「歌芝居 芝浜」とオンステージで贈る
石川さゆりの新歌舞伎座 座長公演!
江戸落語屈指の人情噺「芝浜」をモチーフに新たなる息吹を吹き込んだ「歌芝居 芝浜」と、椎名林檎、森山直太朗らとのコラボレーション曲から大ヒット曲までを網羅したオンステージで魅せる石川さゆりの特別公演が6月6日(金)より大阪・新歌舞伎座で上演中だ。

腕に定評があるものの、酒に溺れてすっかり商いから遠ざかってしまった魚売りの夫と、時に気丈に、時に健気に支える妻という夫婦の情愛を描いた「芝浜」。「歌芝居 芝浜」では、まずは立川志の輔直伝という落語「芝浜」の口演から幕を開ける。石川は「石川亭さゆの輔」という亭号で登場。マクラから沸かせ、ネタで聞かせ、やがて場面は活気あふれる魚河岸へ移り変わり、物語が動き出す。
「高座への出方から、所作、気持ちの持っていき方など、志の輔さんには何から何までお教えいただきました。この『歌芝居 芝浜』はそんな私の落語から始まります。高座から魚河岸の風景に変わり、そうしてお芝居の世界に入っていくさまも大変面白くできていますので、その部分もどうぞお楽しみください」と石川。そして「『歌芝居 芝浜』はいつの世も変わらない夫婦の情愛、機微を描いています。その心は現代にも通じるものがあると思いますね」と語る。

初演は昨年9月の明治座。石川演じるお浜の夫、勝五郎は羽場裕一が演じたが、この新歌舞伎座公演では三上市朗が勤める。「同じお芝居でもお相手が変われば夫婦の形も変わるもの。“夫婦(めおと)百景”をぜひ、お楽しみください」。
そして第2部の歌のステージでは、さまざまなミュージシャンとのコラボーレーションが話題の最新アルバム『X-CrossII-』から始まり、絵芝居や語りといった見せ場も経て、やがて往年のヒット曲で彩るクライマックスへ。「歌芝居 芝浜」と同じく、第2部もバンドによる生演奏。厚みのあるサウンドで聴きごたえも十分だ。また、前半ではドレスの早着替えもあり、あでやかな衣裳で魅了する。
椎名林檎とのコラボレーションが話題のシングル「暗夜の心中立て」「名うての泥棒猫」ももちろん披露。花魁をモチーフにした前者と、70年代の歌謡曲のようなテイストが懐かしくも新しい後者と、それぞれ異なる持ち味だ。「らしくないね、と言われることもありますが、“演歌か、演歌じゃない”という線引きはなくて、今の時代に生まれた歌を歌いたかったんです」と自信を覗かせる。気丈に振舞いながらも弱さも隠せず、それでも生きていくんだと前を向き、しゃんと背筋を伸ばして佇む女性の姿にも共感が持てる。
「新歌舞伎座は舞台のどこに立っていてもお客様の顔がよく見えるので、とても好きな劇場です。この6月公演も“6月は新歌舞伎座が楽しそうだよ! 行こうよ!”と言ってくださるよう、そして既にご覧になった方が“とにかく行かなきゃ損だよ!”と言ってくださるよう、がんばります!」。
石川さゆり特別公演は6月26日(木)まで大阪・新歌舞伎座で上演中。チケットは新歌舞伎座までお問い合わせ。
(2014年6月13日更新)
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