北川拓実が『チョコレート・アンダーグラウンド』で本格的なミュージカルに初挑戦！

アイドルグループ・少年忍者の北川拓実が世界初演のミュージカル『チョコレート・アンダーグラウンド』に主演する。作品は日本でも一大ブームとなったイギリスのアレックス・シアラーの同名小説が原作。本格的なミュージカルは初めてだという北川が取材会で語った。

設定はとある架空の国。国民が政治に無関心だったために、チョコレートを禁止する極端な"健全健康党"という政党が政権を握り、日々あたり前に暮らしていた人々の生活が一変する物語だ。「チョコレートを食べると捕まって、収容所送りになってしまう禁止法が発令される。台本と原作を読んで、選挙に行かず、政治に無関心でいることの怖さを感じ、危機感を抱きました。僕も政治についてはよく知らなかったので、そこがリンクしています」と話す。

北川はチョコレートを密売し、不条理な世の中と闘う、主人公の勇敢な少年スマッジャーに扮する。「彼のように勇気や考えを持って行動していかないと、世界が大きく変わって平和がくずれてしまい、取り返しのつかないことになる。そんなことが起こりうる可能性があると気づかされた作品です。スマッジャーのように自分の信念を諦めずに燃やし続けることが、この作品の一番伝えたいメッセージだと思うので、僕も彼のような行動を取れる人間でありたいです」と、大いに触発されているようだ。ただ、「もしチョコレートが禁止される世の中になったらどうしますか？」という会場からの質問には、「正直に言うと、別の甘いものを食べると思います」と即答し、笑いを誘っていた。

『チョコレート・アンダーグラウンド』は日本でアニメ化もされたが、原作のファンは依然として多い。「なるべく皆さんが持つスマッジャーのイメージを壊さないよう、原作ファンの期待に応えたいです。お客さんが大人になって忘れていた、子ども時代の大切な思いに再び火を付け、勇気に変わるような舞台を届けたいです」と決意を固める。

ミュージカルに出演することは大きな夢で目標だったと言う。事務所の先輩が出演するミュージカルを見て感動し、いつか自分が舞台に立つ側になりたいと願い続けてきた。「稽古が始まってワクワクしています。ミュージカルは身体全体で気持ちを表現できる。ただ歌うのではなく、役の心情を歌うことが大切なので、稽古を積み重ねてお客さんの心を動かしたい。キャストはミュージカル経験も豊富な年上の方ばかりで、その中で演じるのはプレッシャーですし、足を引っ張っちゃいけないなと。最初は縮こまっていましたが(笑)、僕が一番頑張って追いつかなきゃいけない。人一倍頑張って、スマッジャーと向き合い、皆さんと仲良くなってこの作品を深めていきたいです」。

憧れている人は嵐の二宮和也やSixTONESの京本大我らだそう。「もともとアイドルになりたくて今の事務所に入ったので、アイドルも続けていきたいですし、お芝居も大好きなのでもっと経験を積みたい。どちらの面でも、人に希望や夢を与える存在になりたいです」と目を輝かせて答えていた。

取材・文／米満ゆう子

（2025年6月 4日更新）