NEWS

ホーム > NEWS > 茂山家の狂言師たちが贈る人気公演、 今年のテーマは“歌舞伎”!?

茂山家の狂言師たちが贈る人気公演、
今年のテーマは“歌舞伎”!?

京都で400年以上続く狂言の名家、大蔵流 茂山千五郎家。その狂言師たち5名、千五郎・宗彦・茂・逸平・千之丞による狂言ユニット『Cutting Edge KYOGEN』(CEK)が繰り広げる"真夏の狂言大作戦"が、今年もまもなく兵庫県立芸術文化センターに登場する。春は古典作品をかける"春爛漫 茂山狂言会"、夏はCutting Edge(=最先端)な狂言を上演する毎年恒例の公演だ。特に夏公演は斬新な切り口で魅せる新作で、多くのファンを持ち狂言初心者の人気も高い。"今"を取り込み、笑いを追求する楽しい舞台だ。千五郎家の稽古場で5名が顔をそろえての稽古中、取材会で今回の作品と意気込みを語った。

今年は『国宝』による人気の「シャワー効果を狙って」(逸平)、"歌舞伎"がテーマ。演目は、今回のための書き下ろし新作『奔走冠者東雲大騒動(はしるかじゃしののめのおおさわぎ)』と、休憩をはさみ、後半に2012年京都で初演し2013年と2019年に兵庫で上演した人気作のひとつ『BLACK & WHITE~歌舞伎「鳴神」より』(B&W)。手掛けたのは2作品ともCEKの座付き作家で演出・出演も兼ねる千之丞。新作は「"腰祈"など4つの狂言をぎゅっと混ぜて」作った。主人公の太郎冠者を演じる茂は「古典をただつなげただけでなく、CEKなので現代的にアレンジしたいろんな狂言を歌舞伎の通し狂言ふうにズラっと並べたような作品。どんな狂言がどのようにつながっているかを楽しんでいただいて。で、僕は1人でずうっと太郎冠者。休憩ほしいなぁ(笑)」。タイトルは逸平が「『忙しい太郎冠者の1日を歌舞伎の外題ふうにして』とAIに言ったら付けてくれました(笑)」。

『B&W』は、鳴神上人が龍神を岩穴に閉じ込めたため日照りが続き、雲の絶間姫(たえまのひめ)が色仕掛けで上人の結界を切って雨が降るようになるという、歌舞伎で有名な演目『鳴神』が題材。「雨が降った後、どうなったんやろ? 降り続けたら...」と考えた千之丞が作ったのが『B&W』。主人公はタイトルに引用された上人の弟子の黒雲坊・白雲坊で、逸平と千之丞が演じる。雨が降りすぎて道が通れずふたりは山に閉じ込められるが、なぜか普通に通る人もいて?? 絶間姫も切った結界のしめ縄を繋ぎに来るが、雨は止まず、毎日山を上り下りして...。千之丞は「『鳴神』を思いっきり不条理にしたら、こうなりました。わりと気に入ってます」。逸平も「舞台セットもあり音響効果も使ったりするので、楽しんでいただきやすいです」。また、絶間姫は毎回ゲストが演じる。これまで片岡孝太郎、わかぎゑふ、中村壱太郎が出演、今回は「誰が来るかは当日のお楽しみ」だ。女方も立役も演じる茂山家と縁のある歌舞伎俳優、らしい。

5人から、まだCEKを観たことのない方へ。「毎年 5人で集まってやっていますが、今年は僕の年です(笑)。普段あまり汗をかかない私が、汗をプップかきながら 50分全力疾走しますので、楽しんでいただけると思います」(茂)。「もう20年ぐらい、着実におもしろいことをずっとやってきてる感じなんですけど、他の 4人がマジメなんですよねぇ。困ったもんです」(千之丞)。「ちまたに楽しめる娯楽はたくさんあると思いますけど、その中で狂言という古典芸能をベースにしながら、ただひたすら共に笑いを追いかけている集団でございます。上は 50歳下は40歳というおっさんが頑張って、古いけどなんか新しい、新しいけどなんか懐かしい、みたいな感じのもんやってますんで、もしよかったら観に来て一緒に笑いましょう」(千五郎)。「あんまり難しいことやってないです、本当に。パッと見てもらったらパッと分かっていただける作品ばっかりなので、お客さんとしては一番とっつきやすいと思う。楽しんでいただけると思うので、狂言の最初のきっかけは一番わかりやすい京都・茂山千五郎家をひとつよろしくお願いいたします」(宗彦)。「わりと幅広い方に楽しんでいただける公演じゃないかなと思っております。ある上方落語界の大御所が『この公演、好っきゃねん』て、毎年欠かさず来てくださっておりまして。そんな笑いの専門家から、ウチの娘みたいなほとんど古典に触れていない小学生まで楽しんでいただける公演だと思うので、理屈抜きで楽しみに、笑いに来ていただけたらうれしいです」(逸平)。

最後の5人のダンスは検討中だが、宗彦は踊ることが決定。「それがダンスかどうかわからんけど、真剣にちょっと悪ふざけしますよ」。

取材・文/高橋晴代




(2026年8月21日更新)


写真左より)茂山逸平、茂山茂、茂山千五郎、茂山千之丞、茂山宗彦
「BLACK & WHITE ~歌舞伎『鳴神』より」2019年公演より/撮影:飯島隆

Cutting Edge KYOGEN 真夏の狂言大作戦2026

チケット発売中 Pコード:541-284
▼8月29日(土)11:30/15:30
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
A席-3500円 B席-2000円 
[出演]茂山千五郎/茂山宗彦/茂山茂/茂山逸平/茂山千之丞/他
※未就学児童は入場不可。車いす席をご希望の方は、芸術文化センターチケットオフィス(0798-68-0255)までお問合せください。
[問] 芸術文化センターチケットオフィス■0798-68-0255

チケット情報はこちら