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歌舞伎ファンも初心者も楽しめる團十郎の特別公演、今秋も南座で!

昨年、満員御礼の人気を呼んだ「市川團十郎特別公演」が今秋も南座で開催される。今回は演目も出演者も増え、歌舞伎十八番の名作から新趣向の作品を上演。さらにロビー展示や体験企画など、歌舞伎初心者から通のファンまで楽しめる昼夜の部で、歌舞伎の世界へ誘う。また、團十郎・新之助親子同時襲名の舞台裏を描く三池崇史監督の初ドキュメンタリー映画『襲名』が9月25日(金)に公開されるため、最適なタイミングでの公演となる。團十郎が今回の特別公演への思いを語った。

まず昼の部の3演目から。歌舞伎の様式美に富んだ鮮やかなひと幕『鞘當(さやあて)』、次に『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』から「源氏店(げんじだな)」。しっとりとした江戸情緒のなか、男女の不思議な巡り合わせを描く世話物の人気作だ。そして團十郎のお家芸、歌舞伎十八番の最高峰『勧進帳(かんじんちょう)』。舞台は北陸・安宅の関。逃避行中の主君・源義経を助けようと、武蔵坊弁慶が関守の富樫左衛門と対峙し、何とか関所を通ろうとする緊張感あふれる歌舞伎の名作だ。「吉原の話から世話物、そして松羽目物へ。色合いが変わる歌舞伎の古典を楽しんでいただける演目の並びにしました」。

團十郎が弁慶を勤めるのは、十三代目團十郎白猿を襲名以来、南座では初めてとなる。「江戸の演目として、伝えていく家の芸を関西の方々にご覧いただけるのはうれしい」と『勧進帳』に臨む。富樫には人間国宝の中村梅玉、中村米吉が初役で勤める。また今回、富樫の太刀持ち(刀を持って控えている役)として新之助が出演する。「勉強したいという意思が芽生えてきたようです。なので、高砂屋のお兄さんに、お兄さんの太刀持ちで父親の『勧進帳』を毎日観てみたいと言うのでぜひ、とお兄さんにお願いしました」。新之助の本名は堀越勸玄。その"勸"は『勧進帳』の"勧"の旧字体だ。「成田屋に生まれ、歌舞伎十八番の『勧進帳』は家の芸であるとともに自分の名前が入った演目だと認識しているのでは。なので、頑張りたいという思いが本能的に働いてくれたのならうれしい。舞台で汗をかいている父親を見て、彼がどう感じるかですね」。

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夜の部は「Invitation to KABUKI 歌舞伎の世界」。歌舞伎のさまざまな魅力に触れてもらうことを目指した内容で、昨年も歌舞伎初心者や外国人の観客に好評だった。今回は「若い人たちにも演じる場を作りたい」と構成、中村鷹之資(たかのすけ)、中村虎之介、大谷廣松、米吉ら若手の花形俳優たちが大役に挑む3演目。まずは、京都ゆかりの歌舞伎三大名作のひとつ『義経千本桜』より「鳥居前」。「簡単なストーリで六方もあり、荒事でパアッと終わる」。次は女方舞踊の名作で、傾城の艶やかさと獅子の精の踊り分けが見どころの『英執着獅子(はなぶさしゅうじゃくじし)』。そして『七つ面』。「ハイカラな演目。虎之介君がいつかやってみたいと言っていた」という演目で、面を用いた独特の趣向と変化が楽しい歌舞伎十八番だ。

「ご挨拶」は、昨年は團十郎だったが「今回は全部せがれにまかせた」と新之助が担い、『荒事 大力天無双(だいりきてんのむそう)』へと続く。歌舞伎十八番の『押戻し』を新たな趣向で構成し、團十郎自らタイトルを付けた演目。蛇の邪心を鎮めるため、大館左馬五郎(おおだてさまごろう)が押戻して封じ込めるという芝居を、團十郎が龍の化身と左馬五郎を早替りで演じる。「龍という自分の邪心を、自分という正義の押戻しで納めるという、エンターテインメント寄りな歌舞伎を作りたいと思います」。物語の進行も新之助が勤め、廻り舞台や俳優の演じる乗り物などの観客体験もあるとか。「腰を据えて観る昼の部。夜の部は、とにかく歌舞伎を観てみたいという方が楽しんでもらえるようにと、構成をしっかり色分けしました。自分の名前が付いた公演ならでは、かな」。

また劇場ロビーでは、舞台で実際に使われる小道具を手に取れる体験コーナーのほか、團十郎が描いた絵や撮影した写真などの展示も予定されている。「写真は毎日撮っていますが、皆様のお目に入れても恥ずかしくないようなものが撮れたら」とのこと。最後に皆様へのメッセージを。「大阪松竹座が無くなって残念ですが、京都・南座ではずっと歌舞伎を上演しておりますので、関西の方々、ぜひみんなで南座に来ていただけたらうれしいです」。

取材・文/高橋晴代 




(2026年9月14日更新)


市川團十郎特別公演

チケット発売中 
Pコード:544-386/(3階左右見切れ席):545-282
〈昼の部/Aプロ〉
一、其俤対編笠 鞘當
二、与話情浮名横櫛 源氏店
三、歌舞伎十八番の内 勧進帳

〈夜の部〉
「Invitation to KABUKI 歌舞伎の世界」
一、義経千本桜 鳥居前
二、英執着獅子
三、歌舞伎十八番の内 七つ面
四、ご挨拶
五、荒事 大力天無双


▼10月3日(土)~25日(日)11:30/16:00
南座
一等席-15000円 二等席-8000円 二等席(3階左右列見切れ席)-8000円 三等席-5000円 
[出演]
〈昼の部〉市川團十郎/市川右團次/市川九團次/市川男女蔵/中村米吉/大谷廣松/中村虎之介/中村鷹之資/市川新之助/片岡市蔵/中村梅玉
〈夜の部〉市川團十郎/市川右團次/市川九團次/市川男女蔵/中村米吉/大谷廣松/中村虎之介/中村鷹之資/中村玉太郎/市川新之助
※特別席の取り扱いはございません。
※日時・席種により取り扱いのない場合あり。
※4歳以上はチケットが必要。
※3階左右列見切れ席は、劇場の構造上、舞台の一部または半分以上がかなり見えづらいお席でございます。ご購入確定後の変更・キャンセルはできません。席によって見え方が異なりますのでご了承ください。左側のお席の場合、花道はご覧いただけません。お席の指定はできません。安全面の観点から、前のめり・立ち上がってのご観劇はお控え頂いております。
※本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売いたします。興行主の同意のない有償譲渡は禁止いたします。
[問]南座■075-561-1155

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