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南座「吉例顔見世興行」で
八代目菊五郎、六代目菊之助が襲名披露!

京都に冬の訪れを告げる南座「吉例顔見世興行」が12月1日(月)より幕を開ける。松竹創業130周年の掉尾を飾り、なおかつ八代目尾上菊五郎と六代目尾上菊之助の襲名披露でもある今年。昼の部は、京都ゆかりの『醍醐の花見』『一條大蔵譚』に始まり、『玉兎』『鷺娘』『俊寛』を、夜の部は『寿曽我対面』、八代目菊五郎、菊之助の『口上』、そして『弁天娘女男白浪』『三人形』を上演。豪華な顔ぶれで音羽屋の新たな船出を寿ぐ。

八代目菊五郎と菊之助が「吉例顔見世興行」や襲名に向けての思いを語った。

「12月の「吉例顔見世興行」は久かたぶりでございますが、1年の締め括り、そして次の年につながる大切な公演でございます。今は映画の効果もございまして、また、松竹130周年という節目の年で、歌舞伎に大変多くの注目が集まっています。今まで歌舞伎を支えてくださった方、そして歌舞伎に新しく興味を持ってくださった方への感謝の気持ちを込めて、精一杯努めさせていただきます」と挨拶する菊五郎。

菊之助も「この度、京都・南座での「吉例顔見世興行」に初めて出演させていただきます。先祖ゆかりの土地で襲名披露興行をさせていただくのは大変嬉しいことだと思っています。本日はどうぞ、よろしくお願いいたします」と、まっすぐな瞳で挨拶した。

昼の部で『鷺娘』を演じる菊五郎。『鷺娘』は九代目市川團十郎が現代の舞踊に作り変え、六代目菊五郎が繰り返し演じてきた演目。映画「国宝」でも話題を呼んだ。「映画での注目を胸に、今まで守られてきた古典の歌舞伎の精神をお客様と共有できたら、これほど幸せなことはないという思いで、『鷺娘』をさせていただきます」。

夜の部では『弁天娘女男白浪』で弁天小僧菊之助を演じる。音羽屋発祥の地である京都で、この演目を選んだ理由について、菊五郎はこう話す。「五代目菊五郎が作り上げて以来、音羽屋にとってとても大切な演目になっております。ゆかりの演目を、初代が生を受けました土地でぜひ勤めたいと思い、選ばせていただきました。私が『弁天』を京都で演じるのは、菊之助襲名以来、30年ぶりになります。約30年間、修行してまいりました成果をお見せできるように精一杯努めたいと思っております」。

初めての南座に菊之助は、こう意気込む。「とてもワクワクする気持ちもありますが、初めての劇場なので、緊張と不安の気持ちもあります。京都は初代菊五郎さんがお生まれになった土地なので、初代菊五郎さんに顔向けできるよう、日々努力してまいります」。

昼の部は『玉兎』、夜の部は『寿曽我対面』に出演する。「『玉兎』は、うさぎが月で餅をついている風景や、かちかち山のお話を物語る踊りでして、お客様に可愛く楽しく見てもらえるよう踊れたらと思います。『寿曽我対面』は初めて出演させていただくことをうれしく思います。先輩方がいて緊張する場面もあると思いますが、ちゃんとお腹から声を出して、響くようなかっこいいせりふを言えたらと思います」と気合を入れる。

襲名から約半年、どのような変化があったかと尋ねると、「お芝居を重ねていくうちに踊っている時の体力がついた気がします。小さい頃は緊張感でいっぱいいっぱいでしたが、最近は緊張感というよりもどうやってお芝居をして、お客様を楽しませられるかということを考えております」と、頼もしさを感じさせる菊之助。

そんな菊之助に、菊五郎はこう思いを寄せる。「倅の歌舞伎が好きだという思いは、小さい頃から現在に至るまで変わらない。それがとてもいいことだと思っています。大人の役をやるということは、その舞台以上の稽古を積むことで、それが本人の自信となり、お客様に対する礼儀だということを、私も先人たちから教わってまいりました。今、倅も言いましたけれども、体力的には少し成長しているようでございますので、この12月公演に向けて稽古を重ねてまいりたいと思います」。

今年は映画「国宝」の大ヒットで歌舞伎に注目が集まった。そこで、菊之助の同世代に向けて歌舞伎の魅力を語ってもらった。「歌舞伎に対して堅いとか、難しいと思っている子が多いのですが、映画を見て、舞台を見て、歌舞伎のファンになってくれたらと思っています」。

菊五郎も次のようにいざなった。「敷居が高い、難しいという先入観を持たれる方もたくさんいらっしゃると思うんですけれども、歌舞伎には、いろんな角度から楽しめる入り口がたくさんあります。色彩、音楽、衣裳、そして俳優の演技など楽しんでいただける芸だと思いますので、劇場で体験していただくことが一番だと思っております」。

取材・文/岩本




(2025年11月26日更新)


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写真左より)六代目尾上菊之助、八代目尾上菊五郎

京の年中行事
當る午歳 吉例顔見世興行
東西合同大歌舞伎
尾上菊之助改め 八代目尾上菊五郎襲名披露
尾上丑之助改め 六代目尾上菊之助襲名披露

チケット発売中 Pコード:537-067
(※3階左右列見切れ席 Pコード:538-187)

〈昼の部〉
『醍醐の花見』『一條大蔵譚』『玉兎』『 鷺娘』『平家女護島』
[出演]尾上菊五郎/尾上菊之助/片岡仁左衛門/中村鴈治郎/中村扇雀/片岡進之介/片岡孝太郎/松本幸四郎/片岡愛之助/中村勘九郎/中村七之助/坂東巳之助/中村壱太郎/中村隼人/中村虎之介/中村鷹之資/中村莟玉 ほか

〈夜の部〉
『寿曽我対面』『襲名披露 口上』『弁天娘女男白浪』『三人形』
[出演]尾上菊五郎/尾上菊之助/中村梅玉/中村歌六/中村鴈治郎/中村扇雀/片岡孝太郎/松本幸四郎/片岡愛之助/中村勘九郎/中村七之助/坂東巳之助/中村壱太郎/中村隼人/中村虎之介/中村鷹之資/中村莟玉 ほか

▼12月1日(月)~25日(木)10:30/16:30
※休演=12/9(火)17(水)
※貸切=12/20(土)昼の部
南座
1等席-26000円 2等席B-10000円 3等席-8000円
3階左右列見切れ席-10000円 
※2等席A、4等席の取り扱いはございません。日時・席種により取り扱いのない場合あり。4歳以上はチケットが必要。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売いたします。興行主の同意のない有償譲渡は禁止いたします。
[問]南座■075-561-1155

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