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大阪で初の『連獅子』親子共演
市川新之助が大阪松竹座「十月大歌舞伎」への
意気込みを語る

大阪松竹座で上演される市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露、八代目市川新之助初舞台「十月大歌舞伎」(10月10日初日~26日千穐楽)で、同座に初出演する市川新之助が、9月6日に都内で行われた取材会に出席した。

令和4年11月の東京・歌舞伎座からスタートした、父・團十郎の襲名披露と自身の初舞台の興行は、博多、京都、名古屋と各地を巡り、大阪の地で締めくくりとなる。「襲名披露としては大阪が最後ですが、新之助としてはこれからも頑張っていくので、たくさん努力したいです。この2年はすごく短く感じました。いま僕は小学校6年生で、『毛抜』の粂寺弾正を歌舞伎座で演らせていただいた頃(令和4年12月)は4年生だったのかぁと思います(笑)。『外郎売』『毛抜』という(家の芸の)歌舞伎十八番の演目を演らせていただいて、貴重な経験だったなと思いました。東京以外の公演に出させていただくと学校に行けなかったり、舞台の後に学校があったり、色々と大変でしたけど、楽しかったです」とにこやかに振り返る。

大阪では、夜の部の『連獅子』で狂言師左近後に仔獅子の精に初挑戦。狂言師右近後に親獅子の精を團十郎が演じるという、二人にとって、この演目で初となる親子共演だ。能の『石橋』を基にした長唄の人気舞踊で、前半では霊地・清涼山の麓の石橋を舞台に、二人の狂言師が手獅子を持って現れ、霊獣である獅子が厳しくも温かく子を育てる姿や親子の情愛を描いていく。後半では、親獅子と仔獅子の精が迫力に満ちた毛振りを繰り広げ、華やかで勇壮な獅子の狂いを見せる。

新之助は「これまで歌舞伎十八番の中の二役を演らせていただいて、新たなものに挑戦したいと思いました。僕は『連獅子』が好きで、子供の頃から父の舞台映像を多く観ていて、すごく楽しかったので、挑戦したいとずっと思っていました。仔獅子の精は難しいお役だろうなとイメージはしていましたが、いざお稽古してみると、思っていたよりも難しいです。親獅子の精と振りを合わせるところで息がぴったり合っていないといけないですし、毛振りを合わせるところも大変じゃないかなと思っています。毛は重いので、体力がないとできないと思います。父には音の取り方とか、振りの形を教えてもらっています。全部覚えて練習して精一杯演らせていただくので、全部観ていただいたら嬉しいです」と抱負を語った。

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大阪松竹座の舞台に立つのは今回が初めて。「客席から観たことはありますが、小さい頃だったので、あまり覚えていないです。大阪には最近、お姉ちゃん(市川ぼたん)の始球式に付いてきた時、"すごい都会だな"という印象がありました。初めての劇場に出させていただくという緊張感もありますが、ワクワクするので楽しみにしています」と微笑んだ。

新之助と呼ばれることについては、「僕の中では、そんなに慣れていないです。"新之助さん"と呼ばれるよりも、プライベートで"勸玄(かんげん)さん(本名)"と呼ばれる方が多いので」と話す。襲名披露が始まってから約2年の時が経つが、「自分自身では成長というのは分からないですけど、身長は伸びました。前に比べて気持ちが変わったのか、友達から"勸玄、性格変わった"と言われました(笑)。自分では変わったという意識はないですけど」と落ち着いた朗らかな口調。

憧れの役を聞かれ、「父の助六(『助六由縁江戸桜』の花川戸助六)を観ていて面白いなと思ったので、いつか演ってみたいです」と語った新之助。記者会見に一人で臨むのは、この日が初めてだったが、報道陣の矢継ぎ早の質問にも堂々と受け答え、小学生とは思えないほどしっかりとした大物ぶりを発揮していた。

取材・文/坂東亜矢子




(2024年9月19日更新)


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市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台 「十月大歌舞伎」

9月20日(金)一般発売 Pコード:527-339
▼10月10日(木)~26日(土) ※15日(火)・21日(月)休演。
〈昼の部〉11:00 「雷神不動北山櫻」
[出演]市川團十郎白猿/中村梅玉/中村雀右衛門/中村鴈治郎/中村扇雀/松本幸四郎/市川右團次/市川男女蔵/中村児太郎/他

〈夜の部〉16:00 「義経千本桜/一條大蔵譚/口上/連獅子」
[出演]市川團十郎白猿/市川新之助/中村雀右衛門/中村鴈治郎/片岡孝太郎/松本幸四郎/市川右團次/他

大阪松竹座
一等席-22000円 二等席-11000円 三等席-6000円 
※日時・席種により取り扱いのない場合あり。4歳以上はチケットが必要。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売いたします。興行主の同意のない有償譲渡は禁止いたします。
[問]大阪松竹座■06-6214-2211

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