天海祐希が大ファンのアダム・クーパーと夢の初共演！

天海祐希が、あのダンス界のスーパースター、アダム・クーパーと舞台『レイディマクベス』で夢の初共演を果たす。オファーを受け、「世の中にこんなことがあっていいのか？と思うぐらい驚いた」というアダムの大ファンの天海が取材会で喜びを語った。

英国ロイヤル・バレエ団の元プリンシパルダンサーで、日本でもファンの多いアダム。昨年はミュージカル『SINGIN'IN THE RAIN 雨に唄えば』で来日し、その美声と卓越したダンスで観客を大いに沸かせた。「アダムさんが歌い踊り、舞台の中央に一人で佇んでいる時、スポットライトを全部自分で吸収して、違う色にして客席に届けているように感じたんです。ものすごく感動して号泣しました」と天海。「何度かお目にかかる機会があってサインも持っています。お会いした時、アダムさんは手を振ってくださったんですが、私は恥ずかしくて顔が見られなくて(笑)。今回のポスター撮影でも、そこにいらっしゃるんですけど、本物じゃない気がして(笑)。顔が緊張していました」と本当にうれしそうだ。

『レイディマクベス』は、シェイクスピアの『マクベス』をベースにした世界初演の新作。ある国で元軍人のレイディマクベス（天海）は、同志の国軍のマクベス（アダム）と恋に落ち、娘を授かる。「セリフは現代にも通じる言葉で、なおかつ美しくて詩的。ある地点に到達していく人間の思いや状況が丁寧に克明に描かれているんです」。マクベスの妻といえば、原作では悪妻として有名だが、「見てくださった方が、やっぱり希代の悪妻だと思われるのか。悲しい人、強い人だととらえるのか。その判断を今作で私もうかがいたいですね」と言う。

アダムのマクベスは兵士として体も心も傷ついているという設定で、日本語と英語を話し、言葉よりは体で表現するシーンが多いそうだ。気になるダンスシーンは？と尋ねると、「台本にいくつかありましたよ。相手が私かどうかは分からないですけどね！」とちゃめっ気たっぷりに返してくれた。

頭から爪先まで優美で、立っているだけで劇場を征することができる二人。アダムからは「佇まいや作品に向かう姿勢、演じる時の体温や熱を肌で感じたいなと思っています。アダムさんと演出家のウィル・タケットさんは英国人なので、シェイクスピアのベースが私たちとは違う。その言葉のとらえ方も学びたい」と意欲に燃えている。

「同じ板の上に私とアダムさんが乗っているなんて、今後一生ないと思う」といまだに夢のような様子。貴重な二人の一挙手一投足を劇場で見届けよう。

取材・文／米満ゆう子

（2023年10月25日更新）