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茂山千五郎家が贈る新感覚狂言
今年は“落語de狂言”

当主・茂山千五郎を筆頭に、宗彦、茂、逸平、千之丞の5名による狂言ユニット「Cutting Edge KYOGEN」(カッティング・エッジ・キョウゲン 以下CEK)が、恒例の夏公演を開催。京都で400年以上の歴史を誇る茂山千五郎家が、「ホームグラウンド」と呼ぶ兵庫県立芸術文化センターで最先端(Cutting Edge)の狂言を贈る舞台だ。今回のテーマは落語。演目は『たちぎれ線香』と、『犬の目』『二人粗忽(粗忽長屋)』の2作を同じ登場人物で連続上演。逸平と千之丞がCEKへの思いと今回の見どころを語った。

今や充実期を迎えた狂言師たちが、ダンスを踊る、着ぐるみを着てコントをする...。大蔵流茂山家の柔軟で自由な芸風を存分に生かし"おもしろいこと"を目指すCEKの舞台。今回は「古典落語の噺を少し現代的な演出にした落語二本立て」と演出を兼ねる千之丞。『犬の目』には宗彦と千之丞が、『二人粗忽』には加えて千五郎も出演。脚本は『犬の目』を逸平が、『二人粗忽』を千五郎が手掛けるが、それを千之丞が「1本のようにも見える」ように仕上げた。「全然違う落語の噺を同じキャラクターでやる、ちょっと不条理でおもしろく、たわいもない作品群です」。

休憩をはさみ『たちぎれ線香』。2012年に京都で初演、今回は演出を変更して上演する。「お客さんが感動的なストーリーに集中しようとするのを邪魔するコロス的な人が4人出てきます。元の話がすごくいいので、その力を信じて」。メインの若旦那に逸平、番頭に千五郎、置屋の女将の茂は「最後の15分だけ、ひとりでめちゃめちゃしゃべる」という配役のほか、全員が出演。「舞台はシンプルです。目の前で人間が一生懸命、身体と最小限のものを使って表現する姿が生の舞台の楽しみだと思うので」と千之丞。

逸平は「CEKは僕にとって自由研究をしている小学生の気持ち。リフレッシュできます。今、ダンスの振付を考えている兄(宗彦)は四苦八苦中ですが(笑)」。ふたりからメッセージを。「自分たちもおもしろいし、お客様にも笑って楽しんでいただける、それだけのために存在する公演です。狂言とか特に関係なく、エンタメだと思っていますので、夏の1日を笑いに楽しみに来ていただければ。そんな舞台を今年も作ろうと思っています」(千之丞)。「この夏の僕たちの自由研究の成果を観に来て、楽しんでいただければいいなと(笑)。どこかに狂言のニュアンスが感じられる瞬間ももちろんありますので、狂言ファンの方にもぜひ観ていただきたいです。僕たちを笑いものにしていただいて、スカッとして帰っていただけるんじゃないかなと思います」(逸平)。

公演は8月26日(土)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて。チケット発売中。

取材・文/高橋晴代




(2023年8月22日更新)


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写真左より、茂山千之丞、茂山逸平

Cutting Edge KYOGEN 真夏の狂言大作戦 2023

チケット発売中 Pコード:518-204
▼8月26日(土)11:30/15:30
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
A席-3500円 B席-2000円 
[出演]茂山千五郎/茂山宗彦/茂山茂/茂山逸平/茂山千之丞
※未就学児童は入場不可。
[問]芸術文化センターチケットオフィス■0798-68-0255

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