんね。
中山
うん。だからエラそうに答えてきたけど、俺らも全然大したことないし(笑)。
松井
いや、ほんまに。
中山
僕は、悪い芝居の『メロメロたち』観に行ったんですよ。
石塚
あ! すいません…(照)。
中山
謝ることじゃないですよ(笑)。初舞台ですよね。
石塚
初舞台です。
中山
それなのに、NMB48で場数を踏んではるからどっしりと構えてはって、アイドルならではの華もあるし。自分の武器をちゃんと活かしてはるなと思ったんです。だから、あの舞台を観てすごく勉強になったことも多くて。今回、こうやってお話させてもらえたのは楽しかったですし、関西を拠点とする集団として、一緒に頑張っていきたいですね!
石塚
言い方が悪くなってしまいますが、最初、すごく勝手な印象を抱いていて…。お二人共、ちょっとチャラい人たちなのかな~っていうイメージだったんです(笑)。でも、すごくしっかりとした芯があるというか。関西の同世代の方に、いろんなお話が聞けてすごくうれしかったです!
松井
実はチャラチャラしてないんです(笑)。
中山
ちゃんと真面目にやってますからね!(笑)
石塚
もちろんです! そうだと思っていましたけど、肉眼で確認できてよかったです。
松井
肉眼!(笑)
中山
肉眼が一番ですね! だからね、生で劇場に足を運んでもらいたいっていことですよね。
石塚
そうですね! 目指すところは一緒ですし、役者として、いつかどこかでご一緒できたらいいなと思います。今日はありがとうございました!
第4回は3月下旬更新予定です。
取材:石塚朱莉(NMB48)
撮影:奥田晃介(松鹿舎)
文:黒石悦子
企画:葛原孝幸
企画・構成:岩本和子
取材協力:株式会社ワタナベエンターテインメント