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石田亜佑美がタクフェス5年ぶりの
人気名作『くちづけ』に初参加!

宅間孝行が率いるタクフェスの第13弾『くちづけ』が、11月より全国6か所へツアー開始。2010年、タクフェス前の東京セレソンデラックス時に初演、13年には堤幸彦監督で映画化され、その後15年、20年と5年ごとにキャストを変えて上演、今回4回目の再演となる。『くちづけ』の舞台は、知的障がい者たちの自立支援のためのグループホーム"ひまわり荘"。漫画家・愛情いっぽん(金田明夫)が娘のマコ(石田亜佑美)と住み込みで働くことになり、マコは入居者の"うーやん"(宅間)と惹かれ合うが...。純粋な恋と親の深い愛が描かれ、笑いながらもそのやさしさと切なさに観客の涙を誘う。今回の舞台で、初演から続投してきた金田と宅間のコンビは最後となる。初参加の石田と宅間が来阪し、作品への思いや意気込みを語った。

本作について「僕としては、これでひとつ大きく作風が変わった作品です」と言う宅間。それまで東京セレソンデラックスで新作を作り続けていた宅間は「2007年に『あいあい傘』を作った時に行ききった感じがして。一番自分の琴線に触れるテーマはなんだろうと考えていた時、思い出したのが10年ほど前に見かけた小さな新聞記事でした。当時いたく心を打たれ、こんな作品をいつか映画にできたら、とぼんやり思っていたんです」。それが『くちづけ』として誕生した。「当時同年代のメンバ-でやっていましたが、56歳だった先輩の金田明夫さんに少し老けていただいて、出来上がりました」。

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2010年の初演は「どういう評価を受けるか、心配な部分もありました。僕がフラットに、決して美しい面だけじゃないところも描いたりしているので。でも、知的障がい者のお子さんを抱えた親御さんから、よくぞこの世界にスポットを当ててくれたという言葉をたくさんいただきまして。で、これは伝えるべきテーマなのかもしれない、定期的に世の中に発信していくべきものなんだろうなという使命感のようなものを感じました」。そこから5年に1度上演、続投してきた愛情いっぽん先生を演じる金田は71歳、うーやん役の宅間は55歳となった。うーやんは「大人になりきっていないようなハートで、ある意味自由奔放に生きている」キャラで35歳の設定。「そろそろ限界がやってまいりまして。今回、明夫さんと共にいったん区切りをつけるべく、決定版を皆さんにご披露できたらと思っております」。

宅間は前回「うーやんは最後」と宣言していたが、2020年はコロナ禍の真っただ中、劇場公演は幕を開けられたものの多くの制限があった。「実に忸怩(じくじ)たる思いを抱え最後を迎えた感があり、前言撤回。今まで何度か上演してきて非常に愛着のある役でもありますし、うーやんのことを大好きな人たちがたくさんいるので、その人たちのために最後を演じられたらと思っております。エモーショナルな感じで感動できる、主人公たちに寄り添える物語になっていると思います」。

今回は石田亜佑美が初参加する。「モーニング娘。の時から演じることはすごく好きだったので、卒業後も舞台をやっていきたいと思っていました」と話す彼女は、舞台は観ていなかったがタクフェスの有名さを知っていた。オファーに「ぜひやらせてください」と即答。しかし「意気込んだものの、前回の『くちづけ』の映像を拝見して、金田さんと宅間さんはこれで最後という重大さに気づき、すごい現場に入ることになるんだと覚悟を決めました」と力を込める。演じるのは31歳の阿波野マコ。「いっぽん先生に愛情たっぷりに育ててもらい、心はすごく純粋で少女のように真っすぐな心を持った、ピンク色が似合うすごく可愛いらしい女の子です」。

石田はモーニング娘。時代、メンバーカラーが青。「どちらかというと、ダンスでバキバキ、ラップで決めるとか、かっこいい系だったので、マコちゃんの可愛い雰囲気とは真逆にいたかなと思っています。でも、彼女は突然『うるせえ』とか、口が悪くなったりするんですよ(笑)。そんなキレの良さみたいなところが人間らしくて惹かれています。想像の世界の登場人物ではなく、この世界にしっかりといる人間らしさを出しながら演じたいと思っています」。会見中、宅間のツッコミにも負けず笑顔で返答する。そんな彼女はダンスが得意、そしてタクフェスには芝居後にお決まりのダンスタイムがある。「ファンの方たちからはダンスタイムとは?って、すごく興味を持たれている声がありました。それから、もともとタクフェスのファンで『くちづけ』を観ていた人が『亜佑美ちゃんがマコちゃんやるの!その発表だけで泣いちゃう』って。その期待に応えたいです。本編で涙していただいた後に、そのお楽しみを楽しんでいただければ」。

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続けて宅間は「じつはダンスタイムは、役で踊る時と役者自身が踊る時とふたつパターンがあります。『くちづけ』はタイトルバック的な位置づけで、毎回役で踊るんですよね。だから、石田さんはマコちゃんで踊る。マコちゃんのダンスがあんまりキレッキレだと、それはそれでおかしい(笑)。とも思いつつ、せっかくなので見せ場みたいなところを作ってあげられたらと思っています」。タクフェスのお楽しみは芝居後だけでなく開演前から始まる。前説的なものではなく、まさにプレイベント。これまで、グッズ購入者へのサインやツーショットの撮影、じゃんけん大会も。上演20分前から開始するので、大劇場でもないのに開場時間は上演60分前だ。「いろいろ盛りだくさんでやってたんですけど、コロナで1回全部リセットされて。今は新しい形で、わりとお客さんとのキャッチボールが多くなってますね。関西のお客さんはすごいですよ。空気の作り方もわかっているから、いいところでちゃんとボケてくれたりするし。一緒に作り上げるのが楽しいです」。

このイベントに数人の俳優が日替わりで参加、宅間は毎回参加する。石田はそれを初めて知って目がキラキラ。「舞台で表現して、目の前のお客様のその日その日のリアクションをもらうことが好きだから、舞台が好き。それこそタクフェスはお客様とコミュニケーションをとってなんぼ、という舞台だから、私はすごく楽しみで仕方がないです。一番好きなものに参加できるようで、うれしいです」。大阪が好きだという宅間は、「お客さんの反応がダントツにいいじゃないですか。なので、こっちとしても非常に楽しませてもらえる。まぁ『アドリブ少なかった』とか文句言われたりもしますけど(笑)。あと、20年近く来ていると、関西の人たちとたくさんの人間関係が出来上がっていて。僕の中ではホームっていう言い方もよくするんですけど、こっちに帰ってきて皆さんの前でやると、テンションがガッと上がるし、ホッとしますね」。

最後に石田は「グループを卒業してから、全国各地を回る舞台は初めてです。ファンの方に、私が初めてタクフェスに参加する『くちづけ』を観ていただけるのが本当に楽しみで。この作品を通して、初めて舞台を観る方にも"この世界の魅力"を知ってもらえるきっかけになればうれしいです。何も構えず、ただ"来たぞ!"という気持ちで劇場に足を運んでいただけたら、この世界に引き込みますから」と笑顔を見せる。一方、宅間は「15年前、先輩俳優と初めて共演した作品で、明夫さんのために書いた戯曲でもありました。今回、その明夫さんがひと区切りをつける"最後の愛情いっぽん"の雄姿を、ぜひ見届けてください。私もリベンジの思いで挑みます。生の我々の芝居を、目に焼きつけに劇場へ来ていただけたらうれしいです」と熱く語った。

取材・文/高橋晴代




(2025年11月11日更新)


Check

タクフェス第13弾『くちづけ』

【富山公演】
▼11月24日(月・祝)
新川文化ホール

【東京公演】
▼11月28日(金)~12月7日(日)
サンシャイン劇場

【名古屋公演】
▼12月12日(金)~14日(日)
アマノ芸術創造センター名古屋(名古屋市芸術創造センター)

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:536-549
▼12月18日(木)18:00
▼12月19日(金)13:00
▼12月20日(土)12:00/貸切
▼12月21日(日)12:00
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
全席指定-8900円
[作][演出]宅間孝行
[出演]金田明夫 石田亜佑美/松本幸大 上田堪大 加藤里保菜/浜谷健司/町田萌香 下川恭平 宮城弥生 神月柚莉愛 ヨスケ。・河内宏大(Wキャスト)/鈴木紗理奈/小川菜摘/宅間孝行
※未就学児入場不可。ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。
※12/18(木)は初日スペシャルDAY。ご来場者全員に非売品グッズをプレゼント。舞台上から出演者による「お見送り」を実施。
※12/19(金)公演終演後、アフタートーク開催。(登壇:宅間孝行、金田明夫、石田亜佑美、上田堪大、鈴木紗理奈、小川菜摘)
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【福岡公演】
▼12月27日(土)
SAWARAPIA

【札幌公演】
▼2026年1月8日(木)
カナモトホール(札幌市民ホール)

公式サイト
https://takufes.jp/kuchiduke2025/

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