イギリス二日目

朝10時に起きだして朝の支度。ぽんちゃん（畳野）は先に起きていたのでとみさんと朝ご飯を食べに行きがてら散策へ。2人がPercy Ingleというパン屋さんで買ってきてくれた砂糖がまぶしてある揚げパンは、中には甘すぎないクリームとブルーベリージャムが挟んであってとても美味しかった。なるちゃんはコーヒーを欲しがっていた。

準備が終わってから改めて4人でホテルの周辺を散歩。夜の街の雰囲気とはまたがらっと変わって、たくさんの人が行き交っていて、本当にみんなここで生活しているんだなというのを実感できた。どこを見ても建物が可愛くて、家の窓を外から眺めながら、本当に人が住んでいるんだろうかという気持ちになる。こっちの木はとても背が高い。何もかもが絵になる。

ホテルの近くにあったPaper Dress Vintageという古着屋さんは値段もお手頃で、ぽんちゃんはさっそく可愛いニットやシャツなどを見つけて購入。お店は2階建てで、2階にはドラムセットやアンプが置いてあり、時々ライブなどを催しているみたいだった。レジ兼バーカウンターになっているのが印象的だった。鮮やかなオレンジの髪の店員さんが可愛かった。そのあと、昨日の夜街でばったり会ったTome Recordsというレコード屋の店主さん（グレッグのお友達）のお店へ。そこで、別行動だった小山内さん（セカロイのオーナー）と翁長さん（ツアーマネジャー）に遭遇。お店のトートまでばっちり買っていた。めっちゃジャケットが可愛い4ポンドのレコードを買うか迷って、でもせっかくイギリスに来たのにスウェーデンのアーティストのレコード買うのもなぁと思って結局やめた。名前くらいメモっておけばよかった。

グレッグに昨日教えてもらったフィッシュアンドチップスのお店Sutton and Sonsでお昼ご飯。注文するときにCodという単語の意味がわからなかったけれど、あとから翁長さんに聞いてみるとタラのことだった。私はグリルﾄﾞフィッシュというのを頼んでみたけど、予想外に普通の焼き魚が出てきた！　少し不安になりながらも食べてみたらとても美味しかった。とみさんはミートパイ、なるちゃんとぽんちゃんはCod。みんなのも少しずつもらったけど全部美味しかった！　つけ合わせがサラダ、チップス、マッシュポテト、ニューポテトズというのから選べて、チップスがあるのをわかっていなくて、それぞれマッシュポテトとニューポテトズというのを頼んだ。マッシュポテトはバターが効いていて、ニューポテトズはそのまま新じゃがのことで、小さいサイズのジャガイモが半分に切られたのがたくさん！　じゃがいも好きの私ととみさんは大喜び！　とみさんがイモにイモをペーストして食べていたのにはさすがにびっくりした。イギリスは美味しいものがないとよく聞くけど、今まで食べたもの全部美味しかったし、また少しイギリスの印象が変わった。

バスに乗ってライブ会場のThe Victoria Dalstonへ。オイスターカードという日本で言うSuicaとかICOCAみたいな感じでお金をチャージしてバスや地下鉄に乗れるのだけど、私はそれをホテルに忘れてきてしまって現金で払おうとしたら無理だった！　オイスターカードか、かざして払えるタイプのクレジットカードしか使えないようだった。あたふたしていると「もういいよ」って感じで運転手さんが入れてくれた。申し訳ない。

会場のThe Victoria Dalstonはパブの奥にライブハウスがある作りになっていて、夜になるとお店の席はすべて埋まる勢い。みんなくつろぎながらお酒を片手におしゃべりしていて、楽しそうでいいなぁなんて思いながら眺めていた。

1バンド目のProtection Spells（あまり話す時間が取れなかったけどみんなとてもフレンドリーだった！）を少し見てから準備して、私たちの出番。UKツアーは最近やっていない『Home』や『Perfect Sounds Forever』、『Dancing In The Moonlight』を交えたセットリストで、ギターやベースもすべて借り物で（Night Flowersが貸してくれた！）、いつもの環境とは全然違っていたので少し演奏はぎこちなかったかもしれないけれど、そのぶん勢いはあって、少し昔のライブの感じを思い出した。お客さんはみんなあたたかくて、とみさんのMCへの反応もすごくよくて（あなたたちはスシを知っているか、知らないはずだ、リアルスシを～のくだりはちょっと面白かった）、本当に楽しかった。

Night Flowersのライブをロンドンで見られるのはまた日本と違ったよさがあって、謎の感慨深さに浸りながら見ていた。お客さんもそれぞれ自由にライブを楽しんでいる感じがよくて、日本もこれぐらい自由に楽しめたらいいのになんてふと思った。ライブが終わってから4人でパブへ移動してしゃべっていたら、お店を出るときに「ライブよかったよ」と一言声をかけてくれる人が多くて、それがすごくうれしかった。

こっちではあまり打ち上げという文化がないみたいで、挨拶だけしてホテルへ。おなかが空いていたので近くにあったPerfect Chickenというファストフードのお店でみんなで夜ご飯を買って部屋で食べた。塩の小さな袋がついていて、こっちではポテトには自分でかけるスタイル。食べ終わったら急激に眠くなって、昨日と同じようにあっという間に寝てしまった。

text by 福田穂那美