ホーム > NEWS > 宝塚歌劇の名作『心中・恋の大和路』が 朗読歌劇になって上演!
近松門左衛門『冥途の飛脚』を題材に、1979年に宝塚バウホールで瀬戸内美八主演により初演された宝塚歌劇の名作『心中・恋の大和路』が、朗読歌劇として上演される。飛脚問屋の養子・忠兵衛と遊女・梅川の悲恋を描いた同作を、今回は歌と台詞で紡いでゆく。
忠兵衛・梅川役は、瀬戸内美八と南風舞、壮一帆と愛加あゆの2組がそれぞれ務め、ほかに日向薫、未沙のえる、未来優希、彩吹真央ら宝塚OGが出演する。これまで5度にわたり同作で忠兵衛を演じてきた瀬戸内が取材会に登壇し、作品への思いや、再び忠兵衛に向き合う心境を語った。
初演以来、たびたび忠兵衛を演じてきた瀬戸内は、役の魅力をこう語る。「やっぱり一途なところですかね。一途に女性を愛せる人がいるんだなと思うし、そういうところが忠兵衛のいいところだと思います。忠兵衛は新口村の出身で、根は田舎者なんですよね。今回は、遊廓とか、華やかなものへの憧れがありつつ、本当は非常に素朴な、真面目な青年だということを意識したいと思います」。
宝塚歌劇団在団中に2度、退団後にOG公演で3度、忠兵衛を演じた。6度目となる今回、忠兵衛に対してどんな思いを抱いているのだろうか。「一番心配しているのは、私自身が年を重ねた分、分別臭くなるんじゃないかということです。『こんなことせんやろ』という自分がどこかにあるような気がして。それを払拭することがまず大事だと思っています。ただ、これまで5度、やらせていただきましたが、忠兵衛の心としては、いつも同じ気持ちでやれたと思いますし、色褪せることなく、毎回、新しい感動を覚えます」。
本作が長年愛されてきた魅力を、瀬戸内はこう分析する。「人を愛することは、時代が変わっても素晴らしいことだなと感じます。年代ごとに芝居がちょっと変わってきても、人を愛する心は本当に純粋なんだとお客様が分かってくれて、涙してくれます。人の気持ちは、やっぱり変わらないんじゃないのかなと思います」。
瀬戸内とペアを組むのは、元星組トップ娘役の南風舞。瀬戸内の13期下にあたる。世代を超えた座組は、OG公演だからこそ。共演者についてこう話す。「星組時代、私の下に峰さを理さんがいて、その下が日向(薫)さん。それから南風(舞)さんなので、もちろんよく知っています。未沙のえるさんはそれほど存じ上げませんが、彼女は宝塚歌劇団卒業生の会である『宝友会』の会長さんをしていらっしゃるので、すごい人だなと思っています。若い方は、どなたともお会いしたことがないと思います。そういう意味では、(共演は)やっぱり怖いです。ジェネレーションギャップが30年以上ありますから。だけど目的はひとつだから、力を合わせてやっていきたいなと思っています」。
徳島から受験した瀬戸内は、入団前に宝塚歌劇を観たこともなく、舞台の基礎もないままその世界に飛び込んだ。ダンス、バレエ、歌、日本物も一から学んだという。「やっぱり劣等感がありましたよね。日本物ができないとずっと思っていました。ただ、私は花組に配属されて、そのトップスターさんが甲にしきさんでした。甲さんは、すごく日本物の得意な方で、甲さんの新人公演を私はたくさんやらせていただいたんです。表面だけかもしれませんが、それでだいぶ日本物が分かるようになりました。日本物のどこがいいかって、動作が自然にできるところです。日本物は、心が思ったら自然と手が動くんですね。それだけで姿ができる。日本物をやることで、日本人の心がよく分かるような気がします」。
菅沼潤が手掛けた『心中・恋の大和路』で、瀬戸内は47年前の初演から忠兵衛役を重ねてきた。瀬戸内は忠兵衛を「分身のようだ」と話す。「これだけ年を重ねて、またこの役をやらせていただくということがすごく嬉しいです。不安もたくさんありますが、ともかく素直に、まっすぐこの役に取りかかりたいと思います。菅沼先生の演出を知っているのは私だけだと思うので、"ルミ(瀬戸内の愛称)、よかったな"と向こうから見ていただけるくらい、一生懸命取り組みたいと思っています。演劇は観るものだと思うけれども、朗読は耳から入ってくるもの。お客様には想像しながら観ていただけたらいいなと思います」。
取材・文/岩本
(2026年6月16日更新)
▼6月24日(水)~28日(日)
草月ホール
チケット発売中
▼7月2日(木)12:00/16:30
▼7月3日(金)12:00〈<初演ver.>〉
[出演]
〈7/2〉壮一帆/愛加あゆ/未来優希/彩吹真央/美郷真也/寿つかさ/羽純るい/久路あかり/和海しょう
〈7/3〉瀬戸内美八/南風舞/壮一帆/愛加あゆ/日向薫/未沙のえる/未来優希/彩吹真央/美郷真也/寿つかさ/羽純るい/久路あかり/和海しょう
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
全席指定-12000円
※7/2(木)12:00公演ご来場者様にオリジナル手ぬぐい(非売品)をプレゼント。
※7/2(木)16:30公演終演後、アフタートークあり(【出演】壮一帆/愛加あゆ)。
※未就学児童は入場不可。一部役替わりあり。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売致します。興行主の同意のない有償譲渡は禁止されています。