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創立101年になるOSK、
新世紀も「皆様に身近なものでありたい」

2月4日(土)から大阪松竹座開場100周年記念OSK日本歌劇団「レビュー春のおどり」が開幕する。1923年の大阪松竹座の開場とともに歩み始めたOSK日本歌劇団。中でも「春のおどり」は、1926年に大阪松竹座開場3周年記念として誕生し、「大阪の春は"春のおどり"から」と言われたように、大阪に春を呼び込む風物詩として親しまれてきた。

大阪松竹座開場100周年を記念した2023年の「レビュー 春のおどり」は、作・演出に振付師としても活躍する上島雪夫を迎え、洋舞2本立てで上演。第一部『レ・フェスティバル』は、映画「ロシュフォールの恋人たち」(1967年公開)にオマージュを捧げた作品で、全編フレンチ・ジャズで彩った、愛と幸福に満ち溢れた物語を歌と踊りで綴る。第二部『未来への扉~Go to the future~』は、クラシックからロックまで踊りこなす新生OSKのダンス・レビュー。両作品とも"ダンスのOSK"の真骨頂を楽しめる。

上島雪夫とOSK日本歌劇団男役トップスターの楊琳を筆頭に、娘役トップスターの舞美りらと千咲えみ、そして翼和希が本公演に向けての意気込みを語った。

2022年に創立100周年を迎えたOSK。「まもなく100周年記念の1年を終えようとしております。どんなときも変わらず私達を応援してくださるファンの皆様にお礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございます」と楊が冒頭にあいさつし、舞美、千咲、翼も深々と頭を下げた。
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作・演出の上島は、上演する洋舞2作について、次のように話した。まず、第一部のモチーフとなっている映画『ロシュフォールの恋人たち』は、「大好きな作品」とし、「全てのセリフが歌とダンスで表現されていて、こんなミュージカル的なものはないなと思いました。また、フレンチミュージカルは、日本ではなかなか上演されない。それは簡単に言ってしまうと歌と踊りしかないから。だから、OSKのようなレビュー集団ではないと上演できないのではと思いました。そのままではないですが、ああいった感じの音楽、ストーリー、歌と踊りで表現して、最後は幸せという作品にしたいと思います」。

第二部は「未来に向かう」がテーマだという。「この100年のいろんなレビューの歴史、そしてこれからのダンスをまたいでいくようなショーにしたいと思っています。オーソドックスなボレロや、アルゼンチンタンゴ、最近の2.5次元のようなものが入り混じる、懐かしいようで新しい世界、また、懐かしい楽曲を新しい楽器で奏でるなど、そういうことにトライしてみたいと思っています」。
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「春のおどり」では初演出の上島だが、OSKの舞台には何度も携わっている。劇団員たちにそれぞれ、上島の印象を聞くと、四者四様の答えが返ってきた。まず、楊は、「過去、何作か出させていただき感じていることは、今回も『ロシュフォールの恋人たち』を題材にしている通り、どこかセピア色という感じがします。それは華やかではないという意味ではなく、アメリカではなくフランスみたいな感じで。そういうセンスや品のある作品になると思います」。

舞美は、「上島先生は、とてもフラットに本質の部分もお話してくださいます。理想を追い求めすぎて自分らしさを見失っているところがあるのではないかと言ってくださっているように思いまして、そういう個性の引き出し方をしてくださる方だと思います」。
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芝居作品に2度出演したという千咲は、「たとえば、こんな速いテンポで歌ったことがないとか、こんな踊りのジャンルはしたことがないなど、新しい踊り、歌のジャンルに出会わせていただきました。歌劇の男役さんと娘役のデュエットダンスも、先生の作品では「こんな音楽で、こんなふうに踊るんだ!」と驚くことがあったので、きっと今回も新しい先生の踊りや歌に出会わせていただけるのではないかと、とても楽しみにしております」。
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今回初めて上島作品に出演する翼は「拝見していて、とても印象に残る振り付けをなさっているイメージがあります。見終わったあと、千咲に「あそこの振りがかっこよかったね」という話をしたら、「これは上島先生の振り付けだったんだよ」と教えてもらったり。今回、そんなかっこいい振り付けを受けられるのでとても嬉しくて、今から楽しみにしております」。
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開場100周年の大阪松竹座は、歌舞伎を上演する"和の劇場"だ。「花道が使えるので面白そう」と上島。和の劇場だから...洋舞だから...という意識はなく、「お客様と何かしら近いものにしたい」と意気込んだ。

2023年秋にはOSKのOBである笠置シヅ子をモデルにした朝ドラ『ブギウギ』(NHK)が放送開始される。それだけにOSKへの注目度もますます高まることだろう。まだまだOSKを知らない人に、その魅力を伝えてほしいと楊に頼むと、次のように話した。

「OSKの最大の売りは生命力の強さ、パワー。先ほど上島先生も言ってくださいましたが、舞台や作品に対しての熱量は本当にあると思います。そこを自負して、ちゃんと自覚して、もっと思い切って「売りだよ!」と言えるよう、もっともっと精進していきたいと思います。一度でも私たちのステージを観てくださったら、絶対に心に残って、また観たいと思ってもらえる自信はございます! 明日への活力や、日々頑張る糧、生きるために必要なもの、皆様の身近なものとしてありたいと思います。この「レビュー 春のおどり」でも皆様の心に残る最高のレビューを、最高の演出陣、先生方、スタッフの皆様、そして愛すべき劇団員の仲間と一緒にお届けできるよう、心熱く上演いたします。ぜひたくさんの方々に観ていただきたいと思います!」。

取材・文/岩本和子




(2023年2月 3日更新)


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(左より)翼和希、千咲えみ、楊琳、舞美りら、上島雪夫

大阪松竹座開場100周年記念
OSK日本歌劇団
レビュー春のおどり

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:516-684
▼2月4日(土)~12日(日)
(火)(日)11:00 (水)(金)(土)11:00/15:00
大阪松竹座
1等席-9500円 2等席-5000円 
[出演]楊琳/他
※日時・席種により取り扱いのない場合あり。4歳以上は有料。劇場内では必ずマスクの着用をお願い致します。新型コロナウイルス感染症対策は劇場ホームページをご確認下さい。
※2/5(日)15:00は貸切公演。
[問]大阪松竹座■06-6214-2211

【東京公演】

▼2月24日(金)~26日(日)
新橋演舞場

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