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日々の葛藤やプライドを脱ぎ捨てる
山本耕史がミュージカル『フル・モンティ』で主演!

日本とブロードウェイのキャストが共演し、全編英語で上演するミュージカル『フル・モンティ』で、山本耕史が主演を務める。山本は2024年にも日米合作の『RENT』に出演し、ブロードウェイキャストに引けを取らない抜群の歌・表現力はもちろんのこと、流暢な英語で観客をうならせた。再び英語でミュージカルに挑むことになった経緯やその努力、作品について取材会で明かした。
「2年前の『RENT』の公演終了後、演出を手掛けたトレイ・エレットが『また、何かやろうよ』と声をかけてくださって。個人的に思い入れのある1998年の『RENT』の日本初演と翌年の再演に出演して、2024年にまた演じられることになり、『RENT』をやるために今までさまよっていたんだ、と僕の中ではミュージカル人生に一回幕を閉じたつもりだったんです」と語る。ところが、演出家の熱意で企画が再び動き出した。

『フル・モンティ』は1997年にイギリスで映画として誕生し、ミュージカル版は2000年にブロードウェイで開幕。ニューヨーク郊外を舞台に、山本扮するジェリーは離婚し、失業中で息子の教育費も払えず、職安に通う失意の日々。ある日、女性たちが男性ストリップショーに熱狂している姿を目撃したジェリーは、メンバーを集め、ストリップでお金を儲けることを計画する。「ジェリーは『お前なんか何の特徴もない』みたいなセリフを言われる、何かに長けているわけではない普通の主人公。ただ、トレイが『RENT』の稽古中に、僕とアメリカ人キャストの(筋肉美の)身体を見て、『マーベル映画みたいだと(笑)。耕史にピッタリの『フル・モンティ』という作品があるよ』と、提案してくれました(笑)」と経緯を明かす。「ジェリーは服装もダサく、生き方も煮えきらない。だからこそ、最終的にみんなでぶちかまそう!となっていく、すごく爽快な作品です」。

その上、同じ父親として共感する部分が多いとも言う。「子どものために父親が動くのは、率直に気持ちが分かります。息子がいるからこそやりきれたり、たじろいだり、やっぱり無理かもと思う瞬間がある。そこはすごく人間らしいし、父親らしいです」。
その一方で、心配している点もある。「32歳の設定なんですが、僕は今年で50歳になる。ストリップのオーディションに参加する人を見ていて、『あいつ年寄りすぎじゃないか。どう見ても50歳に見えるぜ』というセリフがあるんですが、本当はそっちの歳なんだよなと(笑)。30歳からしたら、老人にも見える年に自分がなっているんだっていうのをズキズキ感じながら台本を読んでいるところです」。

50歳になるとは思えない、若々しさに驚くばかりだが、2024年の『RENT』ではその英語力にも舌を巻いた。公演後、"ネイティブだったのかと思わずネットで検索した"と問うと、「正直、僕そんなにペラペラじゃないんですよ。困らない程度の意思の疎通はできるんですが、言っていることが9割分からない時もあるんです」と答えた。「ただ、すごく耳がいいんです。英語はほぼ音で、もちろん文字とも照らし合わせるんですけど。『RENT』は21歳の時にブロードウェイに観に行って映画も含めて何百回も観ているので、趣味のようにブツブツと英語を真似ていて、出演する前から8割・9割は喋れていたんですよ。でも今回は、8割はセリフで歌は2割ほどなので、すごい大変だろうなと。今も本当に細かいところまで発音を自分で研究して、ボーカルコーチのもとでトレーニングしていますね。言えているつもりでも、そう聞こえてなかったりもするから」とたゆまぬ努力をしている。「本当は英語がペラペラになりたかったんですけど難しいなと思って。でも英語が喋れなくてもこういう作品ができるんだと、その方がちょっと驚いたんですよね。僕にとって俳優業で舞台を作っているというよりも、なんか知らないジャングルに入って、新しい生物と遭遇してどうしようかっていうぐらいの感覚なんです(笑)」と付け加えた。

同じく英語でのパフォーマンスに挑戦し、現在、ロサンゼルスを拠点に活動するゆりやんレトリィバァがジェリーの親友の妻役でミュージカル初出演を果たす。「ゆりやんさんがパッと出てきて、最初にお客さんをつかむ役でもあるので、すごく心強いですね。ブロードウェイキャストが出てきて始まるのは緊張感があるのですが、彼女の存在感でホッとさせてくれるんじゃないかなと。ゆりやんさんのバイタリティーと持って生まれた魅力で盛り上げてくれることを期待しています。ただ、日米合作と言いながらも、日本人は僕とゆりやんさんだけ(笑)。ふたりで日本を背負いすぎ」と笑わせた。

『フル・モンティ』は、素っ裸の意味。鍛えている筋肉はあるか? という質問には、「自分で言うのも何ですが、僕の身体は割ともう仕上がっているので(笑)、あとはどのぐらい絞るかなんですよね。イケてない人がストリップをする爽快な作品だけど、絞ってもマッチョな部分は多分逃れられない。ブロードウェイキャストもマッチョな人が多いと思うので、僕が小さく見えることを願っています(笑)。世の中は腹筋に注目する人が多いですが、僕らのようにトレーニングしている人は、実はあんまりシックスパックには興味がない。でも今回は腹筋を鍛えるのと、足が細いからそこも鍛えて、できればお尻もシャープに見せたいです」と意気込んだ。

ブロードウェイではストリップのシーンで、特に中高年の女性が悲鳴を上げて大騒ぎし、大いに盛り上がっていた。「日本でもキャーキャー言って楽しんでくれたら嬉しいですよね。シーンとなるよりかは(笑)。『You only live once(人生は一度きり)』と、日々の葛藤やプライドを脱ぎ捨てて裸になっていく作品なので、皆さんと一緒にそのリアルな瞬間を体感したい。共に楽しみましょう!」

取材・文/米満ゆう子




(2026年6月26日更新)


日米合作ブロードウェイミュージカル『フル・モンティ』

【東京公演】

▼8月19日(水)〜9月7日(月)
東京国際フォーラム ホールC

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:541-903
▼9月10日(木)18:30
▼9月11日(金)13:30
▼9月12日(土)12:30/17:30
▼9月13日(日)12:30/17:30
▼9月14日(月)12:30
〈昼公演〉S席-16500円 A席-11500円 特別席-18000円 サイドシート-9000円
〈夜公演〉S席-15500円 A席-10500円 特別席-17000円 サイドシート-8000円
新歌舞伎座
[脚本]テレンス・マクナリー [作詞・作曲]デイヴィッド・ヤズベク
[原作]映画「フル・モンティ」
[演出]トレイ・エレット [振付]ポール・マギル
[出演]山本耕史/Adam Chanler-Berat/ゆりやんレトリィバァ/John Hemphill/他
※生演奏、全編英語上演、日本語字幕あり。未就学児入場不可。車いすでご来場予定のお客様はS席をご購入いただき、キョードーインフォメーションまで事前にご連絡ください。チケットはお一人様1枚必要。開演に遅れますと劇場内にご入場いただけない時間帯がございます。出演者の変更によるチケットの払い戻しは致しません。
キョードーインフォメーション■0570-200-888

公式サイト
https://fullmonty2026.jp/

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