「命を削ってステージに立っています」
屋良朝幸主演の痛快アクション劇『The Agent』
兵庫公演が間もなく開幕！

屋良朝幸が主演するオリジナル・ミュージカル『The Agent』が兵庫で上演される。「ダンスバトルのようでずっと闘っている感覚。今までやってきた舞台の中で一番大変です」と語る屋良の胸中は――？

本作は2016年から4年連続で上演した屋良主演のミュージカル『THE CIRCUS！』シリーズを手掛けたTETSUHARUが企画・演出・上演台本を担い、屋良と再タッグを組んだ作品。近未来のアメリカの架空の都市を舞台に、相棒と共にFBI捜査官として活躍したが、自分のミスで相棒を殉職させてしまい、今は賭博場のファイトクラブでファイターとして生活を送るレン(屋良)が主人公だ。「アメコミ感がいっぱいの『THE CIRCUS！』シリーズとは違い、主人公がもっと人間臭くなっている。レンは相棒を死なせた後悔をずっと引きずって生きている暗いキャラクターで、そこからの成長物語が軸なんです」。　

今回はさらに歌やダンスを交えたアクションが怒涛のように続く。「それがTETSUHARUさんの作る世界観。特に今回はめちゃくちゃハードで、僕も歳を重ね、日々筋肉が疲れてきています(笑)。でも舞台が終わった後は、今日も生還したな、生きていて良かったなと。もう無理かもと思ってもお客さんのカーテンコールの歓声を聞くと、明日もいけるぞ！ となるんですよね」と、先だって行われた東京公演では確かな手ごたえを感じている。

また、謎のファイターのザック役を演じる植木豪とバトルするシーンでは、TETSUHARUを中心に振付のアイデアを3人で出し合った。「皆、付き合いが長いので、その日のうちに振りができちゃうぐらいで、あとはブラッシュアップしていく感じですね」と自信を見せる。

屋良は、俳優やダンサーをはじめ、振付師としても活躍しているが「でも自分は一体何者なのか...と悩む時が多いんです。アーティストじゃないかと言われても、まだそこには辿り着いていない。憧れているのはアーティストですね」と真っ直ぐに語る。2024年1月末には所属事務所のSMILE-UP.を退社する。「これからはその軸を作りたい。いろんなものを吸収した中で、断捨離のようにもう一回そぎ落として、俺はこれだよねという軸を作り直してから、またいろんなことをやってみたい。エンタテインメントから離れる気持ちはまったくないですし、僕にはそれしかできない。自分で何を追求していくかをもっと明確にしていく時が来たんだと思います」と決意を語る。

兵庫公演は1月13日(土)に幕を開ける。「激しいダンスやアクションが盛りだくさん。本当に命を削ってステージに立っていて、間違いなくご覧になる皆さまをびっくりさせられるパフォーマンスです。ぜひ、劇場で体感してください！」

取材・文：米満ゆう子

（2024年1月11日更新）