NEWS

ホーム > NEWS > 『MINAMI WHEEL 2014』の出演者の中から 独断と偏見と愛をもってススめる ありのままのミナホ“推しメン”企画・第5弾は ライター鈴木淳史さんからの熱いレコメン!

『MINAMI WHEEL 2014』の出演者の中から
独断と偏見と愛をもってススめる
ありのままのミナホ“推しメン”企画・第5弾は
ライター鈴木淳史さんからの熱いレコメン!

 大阪ミナミ一帯のライブハウス20ヵ所以上を舞台に繰り広げられる、関西音楽シーンの秋の名物イベント『MINAMI WHEEL』。パス1枚で1日ライブ見放題のスタイルで、これからの音楽シーンを担う注目新人を中心に、400組以上が出演するこの巨大イベント。そこで、ぴあ関西版WEBでは、毎年大好評のカウントダウン企画として、関係各者が選んだオススメアーティストをピックアップする、『MINAMI WHEEL 2014 ありのままの“俺の推しメン” 』を実施!(笑) 第5回目は、音楽からお笑いまで、時にはラジオDJにイベントも開催と幅広く活躍する、ライター・鈴木淳史さんがレコメンド!

-------------------------------------------------------------------------------------------
 

 関西音楽界の『なるほど!ザ・秋の祭典スペシャル』と言えば『MINAMI WHEEL』なわけだが、思い返せば僕が大学生のとき、つまり90年代後半に産声をあげたこのイベントは、今や新人発掘青田買い的な意味合いもあるイベントになっている。まぁ、その時代時代の流行や旬があって、今だと四つ打ちの速いテンポのバンドが多いわけで…だからと言って否定はしないけど、個人的にはおもしろくないわけで。今年で4年目となる、この原稿だが、2年前すでにこんな言葉を書いている、というか、こんな言葉で〆ている。
 
 “てなわけで、今年の紹介も終わったわけだが…暑苦しい…。我ながら暑苦しい…もはや熱苦しいという方がピッタリだろうか。ロックでもポップでもフォークでもエレクトロニカでもダブでもヒップホップでもレゲエでもインストゥルメンタルでも何でもいいんです。心意気を感じるか、上辺だけでなく、チャラくなく、本気でやっているか。そんなもんだと思います。あくまで、僕は3つのバンドの話をしましたが、皆さんそれぞれの熱いバンドを探してください。ウィスパーボイスでも凄い人なら、熱を感じられますから。おあとがよろしいようで”
 
 相変わらず本当に好きなことというか、言いたいことしか言ってない。これに少し付け加えるとしたら、普遍性のメッセージがあるかどうか。特に言葉がある音楽なら、絶対に大事。そして、風景や情景を感じるか。これは、インストバンドでもトラックでも感じられますからね。歌が入ってようと、入ってまいと歌心を感じるんですよ、ええ音楽は。さぁさぁ、枕だけで長くなりますから、さっさといきますか。
 
 今年の1バンド目は、さよなら、また今度ね。今回取り上げるバンドの中で唯一の関東は千葉のバンド。そして、唯一逢ったことのないバンド。名前は知っていたが、最近よくある感じのバンド名の雰囲気、ほんで某音楽雑誌系との絡みもあり、てっきり流行旬の音を鳴らすバンドだと勝手に思い込んでいた。今年の夏、何気にYouTubeを観ていたら、横のラインナップに出てきたのが彼ら。ふとクリックしてみた、『輝くサラダ』という曲を。田んぼがある田舎道と白いスタジオで野菜を持った若者たちがハジけながら歌っている。サウンドも流行旬の音ではなく、ポピュラリティを感じる壮大なロックンロール。その上、キャッチ―だ。君の作るサラダについて、B’zを彷彿させるような大袈裟なノリで歌い上げるのも笑えてくる。型にハマらない…その感じに嬉しくて笑えてくるのだ。作詞作曲にギターボーカルと鍵盤を担当する菅原くんが、ギター片手に暴れている。よく見ると、そのギターは…ボ・ディドリーを彷彿とさせる長方形型という独特の真っ赤なギター! 「いやいや、キングブラザーズのケイゾウやないねんから!!」と思わず僕はツッコんでいた。そうそう、『輝くサラダ』は最後にドキッとする展開が…。元気よく暴れながらハジけながらサラダについてヤンヤヤンヤと歌っているだけと見せかけ、“銀行や携帯の支払いや全部二人で行きたい その帰りにスーパーマーケットで買い物しようよ 素敵で純粋な国々から取り入れた野菜、それが 輝くサラダ”と終わる。こうきましたか…とんでもない普遍性を帯びたラブソング。ただ者じゃないな…そう思ったわけ。『僕あたしあなた君』の、“忌野清志郎をコントロールするなんてしちゃいけない事をしてしまいたい”なんてスリリングな歌詞も素晴らしい。今こう書いている僕自身がライブ未経験…だから観たいのさ!
 
 続くバンドは関西から一気に2バンドいっちゃいます。キーワードは、『OTODAMA’14 ~ヤングライオン編~』に共に出ていたということでしょうかね。今年5月末に大阪城音楽堂で催されたイベントで、要は若手が出るわけで。まずはミラーマン改めボールズいきましょうか。僕が敬愛する大人関係者の皆様から、ミラーマン時代より“いいぞー! いいぞー!”と聞いていたわけです。でも、なかなかライブを観る機会もなく、YouTubeだけでは掴み切れないところもあり。5月中旬くらいに初めてライブを観て、想ったことは…スピッツのメロディをエレファントカシマシでがなる! 要はボーカルのヤーマン(=山本)くんですよね、肝は。グッドメロディな上にパッションを感じるなんて、一粒で二度美味しいとしか言いようがない。また、このパッションが厄介なくらいに熱い。若さゆえの熱さでもあるのだが、僕は熱すぎて少し空回りしているくらいのヤーマンくんが愛おしいのです。熱さを良い感じにコントロールしたら、『若者たち』なんていう大傑作デビューアルバムをドロップした素晴らしき先人をも彷彿させるようなバンドになるのではないでしょうか。『Akutagawa trip』の…ライブでのトリップ感は尋常じゃないです。
 
 ほんでもって、もはや中堅、いやベテラン!? 神戸のセックスマシーン。ボーカルのモーリー(=森田)は30過ぎだが、10代からセックスマシーンを立ち上げている。モーリー以外のメンバーが変わって数年…いわゆるセクマシ第二期がとっても盛り上がっている…というか盛り上げているのだ、彼ら自身が。灘中→灘高→神戸大学なエリートのモーリーは、頭も心も全てのパワーを音楽にだけ注ぎ込んでいる。第二期の懐刀であるベースの日野くんがいろんな大人の関係者と交流することにより、広い視野で現場を体感し、今までなかったようなブッキング…そして、より多くの人々にセクマシの音楽を聴いて欲しいという心意気を、モーリーに植え付けた。青春パンクの狂騒時代を経験し、今もハードなロックをこよなく愛し、その上で昔ながらのウェットなメロウさも健在。鍵盤の音色が美し過ぎて、モーリーのセンチメンタルさが爆発したスローバラード『昨日の続き』は、本当に聴いて欲しい。昨日の続きは明日に続く…みんな中堅を舐めんなよ。
 
 ‘99年当時、“東のミッシェル、西のキング”と言われた兵庫・西宮在住のベースレストリオ、キングブラザーズ。メジャー契約切れ、ドラマー脱退、ライブ活動休止など不安定な時期もあった彼らだが、4人体制では初となるアルバム『THE FIRST RAYS OF THE NEW RISING SUN』を’10年に6年ぶりにリリース。ホワイト・ストライプスやストロークスらという海外のバンドからも愛され、国内の若手バンドからも絶大な支持を受ける。’11年には8年ぶりとなるメジャー再進出を果たして大手事務所とも契約するが、約半年後には自らのマネージメント、そしてインディーに戻ることに。’12年、新たなマネージメントで動き出すが、’13年には鉄壁のリズム隊であったベースのシンノスケとドラムのタイチが、まさかの脱退…。そして、今年の年明け1月11日、彼等の地元である西宮で開催した復活ライブには、新ドラマーのゾニーの姿が。ケイゾウ、マーヤ、ゾニー…誠に久しぶりにベースレストリオとなった彼ら。
 
 ……バンドの壮大な歴史で、もうこんなに書いちゃった。ハッキリ言って、ベテランですよ。それも凄味のあり過ぎるベテランですよ。キングは言葉もね、音もね、全てがロックンロールなんですわ。無駄なものが一切ない。毎回聴くたびに泣けてしまう。哀しい…何かよく分からんが哀しい…。もしかしたら、ネームバリューとクオリティの凄味に反して、言うほど報われてないからなのか…。彼らのバンド人生を観ていると、あまりの頑固さや厄介さに驚くし、そこが世間から分かりやすく受け入れてもらえない理由なのかもしれない。でもね、もうね、そんな呑気なこと言ってられないのよ。ライブを体感したら、やっぱり思っちゃうんですよ…“とんでもねぇ、ホンモノだ…”って…。だから、もっと彼らが世間に対して意識的になったら、このバンドはとんでもないムーブメントを巻き起こす。でも、意識的にならないのが、このバンドの存在証明なのかもしれないし…。
 
 3人体制に戻った今年、彼らは闇雲なくらいにライブを乱れ撃ちしている。確実に研ぎ澄まされていることは確かだろう。’10~’13年のライブはほぼコンプリートしている僕だが、今年は敢えてライブを1月以来観ていない。だから、もしかしたら誰よりも今回のライブが楽しみだ。キングブラザーズに王冠を…。そんな言葉を、11年くらい前だろうか…東京の音楽雑誌編集者が記していた。大好きな言葉。そして、心から願う…キングブラザーズに王冠を…。今回のライブが、その始まりになると、期待しながら僕は向かいたい。
 
 以上、今年の4組で御座いました。



suzudama14.jpg

ライター 鈴木淳史
Twitter: @suzudama14


夏の野外イベント『OTODAMA~音泉魂~』の勝手に後夜祭(?!)『SUZUDAMA~鈴木魂~』という主催イベントが、今年で6年目を迎えます。『SUZUDAMA’14~鈴木魂~巌流島の決闘編~』! 10月30日(木)19:00から梅田AKASOで、SCOOBIE DOと曽我部恵一氏(+尾崎友直(g)&オータコージ(ds))の一騎撃ち!! 実母の鈴木オカン玲子(67)と僕(36)の親子は、“船渡し”という前説をさせていただきますので、どうぞ皆様いらしてください!!!! 本業は雑誌ライター・インタビュアーで、今春からはABCラジオ『よなよな~なにわ筋カルチャーBOYZ~』(火曜22:00~1:00)で喋り手も担当しとります♪

(2014年10月 6日更新)


Check
さよなら、また今度ね●10/13(月・祝)18:15~南堀江knave
ボールズ●10/11(土)17:00~CLUB DROP
セックスマシーン●10/12(日)19:00~KINGCOBRA
KING BROTHERS●10/12(日)20:00~BIGCAT

MINAMI WHEEL 2014
ありのままの“オレの推しメン!”特設サイト

他のセレクターも続々登場! 出演者やタイムテーブル
お得情報に関連イベントetcはこちらをチェック!!

https://kansai.pia.co.jp/special/minamiwheel2014/


Live

『MINAMI WHEEL 2014』

チケット発売中 Pコード239-990(1日券)
▼10月11日(土)~13日(月・祝)14:00
ミナミ・ライブハウス各所
土曜日券3500円 日曜日券3500円 
月曜日券3500円 ※3日通し券はSold Out!!
【お問合せ】FM802 リスナーセンター info@funky802.com
※6歳以上は有料。出演者、会場、開演時間は変更となる場合があります。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら