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宮藤官九郎が観客の前で分析!?
『もうがまんできない』が待望の上演

宮藤官九郎が作・演出を手掛けるウーマンリブvol.15『もうがまんできない』が上演される。ウーマンリブシリーズは、宮藤が何物にもとらわれず、今やりたいことをストレートに表現する大人計画の公演。同作は、2020年に公演予定だったもののコロナ禍で中止になり、無観客で収録・放送された。初めて観客を入れて上演する作品について宮藤が語った。

「コロナ禍の前、街の至るところでスマホを持って『ポケモンGO』をやっている人がいっぱいいて、何だろうこの人たちは? と思ったのが作品を書いたきっかけです」。ビルの一角を舞台に、解散寸前のお笑いコンビや、風俗店の店長と風俗嬢、不倫カップルらが偶然出会い、我慢していたさまざまな事情が、笑いや毒、切なさとともにあらわになっていく。宮藤ならではの疾走感あふれる作品だ。

2020年に引き続き出演する阿部サダヲは「最近、コンプライアンスをいろいろと言われたりして、宮藤さんも色々制限されることが増えてきたのかも。その反動で自由にできている作品だ」と話していた。それを宮藤に問うと、「コンプライアンスや人に注意されて表現を変えましたということはないです。俺は俺でやりたいことやっているのに、意外とスルーだったというのがいいかなと(笑)。別に過激なことがやりたいわけではなく、自分は面白いと思っているのにダメなんだということは今までずっとあったことだから。自由はないということを前提にして、それを逆手にとりたい。ダメという人を悔しがらせたいなと今、思っていますね」とキッパリ言う。

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今回、お笑いコンビを新キャストの仲野太賀と永山絢斗が演じる。解散寸前で関係に亀裂が入りながらも、ネタ合わせを必死にするコンビは笑えて痛々しい。「(仲野)太賀君演じるネタを書いている芸人が、ものすごく自分なんですよね。好き勝手に生きていて、楽しくて面白い人がいっぱいいる。目の前で起きていることが自分のネタより面白かったら絶望的な気持ちで、俺は何でこんなにつまんないんだとずっと思っている」と、常に宮藤の面白さと才気煥発さに驚かされるばかりなのに、意外な発言だ。「好きでやっているわりには8割方文句ばっかり言うから、辞めればいいのにとよく言われる。好きなら文句言うなという話なんですけど(笑)」。

物語のセリフには「皆、自分以外は見えているのに、自分は見えていない」と出てくる。そこが、"もうがまんできない"を引き起こすが、見る側も同じだと次第に気づかされる。「僕も端から見たら変ですし(笑)、自分のことを客観的に見られる人なんていないんだなといつも思っている。そこを今回、お客さんの前で面白く分析できたらいいなと思います」。

公演は4月14日(金)から5月14日(日)まで東京・本多劇場、5月18日(木)から31日(水)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて。東京公演は3月11日(土)、大阪公演は4月9日(日)一般発売。一般発売に先駆け、3月6日(月)11:00まで大阪公演のプレイガイド最速先行(抽選)を受付中。

取材・文:米満ゆう子
撮影:三浦憲治




(2023年2月28日更新)


Check

ウーマンリブvol.15「もうがまんできない」

【東京公演】
▼4月14日(金)~5月14日(日)
本多劇場

Pick Up!!

【大阪公演】

▼5月18日(木)~31日(水)
(火)(水)(木)(金)(日)13:00 (土)12:00/17:00
サンケイホールブリーゼ
全席指定-8500円
ヤング券-3800円(観劇当日22歳以下対象/当日引換券/要証明書)
[作][演出]宮藤官九郎
[出演]阿部サダヲ/仲野太賀/永山絢斗/皆川猿時/荒川良々/宮崎吐夢/平岩紙/少路勇介/中井千聖/宮藤官九郎
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

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