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茂山千五郎家が夏休みに贈る狂言おもしろ自由研究!

京都・大蔵流 茂山千五郎家の5人の狂言師(千五郎・宗彦・茂・逸平・千之丞)によるユニットCutting Edge KYOGEN(カッティング・エッジ狂言、以下CEK)。兵庫県立芸術文化センターでは2012年から「HANAGATA」の名称で開催、「HANAGATA」卒業後の20年からは最先端(Cutting Edge)な狂言を届けようと改称して上演を継続、今回が5回目となる。

毎夏恒例の公演はメンバーが作った新作を上演するが、今年は「CEK」として初めて外部へ作品を委託、関東で劇団「あやめ十八番」を主宰する作家・演出家・俳優の堀越涼による新作狂言も加えた全3作。その稽古の真っ最中、茂山家の稽古場で5人が会見、意気込みを語った。

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最初の作品は『蝸牛・改』。古典の『蝸牛』のパロディで、同劇場で7年ぶりの再演。"蝸牛"とはカタツムリのこと。主人の命でカタツムリを知らない太郎冠者が探しに行くが、山伏をカタツムリと間違えて...という話。逸平が初役で山伏を演じる。「今年もおじさんたちが精一杯まじめにふざけますので、観に来ていただきたいと思います」。

次に『馬~HORSES HAVE BAD DREAMS~』。「馬も悪い夢を見る日もあるよ、という作品です」(千之丞)。主人がお茶比べに必要な馬を太郎冠者が伯父の家に借りに行くという、古典の『止動方角』をSF的な世界観でアレンジ。突然〇〇になるという馬役の宗彦は「主役の"馬"です。古典とは違う馬で、出た瞬間に何が違うのか一目瞭然。お客様よりも馬を演じることを全力で楽しもうと思っておりますので、私の主役を観に来てください」。また茂は狂言ではあまりない主人と伯父を1人2役で。「僕はひとつの作品で同時に2役は初めての試み。何とか頑張っていきたいです」。

そして堀越涼が手掛ける新作『猫奉公』。妻の尻に敷かれている無職の夫が、捨て猫に声を掛けられ連れ帰る。そこへ捨て猫の元の飼い主という男がやってきて...。妻役は茂。「狂言でよく出てくる"わわしい(気が強い)女"。パワフルな女房役で僕の得意な役です。持っている力を十分に発揮できるかなと思っています」。かわいい子猫役には千五郎。「メンバーの中で唯一、50歳になりました。老体に鞭打って頑張っていきたいと思っております」。これまでタヌキや犬など千五郎の動物役は人気だが「今回ちょっと工夫します」と言う千之丞。「お客様を笑わすこと以外は何も考えていません。夏の最後に思い切り笑って楽しんでお帰りいただくために精一杯おもしろくするので、観に来てください!」。

取材・文/高橋晴代
撮影/福家信哉




(2024年8月28日更新)


写真左より時計回りに、茂山逸平、茂山茂、茂山千之丞、茂山千五郎、茂山宗彦

Cutting Edge KYOGEN 真夏の狂言大作戦 2024

チケット発売中 Pコード:525-487
▼8月31日(土)11:30/15:30
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
A席-3500円 B席-2000円 
[出演]茂山千五郎/茂山宗彦/茂山茂/茂山逸平/茂山千之丞
※未就学児童は入場不可。
[問]芸術文化センターチケットオフィス■0798-68-0255

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