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AmBitious真弓孟之×羽野晶紀×古田新太の家族物語

2021年の初演以来、毎年キャストを変えて上演を重ねているリーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』が5回目の再演。原作は、兵庫県明石市在住の画家・絵本作家たなかしんの同名小説で、第53回日本児童文学者協会新人賞受賞作品だ。出演者は3人。今回は、AmBitiousの真弓孟之が"ぼく"役で初参加、ミュージカル『サンキュー・ベリー・ストロベリー』以来3年ぶりの主演舞台となる。"おかん"は4回連投の羽野晶紀、そして初参加の古田新太が"おとん"で出演。新家族3人が取材会に参加した。

「今回、こうやって超ビッグなおふたりと一緒にやらせてもらえると聞いて、ほんまに楽しみすぎて、おかしくなりそうなぐらいずっと楽しみでした」と初々しい真弓。取材会当日が初顔合わせだったが、ふたりから既に"タケ"と呼ばれていると緊張しつつうれしそう。本作は全編関西弁で綴られる笑いと涙の家族の物語。河原雅彦が演出を手掛け、"リーディングアクト"として、3人の俳優が台本を手にしながら演じ、立体的に魅せる。通常の朗読劇と一味違う舞台となっている。いつもトースターで焼く餅を焦がしてしまうので「餅が焦げへんようにしてください」と、夢で"おとん"が富士山に頼んだしょうもない願い。なんと、それが叶ってしまう。富士山はもうひとつ、願いを叶えてくれるらしい。"ぼく"は願ってはいけない願いを口にする。「おとん、おかんを生き返らせてもらおう」。たなかしんの劇中画と瓜生明希葉の音楽が効果的に使われ、関西風味の物語を素朴で温かな味わいで包む。

真弓は、3年前に関西ジュニアの先輩から台本を見せてもらっていた。「いつか自分もこういう役を演じてみたいと思っていました。でも、いざ自分に回ってきたら、続いている作品だからこそ、僕で途切れさせるわけにはいかないという責任感もあって。楽しみと不安がいいバランスで、本番がすごく楽しみです」と話す。4回目の羽野は「新しい家族を迎えて、新鮮な気持ちで来年またできるのは幸せです。本当にいい話なので、いろんな人に届けたいという気持ちがありますので、本当にありがたいことです。これまでふたりの息子と"おとん"とやってきましたけど、毎回全然違う。なので、今回もどんな感じになるのか、ワクワクが止まらない」と楽しそう。古田はオファーを受け「おいらでいいの? って思いましたね。今まで"おとん"をやっていたのは結構いい人をやる人たちでしたけど、おいらはあんまりいい人をやったことがないんで。殺さない、犯さない。こんなおいらですが、じゃあそういう役、やらせていただきますと。ま、でも大嘘こくのが俳優の仕事。基本的にはやったことがない役をやるのが好きなんでね。ふたりが言うようにいいお話で、おいらの先輩たちは、おいらがいい人の役をやると、ものすごく大笑いしてくれるので、それも含めて楽しみにしております」。

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本読みで河原が太鼓判を押したという真弓を、羽野は「ほんとにいい子。また素敵な子が来てくれた」と喜び、古田の"おとん"役には「とうとう来たなラスボス、という感じ。とってもうれしい」。古田は「タケの先輩はおいらの手下がめちゃくちゃ多い。道枝(駿佑)とか、長尾(謙杜)、西畑(大吾)とかは全員手下やからね。タケは大阪在住らしいから、大阪の手下がまたひとりできた。ありがたいなぁと。まぁAmBitiousもコンプリートしていこうかなと思ってる」。真弓は即「ぜひお願いします!」。そこに「行きたくない時は私に『やめとけ言われた』言うて断りや」と羽野。会場の笑いの中で、3人は既におもろい家族を構築している。

作品の印象と役への向き合い方を聞かれた真弓。「台本を読んだ時は、ポップでくすっと笑えるような掛け合いがめちゃくちゃ多いなという印象でした。"おとん"が言ってきたボケに対して明るくポップに返す。それは僕の強みかなと。でも、自分の内に秘めているものを表情や言葉で表現していくのは難しいなと。これから3か月、台本を読み込んで"ぼく"の気持ちに合わせていけるかが楽しみになっています」。続いて羽野は「毎回ライブ感があるというか、お客様も一緒に作ってるなという感じがする作品。あと、先輩がね、どうするかわからないから。それにどう受けられるか楽しみではあるんですけど...」。それに対して古田は「大体の作品はウロ覚えでやってるんで(笑)。基本的には、おいらが運んでいくお話なんですけどね。"おとん"はボケっぱなしなんで。もう、タケに任せた。受けんかったらツッコミのせいやからな」。「こわぁ~! 頑張ります」と真弓。楽しい舞台になるのは間違いないが、これまでと雰囲気が変わるかも?「ハートウォーミングで、ちょっとみんながホロッとくるようなお芝居。でも、おいら的には泣かすつもりはないからね。『え~?』って言いながら帰るような作品みたいになるかも。泣かそうと思ってやってる俳優はヘタクソやで」。

羽野と古田から真弓へのアドバイスは。「これは稽古が少ない。だから1回1回の稽古で思いっきりやった方がいいです」(羽野)。「稽古も、つつがなく、問題なくやれば早く帰れる」(古田)。「早く帰るためのコツですか?」(真弓)。「いい稽古ほど早く終わります」(羽野)。「なるほど。120%でやらせてもらいます。必死でおふたりに食らいついて頑張って行きたいです」(真弓)。

最後にメッセージを。「間違いなく素敵な舞台になると思います。いろんな方に届けたいので、多くの方に来ていただきたいです」(羽野)。「タケがいいヤツだっていうのがうっすらわかってきた。楽しい家族にして、みんなが劇場をあとにする時には、ちょっとほっとしたり、ホロっとしたりという気持ちになっていただければ。そのために頑張ろう」(古田)。「はい! 至らないところもたくさんあると思いますが、心強い"おとん""おかん"についていきます。皆さん、楽しみに劇場にお越しください」(真弓)。

取材・文/高橋晴代
撮影/須佐一心  




(2025年11月12日更新)


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写真左より)古田新太、真弓孟之、羽野晶紀

リーディングアクト『一富士茄子牛焦げルギー』2026年上演版

Pick Up!!

【大阪公演】

12月6日(土)一般発売 Pコード:537-617
▼2026年1月15日(木)18:30
    1月16日(金)18:30
    1月17日(土)12:00/16:00
    1月18日(日)12:00/16:00
サンケイホールブリーゼ
S席-7800円 A席-6800円 
[原作]たなかしん [演出]河原雅彦
[脚本]野上絹代 [音楽]瓜生明希葉
[出演]真弓孟之/羽野晶紀/古田新太
※未就学児童は入場不可。車いす席をご利用のお客様はチケットをご購入の上、ご来場の3日前(土日祝除く)までにお問い合わせ先にご連絡ください。公演中止の場合を除き、チケットの払い戻しはいたしません。2枚以上でご購入されたお客様は、状況によっては連席でご案内できない場合がございます。予めご了承ください。ご来場前に必ずオフィシャルサイトにてご観劇前に際してのお願いをご確認ください。
[問] リコモーション■06-6923-3535

【東京公演】

▼2026年1月29日(木)~2月1日(日)
渋谷区文化総合センター大和田 4階 さくらホール

公式サイト
https://www.ricomotion.com/1fuji2026/

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