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にぎやかに茂山狂言が
大阪松竹座へ13年ぶりに登場!

大阪松竹座で茂山一門の「狂言の会」が13年ぶりに開催される。第1回は2002年、2回目は2008年、そして今回が3回目。演目は、歌舞伎の『釣女』のもとになった狂言『釣針』、国へ帰る大名にウソ泣きで恨み言を言う女を描く『墨塗』、木下順二作の民話を狂言に仕立てた1955年初演の新作狂言『彦市ばなし』という、楽しく笑える三本立て。京都を拠点に関西各地で狂言人気を盛り上げてきた茂山の若手狂言師たちも、13年の間に一門を率いる主力となった。「大阪松竹座 狂言の会」に出演する茂山千五郎、茂山宗彦、茂山千之丞の3人が会見に臨み、意気込みを語った。
 
コロナ禍で、昨年は大阪での狂言会がほとんど開催できなかった茂山家。今回は久しぶりの大阪、そして歌舞伎舞台での上演も久しぶりだ。「すごくやりがいを持っている」と千五郎。「先代の千之丞は本当に歌舞伎が好きでした」とこれまでの公演に思いをはせる千之丞は、「僕らもいい意味でアウェイなのかなという感じです。楽しくもピリッとする舞台になれば」と意気込む。
 
演目は先代の血を継ぎ、多彩な企画に挑んでいる千之丞が選んだ。最初の『釣針』は「歌舞伎の舞台は大きいので、大勢が出るにぎやかな演目をと。子供たちも参加して一門でご覧いただきます」。女を釣り上げる太郎冠者を演じる千五郎は「釣り上げる時に舞う、狂言らしい舞を観ていただきたいですね。それと女性の衣裳の華やかさにもご注目いただければ」。竜正(たつまさ)、虎真(とらまさ)、鳳仁(たかまさ)ら千五郎の息子たち、そして茂山逸平の息子・慶和(よしかず)、さらに千五郎の弟・茂の息子で9歳になる蓮も出演。「次世代が一つの舞台に勢ぞろいして役を演じるのは初めてです」。『墨塗』は「円熟の芸をご覧いただきたい」と、数えで古希(70歳)を迎える千之丞の父・茂山あきらがシテを勤める。
 
最後の『彦市ばなし』は「今の主力世代の逸平、茂、宗彦が舞台をワッと動き回る、能舞台ではできない松竹座さんならではの演出でにぎやかに楽しんでいただきます」。同作は登場人物が熊本弁でしゃべる狂言。大名を演じる宗彦は「福岡でも熊本寄りの大牟田出身の妻に方言指導をお願いして勤めます。えぇお芝居を観た後は劇場前で『よかったわぁ』ってお客さんが溜まる。そんな人たちが松竹座さんの前にあふれるような公演にしたいですね。あ、密にならない程度にね」。
 
公演は、2月5日(金)大阪松竹座にて開催。チケットは発売中。

取材・文:高橋晴代



(2021年1月28日更新)


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写真左から茂山千之丞、千五郎、宗彦

「大阪松竹座 狂言の会」

▼2月5日(金) 17:30
大阪松竹座
1等席-8500円 2等席-4500円


大阪松竹座 オフィシャルサイト