イギリス三日目

イギリスについてから、ベッドに入るといつ眠ったかもわからないまま、気が付いたら朝になっている。疲れているのか、まだ身体が時差になれないのか、夕方ごろになると（日本では深夜）どんどん瞼が重くなる。

朝は8時に起きて、支度をして、10時過ぎに4人で朝ごはんを探しに街へ出掛けた。南ロンドンを散策できるのはこの旅では最後？　3日目ともなると、ホテルの近くは少しだけ見慣れた風景になった。出発まであまり時間がなくて、私とほなちゃんはホテルの下のCOSTA（チェーンのコーヒー店）で、ぽんちゃんと福富さんは道を挟んで向かいのメルズカフェ（福富さんはチェリーパイの美味しさに歓喜してた。）でそれぞれ朝食をとった。バナナとナッツのパウンドケーキが美味しくて、一緒に頼んだラテはスタバのグランデサイズよりも大きい！　レジをしてくれた店員さんが、最近観た「13の理由」に出てくるスカイにちょっと似ていて一人心の中で喜んだ。

11時にチェックアウトして、待ち合わせまでの30分の間に向かいの古着屋さんで茶色いスカートを買った。ぽんちゃんは昨日どうしても忘れられなかったジャケットとジーンズ。福富さんも昨日この店で春のコートを買ってた。（ほなちゃんもこの旅で何か見つかるといいね！）お店のBGMはマックデマルコ。店員のお姉さんも鼻歌で唄ってた。こっちの人はよく鼻歌を唄ってる。11時半になって、この旅でドライバーをしてくれるヒラリーが迎えに来てくれた。ヒラリーはカラフルなファッションがとても似合っていて、話し声が可愛い。（彼女もバンドをやっていて、キーボードを担当しているそう！）ヴァンに荷物を積んで、いよいよバーミンガムへ。高速までの道はでデコボコしていて、少し酔った。バーミンガムまではだいたい2時間とちょっと。高速に乗ると街の景色が少しずつ変わってくる。途中寄ったPAは日本とあんまり変わらなかった。

バーミンガムはロンドンより家の煉瓦の色が濃い気がする。今夜演奏するライブハウスthe SUNFLOWER Laungeは駅の近くで、昨日までいたハックニーよりも栄えた場所にあった。リハーサルまでの間に、みんなでnostalgia＆comicsというお店に行った。店内は日本の漫画やアメコミがずらりと並んでいてすごくおもしろい！　2階はスーパーマンやスパイダーマンなどの人気の作品やインディーな作家の作品がレコードショップみたいに陳列されていて、ひとつひとつ見るのが大変だった。友達へのお土産もばっちりゲットできた。リハーサルを終えて、少し遅めの昼食。今日のイベントの主催はKUSHIKATSU RECORDSのアレンで、彼は以前日本でのライブにも遊びに来てくれいていた。その時もいつかイギリスにHomecomingsを呼びたいと話していて、それが実現したなんてほんとうにすごい！ケータリングはアレンとアレンの奥さんが手作りしてくれた軽食で、スパイスが効いたクスクスやラタトゥイユ、豆のパテ？、小さい玉ねぎのピクルスとサンドイッチ。（バケットが用意してあって自分で好きな大きさにちぎって持ってい行くなんていちいち洒落てる…）好きなだけお皿に持って、上のバーでNight Flowersのみんなと一緒に食べた。

オープニングアクトのThe Sunset Beach Hutはとっても若いバンドで初々しくてすごく可愛らしかった。後で聞くと、昨日ギターのメンバーが抜けてしまったらしく、急遽ドラムの男の子がアコギを弾いて、アコースティックセットでのライブになったそう。それでもドラムの男の子は他のメンバーを引っ張るように明るく振舞っていて、それを見ているとなんだかすごくグッときた。バーミンガムのお客さんは少しシャイだったけど、福富さんのMCは“ジャケットポテト”に救われた。なんか英語上手になってきたね。

ライブのあとは、Night Flowersのヴァン（普通に立っても頭が当たらないくらい天井が高い！）でホテルまで送ってもらった。帰ったころには24時前で、あたりのお店はどこも開いていなくて、近くのスーパーでレンチンできる夕飯を買った。ぽんちゃんはカレー、ほなちゃん福富はボロネーゼ、私は中華そば。これがビックリするくらい美味しくなくて、仕方なく日本から持ってきたおにぎりせんべいとしじみの味噌汁で済ませた。日本のお惣菜ってレベルが高いんだなぁと痛感した。明日は美味しいものが食べられますように、と願ってベッドに入った。おやすみ。

text by 石田成美