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「お能を身近に感じてほしい」
若手能楽師たちのガイドで初めてのお能を体験

「できるだけお能を身近に感じていただけるように」というコンセプトのもと、子供やお能初心者に向けて大阪市が開催する伝統芸能鑑賞会『みんなでお能を楽しもう』。1日目は「大槻能楽堂で館内ガイドツアー~能楽堂のオモテとウラをご案内」と「はじめての能楽の世界」、2日目は「こどもとたのしむ"お能"の世界」の3プログラムで構成される。この催しに取り組むのは、次代の能楽界を担う20代・30代の若手能楽師たち。その中から、観世流能楽師(シテ方)の上野朝彦、能楽囃子ユニット「ナニワノヲト」の貞光智宣(笛方)・成田奏(小鼓方)・中田一葉(太鼓方)の4人が取材会に参加、それぞれの思いを語った。

700年前に作られ、そのまま現在に継承されてきた伝統芸能の能楽。「娯楽多様化の中で、敷居が高くなってきた。能は変えてはいけないものですが、変えていくべきものがある」と話す上野。「能舞台の内側や装束一つ一つにある意味、どんな曲目か、すべて知ってお能を観てもらえれば、きっと感動していただけると思う」。

レンタルされる足袋をはき、大槻能楽堂内を解説付きで見学する「ガイドツアー」は、能楽堂ならではの独特の設備や空気感が味わえる貴重な体験だ。「はじめての能楽~」では、能とお囃子の解説から、お囃子(はやし)演奏に質問コーナー、最後に半能『田村』を解説付きで上演する。「年齢層に合わせた解説が必要と思っています。小鼓のきれいな、かっこいい構え方を伝えたい」と成田。参加者は笛の音の聞こえ方を言葉にしたような"唱歌(しょうが)"を歌い、貞光は能管(能の笛)で合奏する。「和楽器の魅力を伝え、日本の音により親しみを持ってもらうために頑張ります」と意気込む。

2日目の「こどもとたのしむ~」では、より丁寧な解説にお囃子演奏、能で斬組ミ(きりくみ)と呼ばれる迫力ある斬り合いのシーンも紹介し、最後に解説付きで半能『舎利(しゃり)』を上演。「太鼓の出番が少ない能ですが『舎利』では太鼓が活躍します。自分の国にある音を知らない人が多いので、大切な催しだと思っています」と中田。2プログラムともに舞台上に装束と能面が展示され、写真撮影もOKだ。清水寺で古代の武将・坂上田村麻呂の霊が僧に不思議な力で敵を退治した話をする『田村』、お寺から盗まれたお釈迦様の歯を俊足の神・韋駄天が取り返す『舎利』。「ともにすごく動きのある曲を選びました」(上野)。「お能の舞台には根底に大きな力がある」(貞光)という能の魅力。「これをきっかけにお能が少しでも身近になってもらえたら。みんなの思いが込もった催しです」。

「ガイドツアー」と「はじめての能楽の世界」は1月13日(金)、「こどもとたのしむ"お能"の世界」は2月18日(土)、大槻能楽堂にて。チケット発売中。

取材・文:高橋晴代




(2023年1月11日更新)


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(左より)中田一葉、成田奏、上野朝彦、貞光智宣

伝統芸能鑑賞会
みんなでお能をたのしもう

チケット発売中 Pコード:516-093
〈大槻能楽堂で館内ガイドツアー
~能楽堂のオモテとウラをご案内~〉
▼1月13日(金)15:00
前売-1000円(足袋レンタル料含む)

〈はじめての能楽の世界〉
▼1月13日(金)18:30
一般-2000円 
こども(高校生以下)-500円(中学生、高校生は要学生証)
[出演]山田薫/上野朝彦/上野雄介/原陸/中田一葉/山本寿弥/成田奏/貞光智宣/他
※半能「田村」 終演後、出演者が舞台に再登場。座席から写真撮影ができます。

〈こどもとたのしむ“お能”の世界〉
▼2月18日(土)10:00/14:00
一般-1500円 
こども(高校生以下)-500円(中学生、高校生は要学生証)
[出演]山田薫/上野朝彦/上野雄介/原陸/中田一葉/山本寿弥/成田奏/貞光智宣/他
※半能「舎利」 終演後、出演者が舞台に再登場。座席から写真撮影ができます。

大槻能楽堂
※未就学児の膝上鑑賞は無料。但し座席が必要な場合は有料。新型コロナウイルス感染症の影響により、内容を変更または催しを中止する場合があります。
[問]一般社団法人 アーツインテグレート■06-6372-6707

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