ホーム > NEWS > 「信頼とは何か?」を描くお仕事コメディ 中山優馬主演『スイートホーム ビターホーム』 取材会レポート
中山優馬主演の舞台『スイートホーム ビターホーム』の取材会が都内で開催され、中山をはじめ、共演の秋元才加、藤野涼子、井上拓哉、舞羽美海、瀬戸カトリーヌ、駿河太郎、佐藤アツヒロ、作・演出の藤井清美が出席した。
映画『るろうに剣心』シリーズやドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』などの脚本家として知られる藤井の作・演出による「お仕事コメディ」シリーズの第3弾。とある住宅展示場のモデルハウスに集う人々が "家"を巡って奔走するさまを通して、「信頼とは何か?」を描き出していく。
中山が演じるのは、様々なトラブル、無理難題に直面することになる、ハウスメーカーの営業担当・努力(ぬりき)良介。中山は良介について「劇中のセリフでも『二つ以上のことを同時にするのが苦手』というのが出てきますが、不器用な面を持つ役どころ」と語り「対仕事という意味で、信じていたいもの、成し遂げたいこと、『こうありたい』という思いについては共感するところが多々あります」と寄り添いつつ、ハウスメーカーの営業マンという未知の職業に関しては「自分の世界とはかけ離れているのでこれから勉強したいと思います」と真摯に語った。
秋元は、良介が担当するモデルハウスに顧客として訪れる良介のかつての恋人・亜紀子を演じる。亜紀子は起業して"現在は社長"という立場にあるが、秋元は「(立場上)自信を持たなきゃいけないけど自信が出ないところが自分と似ている」と分析。「(秋元自身)顔が強めなのでそう見られないんですが...」と苦笑しつつ「社長とは違いますが、AKB48にいた頃キャプテンをやらせていただいたんですが、その役職がすごく荷が重くて『キャプテンだからこうしないと!』という思いは、今回の台本を読んでリンクする部分があると思いました」と明かす。
藤井が手掛けた過去2作のお仕事コメディ『ブラック or ホワイト? あなたの上司、訴えます!』、『行方不明』で主演を務めた佐藤は今回、亜紀子のパートナーを名乗り、彼女と共にモデルハウスを訪れる怪しい男・山田を演じる。彼が何者なのか? というのが物語のカギとなるようで、佐藤は「これまでとは違って、不思議な役」と言いつつも、核心については「言えないんですが...(笑)」と言葉を濁す。過去2作ではお仕事に勤しむ"社員"という立場だったが、今回はちょっと変わった役どころとなるようで「この座組にスパイスを与えられるように頑張ります!」と意気込みを口にした。
ちなみに、中山と佐藤の共演は2012年の「PLAYZONE'12 SONG & DANC'N。PARTII。」以来、13年ぶり。中山は「憧れの先輩を無条件で信頼していますのでよろしくお願いします!」と敬愛する先輩との共演の喜びを語っていた。
藤野はハウスメーカーの若手エース・弓川夏葉を演じるが「夏葉は思ったことをズバズバ言うタイプですが私は性格上、言えないです」と自身と役との違いを口にしつつ、今回、役として言いたいことが言えることに「気持ちいいだろうなと思います」と笑顔を見せる。
なお本作は松竹創業百三十周年作品であると同時に、老朽化を理由に来年5月で閉館することが発表されている大阪松竹座のさよなら公演となっている。大阪松竹座にまつわる思い出を問われた中山は「僕は12歳、13歳の頃から毎年、松竹座に出させていただいて、夏と冬は毎年コンサートをさせていただいて、松竹座に育てていただきました。当時は小さな楽屋から、先輩たちが使っているメインの楽屋に憧れて、年齢を重ねていくごとに(大きな楽屋に)近づいて、『やっと入れた!』という瞬間も覚えているし、実家から毎日、電車で通っていた日々も昨日のように思い出します」としみじみ。「さよなら公演に立たせていただけるのは、松竹座にちゃんと感謝して御礼を伝えられる時間を与えられたと思っています」と強い思いを口にする。松竹座の楽屋は大浴場があることでも知られるが、中山も入ったことがあるそうで「当時はみんなで入って、先輩の浜中文一くんが毎日、一番に全裸で入って死んだふりをしていて、後輩が『大丈夫ですか?』というのを1か月間、毎日やらせていただきました(笑)」と明かし、会場は笑いに包まれていた。
家という多くの人が安らぎを求める居場所を舞台に「信頼とは何か?」がテーマとなっている本作だが、作・演出の藤井は作品と稽古の現場を重ね合わせ「そもそもの信頼って何なのか? 『はじめまして』の人も一緒に芝居を作る時の信頼関係って何なんだろうか? ただ仲よくというだけでなく、互いに信じながら、役柄としては戦いながら進んでいければと思います」と決意を語った。
取材・文/くろずなおき
(2025年11月13日更新)
チケット発売中 Pコード:536-627
▼12月6日(土)~14日(日)
(月)16:00 (火)(土)11:00/16:00 (水)(金)(日)11:00
※12/14(日)11:00/16:00。
※12/11(木)休演。
大阪松竹座
1等席-12000円 2等席-7000円 3等席-3000円
[作・演出]藤井清美
[出演]中山優馬/秋元才加/藤野涼子/井上拓哉/小林美江/駒井健介/勝賀瀬彩莉/雪見みと/舞羽美海/瀬戸カトリーヌ/駿河太郎/佐藤アツヒロ
※未就学児童は入場不可。3階席左右列のお席は劇場の構造上、舞台の一部が見えづらいお席となります。日時・席種により取り扱いのない場合あり。公演ホームページをご確認の上、ご購入ください。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売いたします。興行主の同意のない有償譲渡は禁止いたします。
[問]大阪松竹座■06-6214-2211