音楽×お笑いの新たなるコラボレーションステージ
コントミュージカル『ET-KING歌笑劇～焚き火～』開催

9月17日(土)～19日(月･祝)の3日間、“みんなを、笑いでつなごう。”をテーマに京都・大阪・神戸の3エリアで同時多発的に様々な一大お笑いイベントを行う『YOSHIMOTO WONDER CAMP KANSAI～Laugh&Peace2011～』(以下、『YOSHIMOTO WONDER CAMP KANSAI』)。 地域に根ざした会場を中心に、お笑い、ライブなどのステージを全230公演開催、出演芸人も3日間で延べ1080人とかつてない大規模なものを予定している。その会場は、

大阪が…
【なんばグランド花月】【京橋花月】【5upよしもと】【ヨシモト∞ホール 大阪】【NMB48シアター】【AVEANUE A】【ヤマダ電機LABI1なんば横 特設会場・難波ラフピースクエア】【大阪ビジネスパーク】

京都が…
【よしもと祇園花月】

そして神戸が…
【メリケンパーク】【神戸朝日ホール】

と広範囲。3日間にわたり、連日連夜、“笑いの現場”をお届けする。そのうち、京橋花月では3日間にわたって、ET-KINGとのコラボレーションによるコントミュージカル『ET-KING歌笑劇～焚き火～』が行われる。

ET-KINGがコントミュージカル!?と思われる方もいるだろう。その歴史は以下の通り。'09年『コヤブソニック』への出演をきっかけに交流が生まれ、翌'10年5月にはET-KINGの大阪城ホール単独公演にて吉本新喜劇の面々を招いての小籔千豊監修コントミュージカルを初上演。同年12月には京橋花月に登場し、島田珠代らと『ポケットミュージカル』を繰り広げたのだ。

そしてこの秋、満を持して単独でのコントミュージカル『ET-KING歌笑劇～焚き火～』公演が決定した。演出は2丁拳銃の小堀裕之が担当し、2丁拳銃、ソーセージ、きんちゃくらと共演する。このコントミュージカル『ET-KING歌笑劇～焚き火～』とは一体どんなものなのか、開催迫る9月某日、ET-KINGのリーダーイトキンとTENNに話を聞いた。

－－こんにちは、ぴあ関西版WEBです。今日はよろしくお願いします。今回、コントミュージカル『ET-KING歌笑劇～焚き火～』を上演するにあたって、楽曲はどのようにして選ばれたんですか？

イトキン「持ち歌を10曲、今、自分たちが何を歌いたいかということを基準にして選びました。それから、オープニングテーマと劇中の1曲をさらに作らせてもらいました」

－－ストーリーは曲ありきなんですか？

イトキン「選曲してから話を詰めていったんですけど、曲のメッセージに沿ったお話になっとるんですよ。曲に合わせて放送作家の樅野さん、そして2丁拳銃の小堀さんが考えてくださって…。びっくりしました。芝居だけでも成立するんですけど、そこに歌が入っきて、全部、歌詞に連動しとるんですよ。それが最後までずっと続いて。ほんで、ひとつのでっかいテーマに括られているという、すばらしいミュージカルです」

－－曲順も樅野さんと小堀さんが？

イトキン「はい。樅野さんと小堀さんが考えてくださいました」

－－台本をお読みになったご感想をお聞かせください。

イトキン「話を組み立てていくところから参加させてもらって、もうずっと酒飲みながらやり取りしとったんですけど。そんな中で、芸人さんとして上がってはる舞台、漫才、新喜劇ちゅうもんがあって、いろんなものをミックスして、ワシらでは考えつかへんようなアイディアを出してはります」

－－そこで刺激を受けましたか？

イトキン「受けましたね。ワシらも舞台人としてステージに上がらせてもらっとるつもりなんですけど、歌もそうやけど、歌に入るタイミングやら、お客さんとの掛け合い、間っていうのが…。お笑いの舞台ってまた違うんですよね。“笑い待ち”というものもあるらしくて、それを待ちながら、次の台詞に行くまでの駆け引きっちゅうのは…やっぱり芸人の皆さんはすっごいなぁと思いますね。真似できやしません」

－－芸人さんと一緒にステージに立つのは3回目ですが、今回のメンバーはどうですか？

イトキン「今回は小堀さん主導で、初めて共演する2丁拳銃さん、ソーセージさん、きんちゃくさんで」

TENN「きんちゃくさんとだけまだ顔合わせをしていないんですが、2丁拳銃さんとソーセージさんとは、稽古も一緒にやらせてもらっています」

－－2丁拳銃さんとソーセージさんの印象を教えてください。

イトキン「スペシャルやな」

TENN「2丁拳銃さんは学生の頃からテレビで見ているので、なんか圧巻という感じがしましたね。僕らは芝居が初めてなんで、台本を目で追ってしまって、“ああ、次が俺の番やな”って感じで待つんですけど、芸人さんはほんまに会話しているように聞こえて。間であったりとか、稽古中に生まれる空気感とか…本当、すごいなって思いますね。さりげなく“こうして前を通りや”とかアドバイスしてくれたりとか、やっぱり舞台でやっとる人らはうまいな～と思います。勉強になることばかりですね」

－－逆にお歌の方でアドバイスすることは？

イトキン「今回に関しては、全部うちで歌うんでワシらから言うことはあんまりないんですけど、せやけどちょっとしたコラボレーションもあるんで、そこもぜひ見てほしいですね」

－－2丁拳銃さんは音楽活動もされてますよね。

イトキン「そうなんですよ。だからめちゃくちゃ楽ちんちゅうか、プライベートでも話がしやすいし、“こういうふうに持ってきたらどうですか”とか、歌のところではそんなやり取りができたんで、構成していく間はすっごいスピード感があって楽しかったです」

－－きんちゃくさんとはまだということですが、皆さん大体、いつごろからお顔合わせするんですか？

TENN「全員が揃うんはもう、前日ですね(笑)」

イトキン「前日か…」

－－前日ですか。舞台で出される瞬発力は相当ですね。

イトキン「すごいですね。ワシらは無理です(笑)」

－－ET-KINGさんのメンバーの間では稽古をされているんですか？

イトキン「稽古してます。ライブの待ち時間とか、リハーサルとの空き時間とかにも。メンバーにいきなり台詞を投げかけて始めます。やらなあかんちゅうことで」

TENN「舞台中の台詞を、例えば『何？ここ！』っていうのがあるとして、それをいきなり言って、次に台詞を言う人が返さないとアウトで。そうなったらしばらくはその二人で稽古が始まります」

－－メンバーそれぞれ個性があるかと思うんですが、お芝居にはどう反映されているんですか？

TENN「脚本を書いてくれた樅野さんと小堀さんとは、居酒屋で話しながら作っていったっていうのもあるし、僕らの思いを直接お二人に話せたので、一人一人のキャラをうまいこと出してくれた脚本に仕上がっているんです。芝居がうまい、下手も一つの味として、そういうことも引き出されている脚本になってるいると思いますね。あとは覚えるのみです。若干、リーダーイトキンは台詞が多くて…」

－－本番まで１週間ちょっとですよね。

イトキン「そうですよね…」

－－今、完成度はどのくらいですか？

イトキン「もう２、３割……頭に入ってますね！」

TENN「全然やないか(笑)」

イトキン「あと７、８割、がんばって」

－－例えばテスト前とかもそんな感じで、直前に集中的に勉強されていた方ですか？

イトキン「いっつもね、宿題とかもほんまにぎりぎりにならんと…。あとはもう謝るっていう（笑）。でも今回は、それでは許されないですからね。あれを…緑のマーカーを引いて、赤の下敷きで隠して覚えるっていうのをやってるんですけど、ぜんっぜん頭に入ってこうへん。ぜんっぜんダメです」

－－どういうふうに覚えてはるんですか？

TENN「お芝居は絶対に相手がいて、掛け合い、掛け合いの連続で。そこでのリズムが一人でもずれてしまうとすべてがずれるんで、ひたすら時間を見つけて誰かと一緒にっていうのが一番早いですね」

－－歌詞を覚えるのとはまた、わけが違うと思いますが。

イトキン「そうなんですよ。歌詞は２、３回歌ったら全部入るぐらいなんですけど、また違いますからね。芸人の皆さんは“歌詞を覚える方が大変やん”って言って言うてくれはるんですけど、いや～、台詞を覚える方がね。動きもつけなあかんやないですか。それで棒立ちになってもうたりね、すっごい難しいですね」

－－体の動きと台詞が自然でないといけませんもんね。

イトキン「はい。台詞って自分のものにしないと言えないですよね」

－－芸人さんから何かアドバイスを受けたりしましたか？

イトキン「前に、大阪城ホールでコントミュージカルをさせてもらったときに、未知やすえさんが言うてくれましたね。舞台袖で、出る直前に会場をぱっと見て、“会場が広いから一番後ろまで笑いが届くのに、今日はたぶん、このくらいかかる。笑いが起きたらこんだけ待ってから突っ込みやって”。で、それ通りにやったらずっと楽ちんに芝居ができたんです。“このくらいの秒数”って言ってくれはったんがすごいなって思いました。あと、BUCCIがどこに行ってええかわからんかったから、やすえさんに誘導してもらいました」

TENN「自分らのライブやのに、何で誘導されなあかんねん(笑)」

－－今回、小堀さんからはありましたか？

イトキン「芝居の部分では、ワシらが普段やっとるライブのMCみたいにして、曲に持っていき～って。いつもどおりでええからってすごい言ってくれはりましたね」

－－芸人さんとの舞台に出るようになって、ご自身の音楽活動では何か変化はありました？

イトキン「吉本新喜劇の皆さんって、言ったら一人に一つ、絶対にテッパンの持ちギャグがあって、それをずっと長きにわたって繰り返しやっていかれるじゃないですか。それを名人芸みたいにしていかはる。そういうスタンダードっていうものの守り方がすごいなと思って。やったらワシらは、やっぱり大阪で育った歌屋なんで、そこを大事にしてやらなあかんな～ってみんなで言うてて。歌の方に置き換えさえてもらったら、すごいことと思いますね」

TENN「いろんな芸人さんと知り合ったり、舞台を経験させてもらって思うのは、アンテナ力がすごいなって。常に何か張っている、何か面白いこと、何か新しいこと、何かヒントになることをって。例えば、会話でもすごい気を張っているというか。いろんなことに対して“とりあえずやってみよう、経験してみよう”って、常に外へアンテナを張っている印象があって。曲作りのアイデアもそうですけど、いろんなところで勉強になるなって思いますね。舞台でのほんの何秒間に賭ける瞬発力とか集中力とか、横で見てても“これがプロだ！”ってすごい勉強になります」

－－では最後、コントミュージカル『ET-KING歌笑劇～焚き火～』の開催直前の心境をお聞かせください。

TENN「今回、コントミュージカルを京橋花月という舞台で、しかも3DAYS公演ということで。そしてET-KINGにとっても、自分らの曲やメッセージをコントミュージカルという形で表現するのは初めてで。何もかも初めてづくしなので実際にどうなるのかなっていう不安もありつつなんですけど、でもやっぱり小堀さんと一緒に稽古していく中で“これは絶対、お客さんに受け入れてもらえる”っていう自信がどんどんついてきてるんです。また、ずっと昔から聴いてくれているお客さんにも、初めて見るお客さんにも、“この曲にはこういうエピソードがあったんやんな”って、僕らをより一層、深く知ってもらえる内容になっています。とにかくこの3日間、成功させて、その後、このコントミュージカルをいろんな場所でもやりたいなぁなんて企んでます」

－－ツアーですか？

TENN「そうですね。どっか持っていけたらいいなぁと思います」

－－昔から、ET-KINGとして別の形態で何かやってみたいなと思われていたんですか？

イトキン「今、持っている自分たちの武器っていうのは、DJがおって、司会がおって、５人が前に立って歌うっていう一番スタンダードなスタイル。それからバンド。そしてもうひとつ、大きい武器にしたいなっていうのが、芝居もして歌もするっていうコントミュージカルなんです。その３つがあったらそれぞれ１時間ずつでも３時間のステージができるので、こんなスペシャルでおもろいことはないなって思ってるんです。そして、その中でも新しいものを作っていけたら楽しいやろうな～って」

－－なるほど、そのスタイルが確立して改めて振り返ったとき、'11年の９月というのは、ET-KINGさんの歴史の中でも何かこう、大きな意味を持ってくるかもしれませんね。

イトキン「ハリウッドとかの監督とか、観に来てくれへんかな。ブロードウェイとかの関係者も観に来てくれたらいいな～」

TENN「それ“世界”ですよ。まあまあ、……ないことも…ないか!?(笑)」

－－(笑)。 夢が膨らみますが、ちょうど公演と同じタイミングでシングルも出されますね。『約束／情熱のランナー』ですが。『約束』はどんな歌なんですか？

イトキン「約束って一人やったらできへんもんですよね」

－－ああ、そうですね。改めて考えると。

イトキン「人に自分の思いを伝えること、言うことはすごい大事なことだと思うんですけど、なかなか恥ずかしかったり、照れくさかったり、不器用だったりして伝えきれへことがあるじゃないですか。それだったら手紙に『ありがとう』って書いて渡して、それをきっかけに、お互いが何か“じゃあ、こうしよう”って約束して、次に進めるんじゃないかと思うんです。この『約束』には、手紙に書かれた気持ちを受け取って、未来にまた一緒に歩いて行きましょうっていうメッセージを込めています。今、付き合っとる人もですし、結婚して長いこと一緒にいてはる人も、この曲を聴いて若い頃を思い出して、ええ感じになってくれたら嬉しいですね」

－－そして『情熱のランナー』が、【毎日放送  マラソン応援テーマソング】にもなってますね。

イトキン、「はい。マラソンしようと思っても、一人やったら走れんと思うんですね。サポートをしてくれはる人がいて、トレーニングしてくれはるコーチ、家族、いろんな人の支えがあると思うんです。走りはる人、それから応援してはる人、みんなひっくるめてワシらから応援できたらなっていう曲です。今、夢を持って一生懸命やっとる人も、復興に向かって一直線に進んではる人も、それを支えてはる人も、がんばってはる人みんなへの応援ソングです」

－－なるほど。では、インタビューはこれにて終了いたします。今日はありがとうございました。

ET-KINGの更なる歴史の１ページを刻むであろう芸人とのコラボステージ、コントミュージカル『ET-KING歌笑劇～焚き火～』は、9月17日(土)～19日(月･祝)に京橋花月にて開催！　 『YOSHIMOTO WONDER CAMP KANSAI』だけのスペシャル企画、この機会をお見逃しなく！

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（2011年9月 8日更新）