ホーム > DJ中島ヒロトを追ってみた! > 『Happy and Fun Music Festival vol.0×ROOMS』イベントレポート
Keishi Tanaka
M1. Hello
M2. Break It Down
M3. Another Way (is so nice)
M4. Floatin’Groove
M5. Peaceful Christmas
M6. Stars And Lies
M7. This Feelin’Only Knows
M8. Just A Side Of Love
M9. Breath
『SMOOTH LIKE NEW KICKS TOUR』
チケット発売中 Pコード:136-812
▼1月14日(月・祝)18:00
京都 磔磔
前売4000円 (オールスタンディング、整理番号付、ドリンク代別途要)
※小学生以上有料
[出演]Keishi Tanaka/the band apart
[問]GREENS■06-6882-1224
チケット情報はこちら
中島ヒロト&Keishi Takana、盟友二人のスペシャルナイト
『Happy and Fun Music Festival vol.0×ROOMS』
イベントレポート
同じ音楽のフィールドで活動しつつ、公私ともに親交を深めているFM802DJ・中島ヒロトとミュージシャンのKeishi Tanaka。2018年、中島ヒロトが50歳を迎えた記念イヤーだったことをきっかけに、中島ヒロト自身が初めてオーガナイザーを務める形で開催を予定していた野外イベント『第1回Happy and Fun Music Festival』は、Keishiのプライベートでの一言も起爆剤となって立ち上がったイベントであり、Keishiがトリを務める予定でイベントの日を迎えようとしていた。ところがイベント当日、関西地方への台風24号の接近によりやむなくイベントは中止となってしまった。イベントの中止から数カ月、Keishiから中島ヒロトへ「色々説明するためにも、年内に振替公演やったらどうですか?」との連絡が入ったことから12月のこのイベント計画がスタート。ふたりが考えたのは、実現できなかった『第1回Happy and Fun Music Festival』のvol.0バージョンを、Keishiがオーガナイズしているイベント『ROOMS』とコラボレーションする形で開催するというものだった。12月中旬、アメリカ村のdigmeout ART&DINERでのキラキラした金曜の夜の様子をお届けしたい。
中島ヒロトのトークと
Keishi Tanakaのライブの“対バン”形式イベント開幕!
イルミネーションに彩られ、すっかりクリスマス&年末気分に盛り上がる12月のアメリカ村。19時過ぎのdigmeout ART&DINERではお客さんの気分を盛上げるべく、FM802の土井コマキによるDJタイムがすでにスタートを切っていた。彼女自身Keishiとも親交が深く、『第1回Happy and Fun Music Festival』にもDJ出演予定だったのだ。女性が客席を埋める中、スーツ姿で会社帰りと思われるサラリーマンの姿もちらほら。ドリンクを楽しみつつ迎えた19時半ジャストに、まずは先行となる中島ヒロトの登場でイベントは始まった。
<中島ヒロト/トークライブ>
「まずは僕のトークから始めさせてもらいます!」と口火を切った中島ヒロト。今日のイベントは、DJ中島ヒロトのトークライブとKeishi Tanakaの弾き語りライブの“対バン形式で開催する”というのが今日のコンセプト。Keishiが開催している弾き語りイベント『ROOMS』も対バン形式を取ることや、以前にも同じ形でのコラボレーションライブの経験があったことから、今回もお互いの単独でのライブに加え、最後にはふたりのトークセッションパートの3部構成であることが告げられた。さて、そもそもこの秋開催予定だった『Happy and Fun Music Festival』には、どうしてこのタイトルを付けたのか―――――。「30歳の時に、朝の帯番組を担当しないかっていう声がかかったんです。でも僕は割と悪態をついて人気を得るタイプのDJなので(笑)、朝なぁ、と。その頃は自分の中でポリシーがあって、『リスナーには迎合しない、僕は僕のしゃべりたいことを!』っていうのを朝の番組で貫けるだろうかと思った時に、一度持って帰って考えさせてくださいって一度は言ったんだけど、気がついたら話の流れで『僕、大阪の朝を変えたいんで!』って言っちゃってたんだよねぇ(笑)」
いかにも“中島ヒロトらしい”きっかけでスタートを切ることになった朝番組の放送時間は午前10時から午後1時まで。さぁ、タイトルをどうしようかとスタッフ総出で思案するものの、いい案がなかなか出ない。男だらけのスタッフの中で、唯一参加していた女性スタッフが『HAPPY FUN RADIO』ってどう…?と一言ポツリ。「ヒロトくんは仕事もプライベートもハッピーでファンじゃない?それが伝わるのがいいと思う」。そんな言葉をきっかけに始まった朝の帯番組『HAPPY FUN RADIO』は10年続いた人気番組として、中島ヒロトの核を作ってくれたという。そんな自分が50歳の記念イヤーに初めてオーガナイズするイベントを開催するにあたって「自分を知ってもらった番組名をつけよう」と、イベント名にしたというエピソードが語られた。他にも、『HAPPY FUN RADIO』時代に自分に課していたルール、Skoop On Somebodyとハワイから生放送をした当時の仰天エピソードの数々についてなど「今日の話、みんなツイート禁止ね!」と釘を刺すほど、ここでしかできない話のオンパレード。最後には今年開催することができなかった『第1回Happy and Fun Music Festival』について、来年どこかの会場で開催できたらいいと思っていますので遊びに来てください、という頼もしい一言で弾き語りライブへのバトンタッチとなった。
<Keishi Tanaka/弾き語りライブ>
転換のDJタイムを挟み、ギターを抱えたKeishi Tanakaが登場。登場早々優しいギターの音に乗せて「Hello」が1曲目に披露された。Keishiらしいメロディーと歌詞の世界観。まずは、の1曲だ。「田中啓史といいます。よろしくお願いします」という挨拶を挟んで早速2曲目「Break It Down」へと続いて行く。CDでは華やかなホーンアレンジが効いているこの曲も、シンプルにギター1本で演奏されるとよりKeishiの歌唱力の素晴らしさが際立ってくる。
「この形式でヒロトさんとやるの2回目なので、わかってましたけどトークであれだけのことができるってさすがですよね。今日は一緒にできて嬉しいです、ありがとうございます!…でもねトークライブとの対バンってあまりないのでセットリストが難しい!(笑)」
そして3曲目へ。「ちょっと予定外ですけどこの曲を」と話し歌い出したのは「Another Way (is so nice)」だ。演奏が始まると、会場から自然に手拍子が始まってゆく。そしてそのまま「絶対にやろうと思ってた曲を」と「Floatin’Groove」へ。2015年にFM802のヘビーローテーションになったこの曲は、もはや関西ではお馴染みの1曲だ。「クリスマスの曲が1曲あるのでやろうと思います」とこの日にピッタリの「Peaceful Christmas」を披露し、12月の気分を盛り上げた。
「みんないい感じなので、次の曲はみんなで色々やってもらおうかと思います!できるでしょう?ね?ちょっとやってみますね」とまずKeishiが歌い始めると、お客さんも手拍子で盛り上げ始めた。「いい感じ!プラスでやって欲しいのは歌の方!」と彼のコーラスをお手本にお客さんも歌い始める。「いいですよー、じゃあ右の方の人続けてもらって、左の方の人は低いパートいきますね」と会場全体で歌っているうちに、美しいコーラスが出来上がってきた。そして歌い始めたのは「Stars And Lies」。Keishiとお客さんが作り上げる歌に、中島ヒロトはご機嫌な様子で笑いながらビールを飲んでいる。その後、ファンからの支持も高い「This Feelin’Only Knows」、そしてLEARNERSとのコラボ曲である「Just A Side Of Love」で会場は最高潮に。「実は時間過ぎてるんですけど、どうしてもやりたいので…」と最近少しずつでき始めているという新曲の中かから、「Breath」を披露。どこかファンタジーな世界観を感じさせる、この時期にぴったりな曲で弾き語りライブを締めくくってくれた。
中島ヒロト×Keishi Tanaka/トークセッション
ラストパートとなるのは、盟友でもあるふたりのトークセッションだ。まずは2018年の夏、数々の災害でフェスやイベントを中止になったことに触れつつ、話題は『第1回Happy and Fun Music Festival』立ち上げの話に。ふたりが天満で飲んでいた際、Keishiが「ヒロトさん50歳になるのに、何かやらないんですか?」との一言。まわりにイベンターのスタッフがいたことも後押しになって、中島ヒロト初のオーガナイズイベントは産声をあげたのだそうだ。その中止になってしまったイベントの当日は、「ケイシはトリの予定だったんだよね」との言葉に「いや、さすがに初めてヒロトさんにNO!って言おうかなと思ってました。それくらい豪華なメンツでした」。中止になった後も出演予定アーティストが電話やメールtwitterなどで連絡をくれたりコメントをくれたりもあったという。
ヒロト「もうここにみんなが来てくれたんで言いますけど、来年…やります!」
Keishi「おおおおお!やった!」
ヒロト「日にちとかは全然これからなんですけどね。気持ちとしては服部緑地でやりたかったっていうのはあるんだけど、1回こういうことあると…怖いよね」
Keishi「わかります。怖いですよね」
ヒロト「ずっとそうも言ってられないけど、このままずーっと第1回が始まらなくて伝説のイベントになるっていうのもねぇ…」
Keishi「10年始まらないとかね(笑)」
ヒロト「今回1回目を服部緑地でやったら、2回目以降は規模も内容も変えながら続けて行こうかなと思ってたのね。会場も変えたりとか。その1回目ができてないのでまず1回目をどうしようかと。でも今回ブッキングさせてもらったアーティストは、全員また出たいって言ってくれているのでケイシはもちろん、全員に絶対お声がけしようと思ってます。今年は9月30日を予定していて、実はこの日が1年で一番晴れる日って言われてたのね。それがダメになったから、来年はいつにしようかなぁ。楽しみにしててくださいね」
この日をきっかけに、また実現に向けて動いていくという中島ヒロトの決意表明で会場は拍手に包まれた。
そしてそろそろ終幕となった時、「ケイシ、よかったら最後にもう1曲…」と中島ヒロトからの提案が。「や、せっかくだからふたりで歌いましょう」の言葉に再び会場からの拍手が沸き起こる。実は前回の『ROOMS』の際にもふたりで1曲歌った経緯があり、せっかくの機会にまたやろうと計画していたのだそうだ。中島ヒロトの曲紹介が始まる。「Happy and Fun Music Festival vol.0×ROOMS、最後の曲です。サザンオールスターズで、真夏の果実」。
Keishiのギター&コーラスで切ない夏のラブソングを歌い上げる中島ヒロト。旧知の仲であるふたりだからこそ実現したスペシャルな夜は、客席からの鳴り止まない歓声と拍手で幕をおろした。2019年の楽しみは、中島ヒロトから発表される「第1回Happy and Fun Music Festival、開催決定しました!」の報告となることを心待ちにしたい。みなさん、『第1回Happy and Fun Music Festival』でお会いしましょう。
取材・文:桃井麻依子
写真:河上良(bit Direction lab.)
企画:高橋ハジム