これ以上の表現がないってくらいの、チームのアイディアと挑戦

ついに…！The 1975日本国内全5公演を巡る単独ジャパンツアーが、東京ガーデンシアターを皮切りにスタート。大阪はファイナル、大阪城ホールにやってきます！イギリス・マンチェスターで結成して20年、キャリア最高潮を迎えるThe 1975の単独公演は2016年以来。昨年サマーソニック2022ヘッドライナーでの記憶も新しい中、どんなショーで我々を放心させてくれるのでしょうか…！？

The 1975のライブは、なんといっても革新的な演出が見どころ！ということで、今回のゲストは、海外アーティストのステージデザインに注目し、独自に研究している？！ロックバンド・My Hair is Badのマネージャー・うーさんをお迎えします！しょっちゅう音楽談義をしてる仲です。（笑）ショーの内容にがっつり触れてるので、前情報なしで楽しみたい方はここでストップ！ライブをいろんな視点で楽しみたい方はぜひ想像しながらお楽しみください★

ばん：そもそもThe 1975を知ったきっかけって？好きになったのはどんなタイミングだったんですか？

うーさん：実は正直に言うと、実際にライブを観るまでは「曲は聴いたことがある」というくらいで…深く追ってはなかったんですが、2022年のSUMMER SONIC OSAKAで実際にライブを観た時、そのステージのあまりの素晴らしさに衝撃を受けて、一気に引き込まれました！1975フリークスのばんさんにはちょっと申し訳ない気持ち（笑）

ばん：去年のサマソニはほんっと最高値叩き出してたな～。私が初めてライブ観たのは大阪での初単独2014年梅田クラブクアトロで。まさかこんなビッグなバンドになるとは（笑）来日は全部観てきたけど、毎回進化がすごくてどのライブもちゃんと記憶に残ってる★

今回のジャパンツアーは今までとはちがうホール規模なわけで！バンドのSNSでワールドツアーの内容がほぼ毎公演公開されてるし、なんなら配信もしてたから(マディソンスクエアガーデンやっけ？！)期待感がかなり高まってる！会場によって変わってくるところもあるかもやけど！

うーさん：マディソン・スクエア・ガーデンの配信は本当に素晴らしかった！！！
ツアー開始前に(Vo.)マシューがSNSで、TALKING HEADS「STOP MAKING SENSE」のツアーパンフレットの写真をアップしてたので、個人的にはThe 1975チームなりに SMSを解釈・再構築したステージなのかなと想像しました。

街灯と、徐々に家の明かりが点いてメンバーがステージに現れる冒頭の「The 1975」から、最後の「Give Yourself a Try」でブレーカーを落としてライブを終えるまで、「家」というモチーフならではの演出を使って、《全編通して完璧なストーリーを作り上げてた！》

今、海外フェスや日本のアリーナ公演では大型LEDを使うのが主流になっている中、新しい機材や手法でなく、2022～2023年にこのステージセットメインというクラシックなやり方を選ぶセンス！！

前回のツアーの演出とは全く違うベクトルのことをしていて驚いたし、このセットの世界観は新譜『Being Funny In A Foreign Language』の「シンプルなバンドサウンド」のコンセプトとも完全に合致していて、これ以上の表現がないってくらいのThe 1975チームのアイディアと挑戦に脱帽しました。

ばん：サマソニでのインタビューで(Vo.)マシュー本人がアルバムのイメージは「ありのまま、自然体」って話してくれてて、バンドの楽しさが伝わってくるなぁと感じる作品なんやけど、ステージでの表現はとことん追求されてる印象！

うーさん：アリーナクラスのライブになると空間の隙間を埋めるように演出が作られることが多くなるけど、過去映像を見てもThe 1975は隙間を生かしながらライブ全編に緩急を作っているし、曲と共存する演出がされていてとても勉強になります。

クリエイティブ面に携わっているステージデザイナーのTobias Rylanderとの相性が凄い！！

メンバーの衣装から、曲中に使用している照明の色味まで、全てにおいてクラシックであることをテーマに置いている美学も感じられました。あとステージセットのサイズ感がすごく絶妙で、こじんまりとして見えないけど、バンド感が薄まるほど大きすぎず、凄く気が利いている…

自分もステージセット使った演出考えてみたい、とまんまと思ったので（笑）今後もしかしたら世界中のいろんなバンドがこのツアーのセットを参考にするんじゃないかなとも思う！

ばん：The 1975はアルバムごとにアプローチを変えてくるのにもワクワクさせられて、そのたびに影響受けてるなと感じる日本のロックバンドもかなり多い！チームの総合力が大きいのは言わずもがな、裏方という立場から見てロックバンドを魅了するワケはどこにある？！

うーさん：サマソニでマシューがタバコを吸いながら歌っている佇まい、パフォーマンスを観た時に、これが全てだなって思いました。

ばん：くぅぅーっ（笑）マシューのカリスマ性は生で観てこそよね。そのほかライブの楽しみは？！

うーさん：何より名盤『Being Funny In A Foreign Language』の曲を生で聴けること！そしてこの緻密なステージ演出を実際に体感できること。生のライブを観てどんな気持ちになれるのか。新しい感動に出会いたいな～。本当に楽しみです！

ばん：後日語り合うために1日ちょうだい。（笑）

うーさん：ちなみに先日アカデミー賞で話題になった映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」のテーマ曲「This Is A Life」にTALKING HEADSのボーカルDavid Byrneが参加してますが、エブエブ製作会社のA24から4Kレストアされた「STOP MAKING SENSE」が今年劇場公開されることが先日発表になりました！

日本でも公開されるのかな？詳細はまだだけど、(Vo.)マシューは色々なインタビューでDavid Byrneの名前もあげていたりインスピレーションを受けてるので、The 1975ファンも彼のエッセンスを感じられて楽しめると思います。この機会にぜひ！

The 1975 At Their very best - Japan 2023
▼2023年4月30日(日)　OPEN 17:00 / START 18:00
大阪城ホール
https://www.creativeman.co.jp/artist/2023/04the1975/

 

【ゲスト：うーさん】
My Hair is Badマネージャー＆ステージディレクター

【ちなみに…教えて？！】
●はじめて観た来日アーティストのライブ
友達のお母さんが熱狂的なファンで、一緒に連れて行ってもらった2004年deep purpleの金沢公演

●心に残ってる来日アーティストのライブ
2022年SUMMER SONIC。3年ぶりに体感した海外アーティストたちのライブの感動は忘れられない…
2012年 新木場STUDIO COASTでのTHE POGUES

●今後日本に来て欲しいアーティスト
David Byrne、boygenius、Jon Batiste

●最近のお気に入りの洋楽曲、洋楽アーティスト
Cat Burns、Olivia Dean、Adi oasia