イギリス四日目

UKツアー4日目。朝からすごい雨だった。泊まったホテルのシャワーが決まった量しかお湯が出ないタンク式のホテルだったみたいで、私はギリギリぬるま湯が出るくらいだったけど私の次にシャワーしたなるちゃんはほぼ水だったらしい。かわいそうに朝から寒そうにしていた。そして、11時すぎにヒラリーがいつものように元気に迎えに来てくれた。ヒラリーはいつもカラフルな服装をしていてとてもキュートでチャーミング。イギリスの下道はあまり整った道がなくて、ちょっと車酔いしてしまうけどいつも車内はヒラリーの明るい話し声が飛び交っている。

ホテルを出てNight Flowersが泊まっていたという昨日のイベントの主催者であるKushikatsu Recordsのアラン家にお邪魔した。日本が好きらしく、奥さんが嵐の大ファンだった。家には猫が2匹いて、1匹は『二宮』という名前だった。嵐の中でも二宮が好きらしい。ちなみに私も二宮ファン。部屋には鉄人28号や他にもロボットが沢山飾ってあったり、嵐グッズゾーンがあったり、海外独特の壁紙の色ですごく可愛い家だった。トイレには私たちのポスターも。猫アレルギーなので二宮には触れなかったけどすごくふわふわしてグレーがの毛が可愛い猫だった。

アランの家を出て、Sheffieldへ。Night Flowersと2台の車で出発して、さあ行くぞって時にとみーが携帯をなくしたと言い出した。いつものことだ。結局アランの家まで全員で戻って探したが荷物の中に入っていただけだった。ほんとにもお。再出発し、パーキングエリアでみんなでご飯を食べた。みんなそれぞれ好きなものを買って食べ、私は迷いに迷ってバーガーキング。味は日本と変わらず美味しかった。グレッグが“GREGGで買ったよ”とジョークを言いながら私たちにソーセージパンをプレゼントしてくれた。グレッグは本当に素敵な人だ。お昼を済ませて再び移動。お腹いっぱいになってしまったので全員ぐっすり眠った。気がつくとSheffieldに到着していた。他の地域に比べて建物が入り組んでいる街だった。ホテルはすごく綺麗で、目の前には映画館があった。チェックインして一旦休憩できると思った矢先にエレベーターが壊れてるとフロントの女の人から言われた。私たちの部屋は4階(イギリスでは一階を0とカウントするので実際は5階)重い重いスーツケースを抱えて階段でなんとか登った。どっと疲れた。けど、ライブハウスはホテルから歩いて6分くらいのところにあるので1時間ほど休憩できた。それぞれゆったりと時間を過ごした後、18時すぎにホテルを出て、街を探索しながらDelicious Clamへ。Sheffieldは坂が多くて建物を見下ろせる場所もある気持ちのいい街だった。路面電車が小さな橋を渡れるようになっていて、古い建物が立ち並んでいた。15分ごとに鐘が鳴る時計台のようなものが建っていて、BirminghamやLondonとはまた違った雰囲気。

そして、Delicious Clam到着。超DIYな空間だった。二階が楽屋になっていてドラムやギターやLaneyのビンテージアンプがあったりして、レコーディングスタジオみたいな場所だった。ヒラリーの彼氏ジョシュがたくさんのモデュラーやアナログシンセを何故か持ってきたらしく皆んなでセッションタイムが始まった。

夕食はライブハウスのオーナーさんが近くのカレー屋さんでご飯を用意してくれて、それがまたすごく美味しい本格カレーだった。今度はお店で食べてみたい。

1バンド目に出ていたSheffieldのバンド“Mother Night”がちょっと懐かしい感じがしてすごく良かった。今回はドラマーが不在らしく2人編成で演奏だったらしい。音源は持ってきてなかったみたいでSpotifyでなら聴けるっぽい。バンド編成もいつか見てみたいな。小さめなライブハウスだけどお客さんは皆んなあたたかく迎えてくれて、全員と友達になれそうなくらい一体感があった。Night Flowersやヒラリー、ジョシュともだいぶ仲良くなれてきて、ライブ中知ってる顔が見えてすごく安心できる。Night Flowersのライブも相変わらずとても良かった。ツアーでお互いどんどん良くなってるなーってことを実感した。あと2日で終わるのかと思うと急に切なくなってきてちょっと泣きそうになってしまった。ライブ終演後は会場BGMに合わせてダンスタイムが始まった。Night Flowersのメンバーは本当に優しくてユニークな人たちで、こっちのおふざけにも合わせてくれたり楽しませてくれた。

London、Birminghamとはまた違った良さがあってSheffieldの夜でグッと皆んなの距離が縮まったような気がした。お別れするのが寂しくなってしまいそう。明日明後日はロングドライブらしいのでヒラリーのお喋りもたくさん聞けそうだ。明日も楽しみだな。

text by 畳野彩加