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「言葉を信じて」
高杉真宙×藤野涼子『ロミオとジュリエット』開幕

高杉真宙と藤野涼子による『ロミオとジュリエット』が、9月13日に東京・有楽町よみうりホールで開幕した。

ウィリアム・シェイクスピアによる不朽の悲劇を、故・蜷川幸雄のもとで長らく演出助手を務めてきた井上尊晶の演出で立ち上げる本作。敵対する両家の子女を取り巻く人間模様を中心に、若い恋人によるたった5日間の短くも激しい恋路が描かれる。

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初日開幕前に行われたゲネプロは、1幕(約100分)のみ公開された。高杉は、舞踏会でジュリエットを見初めて感じる胸の高鳴り、彼女が自身のモンタギュー家と敵対するキャピュレット家の娘と知った際の嘆きなど、表情を目まぐるしく転じながら恋に落ちたロミオをみずみずしく形にした。一方で、親友マキューシオをジュリエットの従兄弟ティボルトに殺された怒りを露わにする場面で見せた狂気は出色だ。

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対する藤野は、可憐な中に意志の強さを秘めたジュリエット像をにじませる。ともすれば現代だと浮いてしまうシェイクスピア劇の長ゼリフを、ジュリエットの言葉として自然に聞かせる説得力があった。ロミオと気持ちを確かめ合い、手を取って口づけを交わす若々しいラブシーンには熱量があり、これからふたりを待ち受ける"悲劇"とのギャップに思わず切なくなってしまう。

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ゲネプロ前に行われた会見には、ロミオ役の高杉、ジュリエット役の藤野、演出の井上が登壇。記者から「シェイクスピア作品へ挑むにあたって、どんな点に気をつけながら稽古に臨んだのか」と問われた高杉は「尊晶さんから頂戴した"言葉を信じることを大切に"という言葉を心に留めています」とコメント。藤野も「シェイクスピアは"好き"という感情を、何十行もの長ゼリフで表します。ひとつひとつのセリフを、自分なりにイメージを持って発することを意識しました」と続く。

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蜷川のもとで過去の『ロミオとジュリエット』上演版を経験してきた井上は「この物語には、ロミオとジュリエットを取り巻く家族愛や友情などさまざまな"愛"が詰め込まれています。それらに支えられ、時に抗いながら、お互いを選び取って純粋な"愛"をまっとうするふたりの姿をご覧いただけたら」と作品をアピール。高杉と藤野には「たくさんの壁にぶつかっていると思いますが、倒れたら私が助けます。傷つき転ぶことを恐れないで」とエールを贈った。

上演時間は約180分(15分休憩あり2幕)。東京公演は9月24日(日)まで。その後、10月末にかけて大阪、富山、愛知、福岡、宮城と巡演する。

取材・文:岡山朋代
撮影:岡千里




(2023年9月19日更新)


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写真左より)井上尊晶、高杉真宙、藤野涼子

『ロミオとジュリエット』

【東京公演】

▼9月24日(日)まで上演中
有楽町よみうりホール


Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:519-878
▼9月29日(金)15:30
▼9月30日(土)12:00/17:00
▼10月1日(日)12:00
森ノ宮ピロティホール
全席指定-11000円 
【出演】高杉真宙/藤野涼子/矢部昌暉/新原泰佑/三浦りょう太/佐伯大地/他
※未就学児童は入場不可。劇場内では、マスクの着用を推奨いたします。また、咳エチケットにご協力をお願いいたします。公演中止など主催者がやむを得ないと判断する場合以外の払い戻しはいたしません。車椅子でご来場のお客様はチケットをご購入の上キョードーインフォメーションまでお早めにご連絡ください。
※9/29(金)15:30・9/30(土)17:00公演は来場者特典カード配布。
※9/30(土)17:00公演はアフタートーク実施(出演者:高杉真宙、矢部昌暉、田中亨)
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【富山公演】
▼10月7日(土)・8日(日)
富山県民会館 ホール
【愛知公演】
▼10月14日(土)・15日(日)
東海市芸術劇場 大ホール
【福岡公演】
▼10月21日(土)・22日(日)
キャナルシティ劇場
【仙台公演】
▼10月28日(土)・29日(日)
仙台電力ホール

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