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能狂言で魅せる『鬼滅の刃』大阪の劇場に初登場!
炭治郎と禰豆子2役を演じる大槻裕一にインタビュー

あの人気漫画『鬼滅の刃』(集英社刊)を能狂言化した話題の舞台が、能楽堂公演を経てついに大阪の新劇場に登場する。2022年に東京・大阪、昨年は4都市の能楽堂で公演し好評を博した。家族を鬼に殺された少年・竈門炭治郎が、鬼になった妹の禰豆子を人間に戻すため、"鬼殺隊"へ入隊することから始まる人気の漫画が原作。"鬼も人間だった"。そこに能楽と『鬼滅の刃』の親和性を見出した野村萬斎は、物語に寄り添いながら能楽堂にその世界観を持ち込み、古典を巧みに生かして演出した。今回の上演に向けて、これまでの35公演、炭治郎と豆子2役を演じた能楽師の若手ホープ・大槻裕一が、思いを語った。

鬼の悲哀は能楽で、コミカルな表現は狂言で。コスプレの子供たちも能楽通の大人も"全集中"だった観客席。「お客様の集中力にいつも圧倒されていました」と裕一。漫画を読んだ時は「能にしたら絶対おもしろい」と思った。「鬼の心情や、鬼と人間の情愛まで描かれていて、能狂言と『鬼滅の刃』の伝えたいことがすごく重なっている。能狂言でやる意味はそこにあると思います」。

今作のキーワードは"人も鬼、鬼も人"。裕一はシテ(能の主役)として炭治郎の素直さ、真面目さをまっすぐに演じた。「能面を付ける豆子に違和感はなかったですが、直面(ひためん)、素顔で出る炭治郎が最初は怖くて。それに、みんなが思う炭治郎像があるので、ガッカリさせないかなと」。萬斎による連日の稽古から演じ方をつかんでいったと話す。「公演中もお客様のアンケートを大切に、毎日確認映像を撮って千秋楽の朝までずっと稽古でした。今回も絶対続くと思います(笑)」。稽古の中で生まれ、進化していく劇場ならではの演出に期待したい。

萬斎を筆頭に、稽古好きが集まった最良の座組。狂言師では善逸の野村裕基、伊之助の野村太一郎らが適材適所の配役で笑わせ、人間国宝・大槻文藏は、見どころの"那田蜘蛛山(なたぐもやま)"の場面で存在感を示す。「能楽の古典を散りばめたアクションシーンで、『能ってこんなにおもしろいんだ』と思っていただけると思います。この舞台は真面目な場面、怖い場面、おもしろい場面などが交互にあって飽きさせず、能狂言のいいとこ取りを一気に2時間で楽しめます。初めて能狂言をご覧になる方のきっかけに最適な公演ですね。大人の方には『鬼滅の刃』の深さに入っていただき、子供たちも知っているキャラクターがたくさん出てくるので楽しんでもらえると思います。今回は劇場で夏休み。ぜひ、来ていただきたいです!」。

※禰豆子の「禰」は「礻(しめすへん)」が正式表記となります。

取材・文:高橋晴代




(2024年8月 2日更新)


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©吾峠呼世晴/集英社 ©吾峠呼世晴/集英社・OFFICE OHTSUKI
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「能 狂言 『鬼滅の刃』」

チケット発売中 Pコード:524-180
▼8月21日(水)18:00
▼8月22日(木)13:00/18:00
▼8月23日(金)13:00
▼8月24日(土)13:00/18:00
▼8月25日(日)11:30/16:30
SkyシアターMBS
全席指定-12500円 全席指定(小学生)-6250円 
[原作]『鬼滅の刃』吾峠呼世晴(集英社ジャンプ コミックス刊)
[監修]大槻文藏
[演出・謡本補綴]野村萬斎
[作調]亀井広忠
[原案台本]木ノ下裕一
[出演]大槻文藏/大槻裕一/野村萬斎/野村裕基/野村太一郎/福王和幸/福王知登/他
※未就学児童は入場不可。演出上、開演後数分間途中入場できません。お時間に余裕をもってご来場ください。公演中止時を除き、チケットの変更・キャンセルはお受け致しかねます。車いすでご来場されるお客様は事前にキョードーインフォメーションまでご連絡ください。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

公式サイト
https://kimetsu-nohkyogen.com/

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