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8年ぶりの『平成中村座』は
国宝・姫路城を借景に上演
4月30日にはみゆき通り商店街でお練りも!

「平成中村座」が世界遺産登録30周年を記念し、国宝・姫路城の三の丸広場で開催される。2000年に東京・浅草に初登場し、関西では2002年に扇町公園、2010年、2015年と大阪城・西の丸庭園で上演、今回8年ぶりに関西にその姿を現す。「江戸時代の芝居小屋を現代に復活させ、多くの方々に歌舞伎を楽しんでいただきたい」。十八世中村勘三郎の熱い思いを引き継ぐ中村勘九郎・中村七之助兄弟。「父が亡くなる最後の舞台が"中村座"でした。父が残してくれた"中村座"は、一生を賭けて守り、発展させていかなければならない宝物と宿題をもらっている感じです」と話すふたりが、意気込みを語った。
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青い空に白さが映える"白鷺城"こと国宝・姫路城。そのお城の前に江戸時代にタイムスリップしたような芝居小屋が立つ。「大阪城公演をきっかけに、各地の城でやりたいと思っていた」という彼らのもとに、姫路市からの申し出があり実現した。今回は初お目見えの土地であり、コロナ規制も緩んだため、4月30日(日)に"お練り"も開催。紋付き袴姿の出演者7名が人力車に乗り、JR姫路駅前からお城前へと続くみゆき通り商店街を行く。

今回の演目は「美しいお城を借景にするなら昼夜共にご当地もので」と考えていたふたり。第一部が城内の"お菊の井戸"にまつわる伝説を素材にした怪談劇『播州皿屋敷』と三島由紀夫作の恋物語『鰯売戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)』、第二部は狂言を題材にした軽妙な『棒しばり』と姫路城の天守に棲むという伝説の姫と人間との夢幻の物語を描く泉鏡花の名作『天守物語』。今回はすべてが中村座に初めて登場する作品だ。中でも『天守物語』と言えば坂東玉三郎。「"やりたい"なんて言えない」とためらう七之助を勘九郎らが説得、意を決して玉三郎のもとへ。結果、玉三郎は演出に加えさまざまにサポート。「姫路城のパワーを借りて全身全霊で務めます」と七之助。勘九郎は「いい作品を、この時しか観られない感動を皆様にお届けできると思います」。
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当日券や立見も販売予定。また劇場前には、公演期間中は誰でも買い物が楽しめる"三十軒長屋"が出現。最初は"五軒長屋"だったが徐々に増え、今回は平成中村座史上最大の三十軒に。姫路の特産品はもちろん、かんざし屋、てぬぐい屋、扇子屋など歴代公演地の浅草や小倉からも出店を予定。「ありがたいことです。東京からもまいりますし、ご当地の職人さんたちも集まってくださって中村屋を一緒に盛り上げてくださるので、彼らにも力をもらいながら勤めたいなと思います」。

公演は、5月3日(水・祝)から27日(土)まで、姫路城三の丸広場内 特設劇場にて。

取材・文:高橋晴代




(2023年4月28日更新)


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左より)中村七之助、中村勘九郎

姫路城世界遺産登録30周年記念
平成中村座姫路城公演

前売チケット完売
▼5月3日(水・祝)~27日(土)12:00/16:00
〈12:00〉『播州皿屋敷』/『鰯賣戀曳網』
〈16:00〉『棒しばり』/『天守物語』
姫路城三の丸広場内 特設劇場
松席-15500円(1階平場席) 竹席-15500円(1・2階長椅子席)
梅席-13500円(2階長椅子席) 桜席-11000円(2階長椅子席)
お大尽席-36000円(2階特別席)
[出演]中村勘九郎/中村七之助/中村橋之助/中村虎之介/中村鶴松/片岡亀蔵/中村扇雀
※3歳以下は膝上無料、ただしお席が必要な場合は有料。車椅子でご来場予定のお客様はキョードーインフォメーションへ予めご連絡下さい。
※5/10(水)、18日(木)、23日(火)第二部は休演。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

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