ホーム > NEWS > 松竹新喜劇の陽春公演は、 昭和の魅力がたっぷり詰まった名作を2本立て上演
昭和100年の今年、昭和の魅力がたっぷりの芝居を2本立てで上演する「春だ!笑いだ! 松竹新喜劇 陽春公演」。1本目の『二階の奥さん』は、息子の嫁より若い妻と再婚した吾平の家に、それを知らない息子夫婦が急に帰って来たために巻き起こる爆笑喜劇だ。2本目の『人生双六』は、昨年実施した松竹新喜劇演目総選挙第1位の作品で、好評につきアンコール上演する。失業中の宇田と浜本が出会い、5年後の再会を誓うが...という松竹新喜劇の代表作。今回は浜本役に映画「侍タイムスリッパー」の劇中劇で"心配無用ノ介"を演じて話題の田村ツトムも出演。藤山扇治郎、曽我廼家一蝶、曽我廼家いろは、曽我廼家桃太郎と共に会見に臨んだ。
昨年8月の単館上映からSNSで話題となり、全国約300館まで拡大上映された「侍タイムスリッパー」。松竹芸能を経てフリーの俳優として臨んだ田村は「目標はもう一度、大阪松竹座の檜舞台に立つことでした。それがこんなに早く叶うとは。そして出たかった『人生双六』の浜本という大きなお役をいただき、今も夢のようです」と、いささかの緊張と高揚感を漂わせて語る。そんな彼を昔から知る松竹新喜劇メンバーの視線はとても温かだ。高校卒業以降、何度も一緒に舞台に立ち「にいちゃん」と親しんでいた一蝶、かつての田村と同じ松竹芸能に所属する桃太郎は昨年の上演と同じ浮浪者・マー公役で共演、映画の活躍を経て再び舞台を共にできる喜びを語った。
また、田村は2014年の大阪松竹座で「道頓堀喜劇祭り」に出演し、扇治郎とも共演済み。その時の演目『一姫二太郎三かぼちゃ』で夫婦役だったいろはとは、今回『人生双六』で再び夫婦役を演じる。この作品の魅力を田村は「浜本は人生で成功する側の役ですが、根本にあるのは人間のやさしさ。ふたりが5年後に再会して境遇が天と地に分かれても、互いに人生の深さを持っている。うまく表現できるか、一生懸命頑張ります」。昨年初めて藤山寛美の当り役だった宇田を演じた一蝶も「田村さんの浜本役、ハマるなと。何の心配もしていません」。すかさず「心配ご無用!」とエエ声を放つ田村。映画「侍タイムスリッパー」以降「"心配"と聞くと条件反射で"ご無用"と言葉が出てしまう」と笑わせる。
『二階の奥さん』は21年に南座で上演したが、今回は設定を藤山寛美が演じていた昭和の時代に戻しての上演に。家主・吾平役は曽我廼家寛太郎、その若妻役に入団2年目で26歳の能勢優菜が大抜擢。また一蝶が吾平の息子役で出演し「せっかくなので、もしかしたらサプライズで田村さんに出ていただける可能性も」と発言。「気持ちに余裕があれば」と謙虚?な田村だが、「今はもう配信の世の中。いかに劇場に足を運んでいただけるかが、これからの僕らの目標」と今後を見据える。扇治郎も「まだ松竹新喜劇を観たことがない方に観ていただくことが大事」。昭和の時代のイメージについて「温かさや人情」(扇治郎)、「携帯電話のない時代」(一蝶・いろは)、「お醤油の貸し借りとか人の心の距離が今より近かった。あとは花柄デザイン(笑)」(桃太郎)、「隣同士やご近所づきあいの関係性があった、昭和の古き良き時代が今なかなかないので、昭和のにおいのする松竹新喜劇のお芝居を観ていただいて、こういう時代があったんだということをもう一度親子で話せる機会があればと思います」(田村)。今回は昭和の時代と空気がしっかりと息づく2演目。昭和レトロの体験を生の舞台で。
取材・文/高橋晴代
(2025年4月 1日更新)
チケット発売中 Pコード:532-138
▼4月19日(土)~27日(日) ※4/23(水)休演。
11:00/15:00
大阪松竹座
一等席-11000円 二等席-5000円 三等席-3000円
[出演]藤山扇治郎/曽我廼家一蝶/曽我廼家いろは/曽我廼家桃太郎/田村ツトム/松竹新喜劇劇団員/他
※4歳以上はチケットが必要。日時・席種により取り扱いのない場合あり。公演ホームページをご確認の上、ご購入ください。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売いたします。興行主の同意のない有償譲渡は禁止いたします。
[問]大阪松竹座■06-6214-2211