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「五輪の名花」チャスラフスカが人形劇になって帰ってくる!

1964年に東京五輪が開催され60周年を迎えた昨夏、日本で幕を開け、東欧各地で多くの人を魅了した『チャスラフスカ 東京 1964 -伝説の選手 誕生の物語-』。この記念すべき舞台が、再び日本上陸。8月15日(金)、大阪・扇町ミュージアムキューブ CUBE01にて上演される。

本作は日本の人形劇団プークとチェコのアルファ劇場の共同制作で、「東京五輪の名花」とも称されたチェコの体操選手ヴェラ・チャスラフスカをめぐるコメディ。チェコと日本の1960年代風の楽しい舞台美術を背景に、二カ国語による実況中継をストーリーテラーとして、チャスラフスカが最強の体操選手になるまでの物語を描く。

チケットは発売中。




【受賞】
■プラハ児童演劇フェスティバル最優秀作品賞(ヤン・ボルナ賞)
チェコと日本の人形劇の美学を融合させ、体操選手ヴェラ・チャスラフスカの物語を通じて、国家的特性や歴史的背景を非定型的に描き出した点において

2024年プルゼニュ市芸術賞(年間最優秀文化イベント部門)
主演のクリスティーナ・フランコヴァ氏、オリンピック解説者兼コーチ役のダニエル・ホレチュニー氏、そして日本人俳優の有田智也氏の演技に対する高い評価

【昨年のアンケートより】
55人の児童と、私たち教師から感謝の気持ちを伝えます。大人は何度も涙し、子どもたちは興奮が止まず、最後は皆でスタンディングオベーションをしました。観劇後、20世紀の歴史を学ぶ授業の中でチャスラフスカ選手へ宛てた手紙を書きました。その手紙から、子どもたちが彼女の行動に対して誇りを持っていることが伝わってきて、本当に嬉しく、舞台のおかげだと確信しました。彼女のように、正直で勇敢な人たちのことを忘れず、記憶に留めておくことがどれほど大切かを実感しています。これからもどうか、老若男女問わず多くの方々がこの舞台を楽しまれることを願っています。(プラハ市内小学校)

素晴らしかったです。チェコの文化の底力と日本の感性を見事に表現。想像もしていなかった世界でした。難しいテーマもコミカルに描かれ、客席との一体感も心熱く、夢のようなひとときでした。生演奏の迫力、人形劇が実際の演技や影絵になったりと表現方法も多彩で、体操演技のシーンは特に手がこんでいて驚きました。現代を生きる私たちに人形劇を通じて、このような歴史や物語を紡いで下さり、本当にありがとうございます。(東京都20代女性)

【作品の背景】
1960年代当時、ソ連体制下にあったチェコの政治と文化に、一時の自由の風が吹いていました。日本でもよく知られるチェコの文学・映画の名匠たち、たとえばミラン・クンデラ、ヴェラ・ヒティロヴァー、ミロシュ・フォルマンなどが活躍し、音楽やファッションも新時代の息吹に満ちていました。その最中、チャスラフスカは東京で3つの金メダルを獲得し、一躍チェコの国民的スターになったのです。チャスラフスカは、自由で華やかな時代の象徴でした。みなさんがご覧になるこの人形劇にも、1960年代チェコの音楽、映像、ファッションがたくさん登場します。

もちろん日本にとっても、アジア初五輪を実現したこの東京大会は忘れがたいものでした。チャスラフスカと共に、日本の遠藤幸雄が個人総合金メダルを得たほか、日本体操チームは合計10ものメダルを得ました。またこの大会には亀倉雄策、丹下健三、市川崑など日本を代表する芸術家がたずさわり、日本の芸術文化の水準を国外に示しました。この東京オリンピックを機に、日本は国際社会に躍り出たのです。

この人形劇では描かれませんが、東京オリンピックの数年後、チェコに「プラハの春」と呼ばれる政治的・経済的自由化の時代が訪れます。ただし、長くは続きませんでした。1968年にソ連がチェコに侵攻し、当時の政府は解任され、ソ連が直接任命した人々がそれに代わりました。チャフラフスカは、これに即座に抵抗の意を示します。1968年のメキシコ五輪で、国歌斉唱中にソ連への非難を示すジェスチャーを行ったのです。東京で3つ、メキシコで4つの金メダルを獲得し、栄光の頂点にあったはずのチャスラフスカは、その後20年近くもの間スポーツ生命を絶たれることになりました。オリンピックは常に政治と不可分でしたが(私たちがつい数年前に名ばかりの「復興五輪」を行ったように)、チャスラフスカも身をもってそれを知る一人でした。彼女が再び世に出たのは、ソ連崩壊後の1990年のことです。チェコスロヴァキア大統領となったヴァーツラフ・ハヴェルの顧問官に就任し、その勇気と意志の強さがふたたびチェコの人々を支えたのです。

【伝説の女子体操選手、ヴェラ・チャスラフスカ】
1964年の東京五輪にチェコスロヴァキア代表選手として出場、3つの金メダルを獲得して一躍スターになりました。1968年メキシコ五輪でも4つの金メダルを獲得しましたが、同年のソ連による軍事侵攻に抵抗したため、以降20年近く選手生命をはく奪されました。民主化の始まりと共に、ハヴェル大統領の顧問官に就任し、公の場に復帰しました。

【観客のみなさんへ】
今回のお芝居は、彼女の激動の人生の、一番華やかな時代に焦点をあてて描かれます。しかし、彼女が生涯かけて貫いた、信念と、勇気、そして強く美しい友情を、今の子どもたちに感じてほしい。もう一度、あの素晴らしい「ヴェラ・チャスラフスカ」に出会ってほしい。そう心から願っています。

人形劇団プーク
(1929年創立、日本でも最も長い歴史をもつ現代人形劇団。)



この作品は、1960年代のチェコと日本で本当にあったできごとを元にした、子どもと大人のための人形劇です。舞台は、東京五輪が開催された夏の2週間。この人形劇はきっと楽しいハッピー・エンドを迎えます。しかし現実には、人々が自由を得るまでにこの後も長い物語が続くのです。

アルファ劇場
(チェコを代表する公立人形劇場。ビールで有名なプルゼニュにある。)

(2025年8月 1日更新)


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人形劇団プーク
『チャスラフスカ 東京 1964 -伝説の選手 誕生の物語-』

チケット発売中 Pコード:536-171
▼8月15日(金) 18:00
扇町ミュージアムキューブ CUBE01
全自由席 前売-2000円
※未就学児は無料、小学生以上有料。上演時間65分。休憩無し。
[問]人形劇団プーク■03-3370-3371

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公演HP