ホーム > NEWS > 新感線45周年“まつり”だ! “歌舞伎”だ! 全員集合!
劇団☆新感線が45周年興行と銘打った新作は、10年ぶりとなる"チャンピオンまつり"×"いのうえ歌舞伎"の『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』。作品は座付き作家・中島かずきの書き下ろしだ。物語の舞台は幕府の改革により贅沢禁止、歌舞音曲なども規制中の江戸時代。そんな中、歌舞伎の名作『忠臣蔵』を上演するため、芝居作りに情熱を注ぐ演劇人たちを描く。歌舞伎の名シーンをリスペクトした劇中劇の数々、これまでの新感線45年分の作品をごった煮したセルフパロディ・セルフオマージュの要素が、いのうえひでのりの演出で華々しく立ち上がる。出演は劇団の看板俳優・古田新太、高田聖子、粟根まことらに加え、劇団公演が6年ぶりの橋本じゅん、8年ぶりの羽野晶紀、5年ぶりの橋本さとしも参加。さらに準劇団員とも言える、小池栄子、早乙女太一、向井理が参戦する。笑い満載で、歌も踊りも立ち回りも存分に繰り広げる、新感線ならではの熱い舞台。稽古中のいのうえ、古田、小池、早乙女、向井が来阪し、見どころや意気込みを語った。
45周年について、いのうえは「過ぎてみれば45年経ってるのかと、あっという間だったなぁと思います。当初、劇団として大きくしていくという展望があって続けたわけじゃなくて、本当に目の前の1本ずつをやってきて、今に至っている」と、振り返る。今回は"チャンピオンまつり"で元劇団員らと31年ぶりの集結となる。古田は「別段、何にも感じない。羽野とかさとしとか、しょっちゅう会ってるし、あ、じゅん、久しぶり~、みたいな感じです(笑)。(客演の)3人も、ちょくちょくうちの劇団に出て顔見てる人たちだから、なんの感慨もないです(笑)」。ふたりの感想は45年を経ても不変だ。
今回の演目は「中島くんとは、久しぶりにみなさんがそろうので、やっぱりお祭り感のある演目にしたいなと話をして。『忠臣蔵』は、彼の中で前々からやりたかった話のストックのひとつだったと思います。ちょうど今回、いい感じでそれがハマったんじゃないかな」。そして今、絶賛稽古中だ。稽古場は「当時の(大阪)芸大の学食みたいになってます」と言う古田に、小池も「部活に参加してるみたいな熱さのある、手作り感満載の稽古場です」と楽しんでいる様子だ。
今回の役どころを自ら紹介してくれた。古田は、幕府に逆らって"闇歌舞伎"を率いる座長・弾兵衛。「劇中劇でいろいろな役をやるけど、全部弾兵衛のままじゃねぇかという役」。小池は、父親(橋本じゅん)に子どもの頃から芝居を叩きこまれ、花形役者になるため江戸へ行く娘・お破(やぶ)。「めちゃくちゃ楽しい、おもちゃ箱のような本。お破は猪突猛進型の活発な女の子で、ずっと啖呵切ったり走り回ったり、殺陣もアクションもありで、もっと体力をつけないと」。早乙女は、江戸で芝居小屋をやっている橘川座(きっかわざ)の跡取り息子で看板役者・夜三郎。2009年『蛮幽鬼』以来の女方だ。「今回はセリフの言い方や振付もご指導いただいたので、それに沿ってできたら」。向井は、橘川座の狂言作者・真狩(まがり)天外と、幕府の若年寄でエンタメを弾圧する藤川采女(うねめ)の二役。「芝居やろうぜっていう役と芝居やっちゃダメっていう役で、対極にいるし言葉使いも違うから2役でもすごくやりやすいです。脚本家の役は初めてですが、かずきさんの思いがすごく乗っかってるキャラクターじゃないかなと思います」。最後にいのうえが締める。「タイトルに"いのうえ歌舞伎"とついていますが、お客さんにはお祭り騒ぎ的なテイストの方が感じられると思う。そういうノリに乗せた熱い話です」。
その見どころは各人さまざまだ。「アクションとダンサーのアンサンブルの人たち。コーラスもやらなきゃいけないし、本当にいろんな役で出てて、一体何役やってるんだっていうぐらい」(古田)。「じゅんさんの親父さまが魅力的です。久しぶりにメチャメチャ熱いじゅんさんで、やれることをすべて出し切って、顔芸もありで。『轟天』のファンだった方も喜べるじゅんさんが観れると思います」(小池)。「じゅんさんの芝居を見てる小池さんの顔を見るのがすごく好き。コロッケさんみたいに、どんどん顔がじゅんさんになっていく感じが今の時点で親子の感じがあって、見ていてすごく楽しいです」(早乙女)。「最初からトップスピードで始まって、台風の目みたいにグルグルグルグル。結構な長時間になると思われますが、それを感じさせないぐらいのスピード感になると思います」(向井)。小池が最後に「あと古田さんの登場がカッコイイ。私がお客さんなら『待ってました!』って言う。『わぁ~、来た~!』って」。いのうえが「あまり言うとネタバレになるから(笑)。でも、お客さんは大喜びすると思います。楽しみにしていてください」。
一同からみなさんへのメッセージを。「久しぶりに劇団員勢ぞろいで、ゲストもよく知ってる3人。作品自体はみんな大変だと思うけど、お客さんはちょっと『忠臣蔵』を勉強しておいた方がいいかなぐらい。そういうこともやるのねみたいなのが満載なので。敷居は低いですし、普段お芝居を観ない方でも楽しめるように作ってますので、ぜひとも観に来ていただきたいなと思っています」(古田)。「来てくださる皆さんの貴重なお時間をいただいて、絶対に後悔させてはいけないなと思いますし。 45周年ということですごく思い入れのあるファンの方たちがたくさん観に来られると思うんですよね。今回客演として選んでいただいて、その方たちに納得していただけるように今、日々一生懸命稽古を頑張ってますので期待しておいてください。頑張ります!」(小池)。
「この45周年という記念すべき公演に、僕は本当に感動していて。今、稽古場で既におもしろいシーンがたくさんで、きっと楽しんでいただけると思います。どんな人が観ても楽しめるのが新感線の魅力。ぜひ劇場で観ていただけたら嬉しいです」(早乙女)。「『爆烈』と書かれている通り、本当に爆発するような話です。とにかく歌も踊りも立ち回りも派手で。45周年だからこそなのか、お芝居をやりたい人たちの熱い話になっているので。いろんなオマージュとかがあって、それはわからなかったとしても、本筋がちゃんと見える素晴らしい台本になっていると思います。45周年、また新たな新感線が始まるんじゃないかという思いにもなるような作品になってますので、ぜひ生で見ていただけたらと思います」(向井)。
「今までの作品に出ている人たちがたくさんいるので、あのシーンのこれが、とかをちょっと寄り道して入れたり。だから今まで観てくださった人は『あぁこれか!』みたいなものを見つける喜びもあるだろうし、作品をよく知らなくても話は普通に進むので、過去の作品を見ておかなきゃ、というようなことはないです。ただ、『忠臣蔵』は昔は年中行事のように年末に必ずやってて、昭和世代の人たちは知っていても今はそうでもないから、『忠臣蔵』の話は最低限知っといてもらうとより楽しめるかなと思います。新感線は、どちらかと言うとドラマチックな"いのうえ歌舞伎"がわりとお客さんには知られていて、今回も本質的にはそういうところもありますが、『月影花之丞大逆転』(2021年・コロナ禍で大阪公演は途中休演)のように、久しぶりに比較的ネタものチックなテイストの作品で45周年を迎えられるっていうのが、僕も本当に幸せです。その楽しさをみなさんにも感じていただきたいので、ぜひ劇場に足をお運びください」(いのうえ)。
取材・文/高橋晴代
撮影/福家信哉
(2025年9月 5日更新)
▼9月19日(金)~23日(火祝)
まつもと市民芸術館
9月7日(日)一般発売 Pコード:532-120
▼10月9日(木)~23日(木)
フェスティバルホール
S席-16800円 A席-12800円
ヤングチケット-2200円(来場時22歳以下対象/当日引換券/要年齢表記の身分証)
[作]中島かずき [演出]いのうえひでのり
[出演]古田新太 橋本じゅん 高田聖子
粟根まこと 羽野晶紀 橋本さとし/
小池栄子/早乙女太一/向井 理/
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎
村木よし子 インディ高橋
山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル
中谷さとみ 保坂エマ
村木仁 川原正嗣 武田浩二/他
※未就学児童は入場不可。ヤングチケットは来場時に22歳以下のみ購入可。当日引換券。開演1時間前から、整理番号順に「当日券受付」にて、年齢明記の身分証提示の上、座席指定券と交換。 ※出演者変更に伴う払戻し不可。車いす席をご利用のお客様はチケットをご購入の上、事前に問合せ先にご連絡下さい。2枚以上でご購入されたお客様は、状況によっては連席でご案内できない場合がございます。予めご了承ください。公演中止を除き、払い戻しはいたしません。予めご了承下さい。
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