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若手世代を軸に新体制で臨む
シン・松竹新喜劇、発進!

大阪松竹座が開場100周年を迎える今年、1948年に誕生した松竹新喜劇は劇団創立75周年。節目の年を迎え、91年より劇団代表を務めて来た渋谷天外が代表を勇退、藤山扇治郎、渋谷天笑、曽我廼家一蝶、曽我廼家いろは、曽我廼家桃太郎ら若手世代を軸とする新体制でスタートする。笑いと涙と人情あふれる上方喜劇の伝統をつなげていこうと、新たな決意で臨む「松竹新喜劇 五月新緑公演」。演目は、劇団の代表作のひとつ『花ざくろ』と、久しぶりの上演となるまげもの喜劇『三味線に惚れたはなし』の2本立て。期待を担う若手陣の中から「楽屋や稽古場をなごませる才能は一番」と胸を張る天笑が、意気込みを語った。

天笑は2010年に入団。今では劇団を「自分の帰る場所、家のような感じ」と話す。長身でイケメンの彼は松竹新喜劇の舞台でニ枚目の役柄が多いが、「一見かっこいいけど、ちょっとやるとおもしろい。そんな2.5枚目が大好きです」。

『花ざくろ』は、「関西弁のお芝居を初めて観て、こんなおもしろいことをやっている劇団があるんだ」と入団のきっかけになった作品だ。実直な植木職人・三次郎と加代子夫婦の話で、三次郎の仕事への思い、加代への思いが胸にしみる人情芝居。見どころは「女房が家を出て行ったあと、ひとりで掃除をするシーン。一切セリフがない中で、女房への思いが伝わってくる。役者の見せどころです」。約60年前の初演から、繰り返し上演されて来た松竹新喜劇の名作。今回は扇治郎が祖父・藤山寛美の当たり役である三次郎に初めて挑む。演出は新派の齋藤雅文。

『三味線に惚れたはなし』は、三味線の音色にのって大工仲間たちが大騒動を巻き起こす、ドタバタまげもの喜劇。天笑は寛太郎、桃太郎と共に二枚目の大工・鶴吉を演じる。「2.5枚目の役で楽しいです。ただ、都都逸を歌うシーンがあって。頑張りますけど...」。音声だけが残る作品を43年ぶりの上演、天外が再編集し、演出は劇団赤鬼の川浪ナミヲが手掛ける。

天外の父・二代目渋谷天外は、ペンネーム舘直志の劇作家で今年が歿後40年。残された多くの作品をもとに、天外は役者・作者の両面から劇団を支え、若手俳優陣のエネルギーをベテラン、中堅がワンチームの気合で臨む。「2本とも、今、松竹新喜劇の魅力が伝わる一番いい作品。ここからが松竹新喜劇の新たなスタートなので、感性の豊かな若い世代の人たちにも観てほしい。生っていいなと思ってもらえる舞台にしたいです。5人の若手でしっかり助け合いながら頑張って行きますので、新しい松竹新喜劇を応援してください!」と天笑。

公演は5月13日(土)から25日(木)まで、大阪松竹座にて。チケット発売中。

取材・文:高橋晴代




(2023年4月25日更新)


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大阪松竹座開場100周年記念
「松竹新喜劇 五月新緑公演」

チケット発売中 Pコード:516-944
▼5月13日(土)~25日(木)
11:00/15:00
※5/15(月)15:00、16(火)15:00、19(金)11:00、22(月)15:00は貸切。
※5/18(木)は休演。
※5/25(木)は11:00のみ。
大阪松竹座
1等席-11000円 2等席-5500円 3等席-3300円 
[出演]藤山扇治郎 渋谷天笑 曽我廼家一蝶 曽我廼家いろは 曽我廼家桃太郎 
髙田次郎 井上惠美子 江口直彌 
曽我廼家八十吉 曽我廼家寛太郎 川奈美弥生
渋谷天外 他松竹新喜劇劇団員
/曽我廼家文童
※日時・席種により取り扱いのない場合あり。4歳以上は有料。公演ホームページで劇場の感染予防対策を確認のうえご来場下さい。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売いたします。興行主の同意のない有償譲渡は禁止いたします。
[問]大阪松竹座■06-6214-2211

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