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ホームカミングス…福富優樹(g)、石田成美(ds)、畳野彩加(vo&g)、福田穂那美(b)。京都を拠点に活動する4ピース・バンド。The Pains of Being Pure at Heart、Mac DeMarco、Julien Baker、Norman Blake(Teenage Fanclub)といった海外アーティストとの共演、3度に渡る「FUJI ROCK FESTIVAL」への出演など、2012年の結成から精力的に活動を展開。2016年2ndフルアルバム『SALE OF BROKEN DREAMS』、2017年に5曲入りEP『SYMPHONY』をリリース。同年新たなイベント「New Neighbors」をスタート、Homecomingsのアートワークを手掛けるイラストレーター”サヌキナオヤ”氏との共同企画で彼女たちがセレクトした映画の上映とアコースティックライブを映画館で行っている。FM802「MIDNIGHT GARAGE」での月1レギュラーコーナーは3年目に突入、2018年4月から始まった京都αステーションでのレギュラー番組「MOONRISE KINGDOM」は毎週水曜23:00放送中。また4月21日全国ロードショーとなった映画「リズと青い鳥」の主題歌を担当。2018年10月24日待望のサード・アルバム『WHALE LIVING』をリリース。
オフィシャルサイト
http://homecomings.jp/
Homecomings & NIGHT FLOWERS
UK TOUR APRIL 2019
▼4月2日(火)
イギリス・ロンドン The Victoria
▼4月3日(水)
イギリス・バーミンガム The Sunflower Lounge
▼4月4日(木)
イギリス・シェフィールド Delicious Clam
▼4月5日(金)
ウェールズ・カーディフ The Moon
▼4月6日(土)
イギリス・ハル The Polar Bear
Homecomings「SLOW SUMMITS」
【東京公演】
チケット発売中 Pコード:143-281
▼4月20日(土) 18:30
東京キネマ倶楽部
オールスタンディング-3500円(ドリンク代別途必要)
※小学生以上はチケット必要。未就学児童は保護者同伴に限り無料。学生は当日会場にて500円返金。要学生証。
[問]ホットスタッフ・プロモーション
■03-5720-9999
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【大阪公演】
チケット発売中 Pコード:143-264
▼4月26日(金) 19:30
umeda TRAD(前umeda AKASO)
スタンディング-3500円(整理番号付、ドリンク代別途要)
※未就学児童は保護者同伴に限り無料。公演当日、学生は学生証提示で500円返金。
※販売期間中は1人6枚まで。
[問]SMASH WEST■06-6535-5569
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イギリス五日目
ニュー・オーダーとバズコックスで踊り狂った夜から一夜明けて、とても天気がいい朝。この日のホテルはなんと朝食バイキングがつくというので朝から4階分の階段を降りて食堂へ、豆とウインナーと卵とパン、そしてシリアルに果物というこれぞイギリスというメニュー。うすうす気づいてきたけどイギリスのウインナー超うまい。グリーンアップルも爽やかな味で美味しい。
出発までまだ時間があったのでシェフィールドの町を一人で散歩。イギリスももう4日目。なんとなく聞き取れる英語も増えてきたし、一人でふらふらするのも全然OKになってきた。シェフィールドの町はとてもおもしろくて、町の色んなところに観覧車や空中ブランコ、メリーゴーランドなんかがあって(しかもひとつひとつのアトラクションがかなり大きい)、歩いているだけでワクワクしてしまう。路面電車が走っているものいい。路面電車なぜか変な愛着があって、3歳まで暮らしてした大阪にも高校までを過ごした石川にも存在しないものなのに、幼少期の思い出に路面電車に乗っている風景がある。いっちょ乗ってみよっかな、とも思ったけど結構混雑しているみたいだったのでやめておいた。この散歩の目的地はバイナル・ジャンキーズという名前のレコード屋さん。ライブハウス兼レコードショップになっていて、地元の有名なお店らしかった。前日に覗いたHMVは新品のレコードだけを扱っていて値段はだいたい15ポンド~25ポンドぐらい、1ポンド160円ぐらいなので新品の相場は日本とそんなに変わらない感じ。サム・スミスのファーストがセール品になっていて10ポンドで売っていてちょっと迷ってしまった。
遊園地みたいな町を眺めながらバイナル・ジャンキーズへ。途中の路地にコミックショップや日本のカードゲームを扱うお店があったので中を覗いてみたりもした。お目当てのバイナル・ジャンキーズは思っていたより新品のレコードが多めで、ちょっと期待はずれ。でも店内の雰囲気や置いてあるレコードのセレクトはかーなり最高。グランダディの大好きなアルバムのレコードがスリーブも値札もなく置いてあったので店員さんに値段を聞いてみると、「うーんわからんけど多分20ポンドぐらいちゃう?」とのことだったのでちょっと迷ってやめた。新入荷のコーナーにスティーブン・マルクマスの新譜が置いてあって嬉しかった。片っ端からレコード観てたらあっという間に集合時間に近づいていたので、なんとなく近道っぽいコースでホテルに戻る。こういうときに大学生の頃ピザ屋のバイトで身につけた「ひと目見ただけで地図と目的地までのコースを暗記する」という能力がめちゃくちゃ役に立つ。潰れてしまったピザリトルパーティ高野店に少しだけ思いを馳せた。
今日はイギリスを離れてウェールズのカーディフという町へ。ウェールズは大好きなロス・キャンペシーノス!やゴーキーズ・サイケデリック・マンキの故郷で、ライブができてとても嬉しい。台湾もイギリスもウェールズもせっかくライブできるのだったら、ただ単に演奏して帰るだけじゃなくてちゃんとその場所や国の歴史をちょっとでもいいから知ってみよう、と最近思っていて、今回もウェールズとイギリスの関係や歴史なんかを日本でざっと調べていた。どんな街なんだろうとワクワクした。
シェフィールドから車で3時間ほど行くと、周りはずーっと先の方まで緑に囲まれたのどかな風景になる。ピンク・フロイドのジャケットや『ベイブ』のような風景。たまにでてくる家屋もとても古い感じがして可愛い。どんな暮らしをしているんだろう。
途中で寄ったサービスエリアにはサブウェイやバーガーキングといった日本でも馴染みが深いお店がたくさん入っていて、それぞれ日本のメニューとの違いを見つけるのが楽しい。バーガーキングはあまり変わっているメニューはなかったけれど、ケンタッキーはラップやサラダの種類がとても充実している。ツイスターが1ポンドとやたら安くて(日本だと270円ぐらい?)思わず注文してしまった。これがびっくり超最高。見た目は日本のツイスターと変わらないけど、ソースがとてもスパイシーでなんとチーズまで挟んである。野菜も多いし、チキンも大振りだ。これで1ポンドってのは安い。
サービスエリア
カーディフはウェールズの首都にあたる町で、海の近くの賑やかな町。ご飯屋さんやお土産屋さんに服屋やHMVのようなお店もたくさんあって今までの町のなかで一番都会といった感じ。ホテルから会場に向かう途中には大きなお城があって観光地にもなっているようだった。お城の近くのお土産屋さんでメンバーそれぞれのイニシャルが入った木製のキーホルダーやカーディフ名物!と描いてあったチョコレートをいくつか買った。カーディフと書かれたTシャツや置物なんかがたくさんあって、京都のお土産屋さんも海外から来た人からしたらこんな風なんだろうなと思った。こりゃわくわくするし、いらんものも買っていしまいそうになる、というかイニシャル入りのキーホルダーがすでにそうなのかも。でもそういうものを買っちゃうのが楽しい旅の証拠だ。
ライブハウス周辺の壁
この日の会場のThe Moonはこれぞパブ!という場所で、リハーサルの時点でお客さんがたくさん店内でビールを飲んでいた。思い描いてた海外でのライブってこんなかんじだ。リハーサル後にはナイトフラワーズのみんなと近所のお店で晩ごはん。2日目にぼくが食べて超感動したジャケット・ポテトという食べ物をみんなで食べた。ジャケット・ポテトはイギリスの伝統的な家庭料理でグリルしたどでかいジャガイモにチーズやチリ、マッシュした豆がかかっているもの。これが本当に美味しい。今のところイギリスで食べたもので美味しくなかったものがほとんどないし(深夜のスーパーで買ったお惣菜はBADだった)、ジャガイモ料理がたくさんあって僕にとっては天国のような場所だ。味付けも濃すぎずちょいど良い。ご飯があんまり美味しくないよー、と言われていたので、もしかしたらここ10年ぐらいで美味しくなったのかも、それか僕たち4人がおかしいのか。とにかくご飯がとても美味しくてそれだけでとても楽しい。
ライブハウス内に掲示されていた路線図。駅名がすべてアーティスト名!
ライブは21時半すぎからスタート、今日の会場もお客さんがたくさんでなにより温かい、リアル・スシ〜ジャケット・ポテト〜ハシエンダ is HereというMCの流れも固まってきた。せっかく色々な町を回るのだから、その土地その土地のことを話そうと思って事前に調べたり、空いた時間があれば散歩したりするように心がけていて、そうするとやっぱりみんな喜んでくれて嬉しい。みんな自分の町のことが好きみたいでいい感じ。どの会場でも一曲一曲が終わるたびにバカでかい歓声が鳴ってとても気持ちがいい。いい演奏ができる気がする。この日のナイトフラワーズも最高。だんだん寂しくなってきた。
終演後はパブでみんなでお酒を飲んだり踊ったりして楽しんだ。UKパンクがたくさん流れるお店で綺麗なお姉さんやクールな男の子と一緒にバズコッススやオンリーワンズ、クラッシュの曲で踊った。超楽しかったし、映画で出てくるような光景の中に自分たちがいるのがなんだかとても不思議な気持ちになった。本当に自分がいまUKツアーをしているんだなぁとしみじみ感じた。僕以外の三人は地元のパンクな女の子と仲良くなって写真を撮ったりお酒を飲んだりもしてて、本当に夢のような夜だった。
text by 福富優樹